表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1048/1948

1047




 皆が起きたので朝の挨拶をし、片付けをしたら部屋を出る。宿の玄関付近で少し待つとリンデ達が出てきたので、一緒に食堂へと向かう。


 中に入り大銅貨10枚を支払って朝食をを注文し、席に座って待っていると皇女がやって来て隣の席に座った。なにやら話があるみたいだが、何だろうな?。



 「昨日は急に城に戻る事になって済まなかったな。色々な事が起きた所為で私まで動く事になったのだ。子爵はともかく3派閥の内の2派閥のトップが行方不明になったので、それぞれの派閥が大混乱となっている」


 「もしかして派閥の中で争いが起きているのかい? 自分が新しいトップになろうと画策しているとか、もしくは子供の後ろ盾になろうとしてるんだろう?」


 「そういう事だ。今は誰が上に立とうとしているか、誰が後ろ盾になろうとしているか分かっていない。両侯爵ともに旧王族だからな、相応に立てようとする者はやはり居るのだ」


 「成る程。血筋としても侯爵家を立てたい者達と、そういう事は関係無く追い落としたい者達とで収拾が着かない訳ですね。まあ、トップが行方不明ともなれば大混乱となるのは当然でしょうけど」


 「ああ、陛下も頭を痛めておられる。この混乱をどう治めるのが1番国にとって良いのかとな。叔父上は<凄腕の斥候>に喧嘩を売るからこうなる、と呆れておられた。ガイアルム王国でも行方不明となった者は多く居ると……」



 皇女が俺を見ながら喋っているが、俺は表情には一切出さず話を聞いている。こんな所でボロを出すほど俺は間抜けではないし、最悪の場合は自分に【人形】を使えばポーカーフェイスは維持できる。


 俺の表情がまったく変わらない事で追及するのは諦めたのか、溜息を吐きながら皇女は話を再開した。



 「あくまでも叔父上の想像でしかないが、陛下も宰相も叔父上の意見が正しいと思っている。どう考えてもおかしいからな、子爵が余計な手出しをしてきた日に子爵と共に行方不明など。普通はあり得ん」


 「なら普通じゃない事が起きたんじゃないかしら? 内輪揉めとか、裏切りとか」


 「それは無い。私は知らなかったが、<死の番人>の最大の後ろ盾がクロンヴァル侯爵家だったそうだ。どちらかと言うと侯爵家の第2暗部みたいなものだったらしい。だから内輪揉めも、裏切りも無いのだ」


 「日和見の派閥は裏組織の飼い主だったという事か……よくある事と言えば終わる話かな。関係の無さそうな奴が関わっているなんて事は、昔からよく聞く事だよ」


 「<死の番人>のアジトでクロンヴァル侯爵家とのつながりを示す文書が大量に見つかっているのでな、そこの言い逃れは不可能だ。ただ、ヴェクリオ侯爵が行方不明になった理由が分からん。確かに子爵は両派閥を利用しようとしていたが、それだけではな……」



 また皇女がこちらを見ながら言ってくる。それ以前に食堂でする話じゃないって分かってるか? 俺が【止音】を使って……って、防音の魔道具を使ってやがる。いつの間にか皇女のテーブルの上に防音の魔道具が置いてあるぞ。


 おそらく女性騎士が取り出したんだろうが、見てなかったので気が付かなかったな。いやあ、こうやって隙を突かれると不意打ちを喰らう可能性もあるんで気を付けよう。



 「子爵っていうのは2つの派閥を利用しようとしていた訳だが、両派閥のトップはそれほど間抜けなのか? 裏で切り捨てる算段でもするのが普通だと、俺は思うがな」


 「切り捨てる……もしかしてデルオール子爵にワザと襲わせた? 切り捨てる為に? ……ああ、どちらが死んでも都合が良いと考えたのか。子爵が殺されても<凄腕の斥候>が殺されても、自分たちにとって都合が良いと!」


 「そんな事をすれば、誰かさんの報復対象になるに決まっているのですけどね。我が国でも報復は行われましたし、行方不明です。目撃者も無く証拠も無い。目の前で見た事がありますが、アレでは証拠になりません」


