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 皇都の傭兵ギルドの中に入り受付まで進む。受付嬢に話をして皇女が手続きをしている間、周りの奴等が俺達をジロジロと見てくる。皇女の事は分かっているらしく、その皇女と俺達が一緒に入ってきたので喧嘩を売ってくる事は無い。


 皇女が手続きを終えたので、続いて俺達が請けるのだが、内容をよく読んでから決める。先ほどは酒を作ってくれと言われたが、妙な内容が書き加えられていたりする可能性は否定できない。


 内容に誤りや書き加えられた部分も無いので請け、受付嬢が受理して完了だ。後は原料を買って城に行って酒を作るだけだな。ついでに豊富な水もあるだろうから、向こうで皆の酒も完成させるか。まだまだ大麦が余ってるんだよな。


 傭兵ギルドを出た俺達は食料店に行き、俺が金を出して原料を購入する。金貨1枚分買ったので、コレで十分だろう。


 今度は城に向かって歩いて行く。まだまだ日中は暑い中、俺は自分達の周囲にのみ【冷風】を使って涼しくしている。そこまで快適ではないが、汗を掻くほどに暑い訳でも無いぐらいだ。


 皇都にある貴族街への門は皇女が居るのであっさりと通過、帝城への門もあっさりと通過した。見られたのは登録証と顔だけ。ちなみにダナとシュラの登録証に関しては、見た騎士が唖然としていた。


 城の庭には良い水が湧く井戸があるらしく、そこで酒作りを頼みたいとの事だ。案内されて分かったが、色とりどりの花が咲く場所で酒作りというのはどうなんだろうな。まあ、とりあえずさっさと作ろう。


 聖水がバレるのは今さらなのでどうでもいいのだが、まったく気にされないというのもなぁ……。何故か人が集まってきたが、樽の中の酒に釘付けで聖水が完全に無視されている。何だか可哀想なのは気のせいか?。


 皆の分も一緒に作っていると、何だか切れ者そうな人物がやってきた。中年ぐらいの姿だから、種族としては相当の高齢だろう。耳を見たら完全にエルフだからな。結構な高位の人物っぽいが、いったい誰だ?。



 「うん? 宰相ではないか。いったい何をしにきたのだ? いつもなら書類を片付けている時間だろう」


 「姫様が何者かを勝手に城に連れて来たと報告を受けましたのでね、息抜きがてら見にき…………」



 宰相だったのか。ガイアルム王国もそうだが、高位の文官は大体エルフと決まっているのかな? まあ、寿命が長いし、酸いも甘いも噛み分けてきただろうから頼りになるんだろう。そう考えれば、文官は寿命の長い種族の方が有利なのかね?。


 で、その宰相さんはフォルを見て固まっているんだが、これはアレか? 狂信者が1人増えるのか? ……何だか嫌な予感がする。



 「宰相、如何した? 宰相! 返事をせんか!!」


 「…え!? あ、ああ。申し訳ございません。少し、驚く事がございまして、その所為で固まっておりました」


 「少しの驚きでは無いと思うのだが、いったいどうしたのだ? いつも冷静沈着であれと口煩い宰相とは思えぬ驚き方だったと思うぞ?」


 「あれは目標と申しますか、そうある様に心がけねばならぬという事です。それよりも……大変失礼ではありますが、始祖の方でございましょうか?」


 「僕かい? 確かに森神様から加護を頂いて始祖と同じにはなったけど、あくまでも同じになっただけで僕は始祖の方ではないよ」


 「それは当然でございましょう。されど、始祖の方と同じになられる事自体、奇跡に等しき事なのです。あの、良ければで構わないのですが、不肖の私めと握手をして頂きたく……」


 「うん、それぐらいなら構わないよ。なかには物凄く熱烈な者とか居てちょっと困るんだけど、握手ぐらいならいいんだ」


 「おおっ! ありがとうございます!!」



 物凄く嬉しそうに握手している姿を見ると、何とも言えなくなってくるな。片や200歳近いと思えるエルフと、片や50歳ぐらいのエルフ。高齢の方が泣きそうなぐらい嬉しそうな顔で握手してるんだもんなぁ……。


 皇女がドン引きしているが宰相さんの目には入っていないらしい。さっきからフォルの顔しか見ていないし。あっと言う間に狂信者になってるけど、もしかしてエルフって皆そうなるのか? 勘弁してくれよ。



 「あの宰相が、こうもおかしくなるとは……いったい何故だ? 始祖の方とか言っていたが、それが理由なのか?」


 「エルフ族には<始祖エルフ>という特別な存在が居るんだよ。長身で片目が金色、そして男女両方のが付いてるっていう特徴があるんだ。それが全てのエルフの始まりなのさ」


 「なんと……だから始祖なのか。しかし、先ほど同じだけだと言っていたが、それはいったいどういう事なのだ?」


 「本物の始祖は既に亡くなっていますが、それ以降に森神様の加護を受けたエルフは居ないのです。フォルはその2例目であり、加護を受けてから始祖とそっくりな見た目に変わっていったのですよ」


 「神の加護を受けると、始祖と同じになり不老長寿になるという事なのか? 何か違う様な気がするのだが……」


 「姿が始祖と同じになったのはエルフであるフォルだけよ。森神様はその姿にこだわりがあるんじゃないかしら? 元々のフォルは小さかったし美少年だったわね」


 「ああ、そうだったな。小さい事に少しコンプレックスがあったみたいだが、いきなり大きくなって戸惑ってもいたな。私としてはフォルが体を売らなくてよくなったのだし、これで良かったのだと思う」


 「………それは、いったいどういう事でしょうか?」



 宰相さんが笑顔で話しかけてきたんだが、物凄く怖い。狂信者の圧ってシャレにならないんで、ちょっと止めてもらっていいですかね?。



 「元々フォルは孤児なんだよ。で、ガイアルム王国の王都にある神殿の孤児院に居たんだけどさ、どっかの国の侯爵がおかしな奴を神殿に入れたもんで、虐待や強姦を受けていたんだ」


 「「「………」」」


 「その後、孤児院を出て行く年齢になりましたが、残っている孤児院の子供達を食べさせる為に体を売り続けていたのです。そうして私達と出会い、アルドが神殿のゴミを潰したので今は一緒に居るのですよ」


 「その侯爵というのは、もしかして……」


 「帝国で処刑されたとか聞いたわね。皇帝陛下の信任厚い者だったらしいとは噂で流れてきたけど、それ以上は知らないわ」


 「まあ、フォルはガイアルム王国の生まれだし、多くの仲間が虐げられた原因は帝国の侯爵だしね。今は恨みも憎しみもマシにはなったけど、多くの仲間が虐待と強姦で亡くなった以上は……分かるだろう? それがキミ達のやっていた事さ」


 「「「………」」」



 流石に何も言えんわな。自分達じゃないと言うのは簡単だが、それは責任放棄にしかならない。その侯爵のやっていた事は知っていただろうし、その工作の結果が子供の虐待死だ。責任ある者として受け入れるしかない。


 雰囲気は悪くなったが、酒はやっと完成したので渡していこう。皆に渡していき、皇女にも渡した。大きな樽で1つずつあるんだから十分だろう。後は掛かった費用と依頼料を貰えば仕事は終わりだ。


 雰囲気も悪くなったしそろそろ帰りたいんだがなー、何か悪意を持った奴が近付いてくるんだけど? また面倒臭そうな事になりそうだな。


 ガチャガチャ音を鳴らしながらプレートアーマーの騎士がやってきたが、その後ろから矢鱈に俺を敵視し睨みつけてくる騎士が居た。どうもそいつが1番偉いらしい。



 「ここに不法に侵入したネズミが居ると聞いてやって来たのだが、この者共の事だろう。お前達、始末しろ」


 「「「「「ハッ!」」」」」


 「何を愚かな事を言っているのだ、貴様は! 私が許可した客人だぞ、勝手な事を言うな!」


 「この帝城に入る許可を皇帝陛下から受けた訳ではありますまい。ならば唯の賊ですな。賊ならば始末するのが当然だ。皆殺しにしろ」



 狂人が来たが、この国大丈夫か? 俺が憎いんだろうというのは想像がつくが、これ完全に戦争案件だぞ。リンデ達も殺そうとしているからな。



 ▽▽▽▽▽


 1048終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨177枚

 大金貨963枚

 金貨1068枚

 大銀貨1078枚

 銀貨1458枚

 大銅貨1998枚

 銅貨462枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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