 「??? ……それはどういう事なのだ?」


 「死体は燃やされた後に粉砕されてしまいます。残るのは死体ではなく粉になった物。それが誰かの死体だと言っても証拠にはならないのですよ。それを立証しない限りは……」



 この世界にはDNA鑑定とか、そういう科学捜査的な手法は欠片も無い。よって粉が死体だとは証明出来ない訳だ。そもそも念入りに【浄炎】で焼いているうえに、細かい粒子になるまで【粉砕】しているんだから証明は無理だろう。


 朝食は終わったので、そろそろこの話も切り上げよう。話を聞いていた女性騎士1人が離れていったが報告に行ったんだろう。好きにすればいい。


 食堂を出てから、皇女に酒の原料を購入する場所を聞いたら変な顔をされた。なので大麦や果実が売っている所を聞くと、もう1人の女性騎士が案内してくれた。皇女は街を見回っているが買い物などはした事が無いらしい。


 大きな食料店に案内されたので、そこで皆が大量に買い漁った。最初は何故個人がウチに来るんだ? という顔を店主にされたが、女性陣が買った量は店主だけではなく、皇女や女性騎士の目も点になる程の量だ。買い過ぎだろうよ。


 その後は雑貨屋に案内してもらい大きな樽を買ったら、宿に戻り井戸に案内してもらう。帝国は水が少ない地域が多いが、皇都は豊富な地下水が流れている場所の上にあるらしい。なので遠慮なく使わせてもらおう。


 大麦からエールを作り、それをウイスキーにする。買ってきたワインをブランデーにしたら一旦終了だ。全員分ともなれば、それだけで昼にはなる。昼食を食べに食堂に行くのだが、皇女と女性騎士はずっと驚いていた。


 食堂に入り大銅貨10枚を支払って昼食を注文したら席に座る。神水を取り出してキンキンに冷やし飲んでいると、さっきまでの酒作りを思い出して皇女と女性騎士が何やら話している様だ。



 「私は見た事が無いので知らないのだが、酒とはああいう風に作るのが普通なのか? 何故かまったくそんな風には思えないのだが……。後、あんなに早く酒が出来る事もおかしい気がする」


 「私も詳しくは存じませんが、酒によっては早く出来る物もある筈です。ですが……」


 「半日掛からず出来るのは、明らかにおかしいとしか思えん。【錬金魔法】だと聞いたが、酒作りで使う様な魔法でもないし、あれらの魔法は使うと大きく劣化する筈だろう? どう見ても劣化している様には見えなかったぞ」


 「美しい琥珀色をしたお酒でしたし、一口だけ頂きましたがとても美味しかったです。アレが劣化したお酒だとはとても思えませんでした。陛下へのお土産に少し頂けませんかね?」


 「うむ、それはいいな。陛下もお喜びになられるだろう。しかし大量に穀物を買い付けるような金銭は持っておらぬしな。1度城に帰るべきか……」



 なにやら碌でもない会話をしている気がするが、下らん奴の手出しを帝国という国が何とかするなら、酒ぐらい作ってやってもいいんだがな。さて、どうするか……。


 昼食が終わり食堂を出ると、皇女から大麦と樽を買ってほしい事と、城に来て酒を作ってくれないかと頼まれた。「金は返すし、褒美も与えられるようにするので頼む」と、頭まで下げられたので受けざるを得ない。


 女性陣の顔を見ても仕方がないという顔をしているので受けた。ただし、傭兵ギルドに行って仕事として依頼するように言い、全員でギルドへと歩いて行く。


 流石に美女軍団が歩いていると目立つらしく、周りが避けたりナンパしてきたりするが、それらを無視して傭兵ギルドへと入る。そういや帝国に来てから1度もギルドを利用してないな。


 用も無いので、利用どころか近付いてさえもいなかった。とはいえ、ランクを上げる気も無ければ維持出来ていればいいだけだし、最悪は最初から始めれば済む。結局仕事を請ける理由が無いんだよな。


 中の奴等が一斉にこっちを向いたが、いつも通り無視するか。



 ▽▽▽▽▽


 1047終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨177枚

 大金貨963枚

 金貨1069枚

 大銀貨1078枚

 銀貨1458枚

 大銅貨1998枚

 銅貨462枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