1044
夕食も終わり、今は宿の部屋に戻って寛いでいる。【探知】と【空間把握】を使っても不審な人物は見つからなかった。とはいえ、いつ来ても大丈夫な様に警戒を怠る事は無い。皆も微妙に警戒している様だ。
それを続けても息が詰まるし、慣れていないと気配というか殺気で警戒されてしまう。こちらは警戒していませんよ、という感じで警戒しなきゃならないんだが、そこはまだ難しいか。それでもいつか出来るようになるだろう。
皆に警戒を止めて酒でも飲むように言い、俺はダリアをブラッシングし始める。それを見ていた皆も気を張るのは止め、素直に酒を飲み始めた。と言っても、いつもより随分大人しい飲み方だが。
ダリアはブラッシングと【浄化】が終わると既にフラフラしていて、ベッドに上げてやると直ぐに寝入ってしまった。今現在、両脇から腕を持たれて連行されているが、動きが速いのはいつも通りだ。
全員をキメて寝かせたら、椅子に座って目を瞑る。【探知】と【空間把握】に反応が6つあるのだが、それ以外に1つだけ反応が薄い者が遠くに居る。あれが監視者か? 随分と反応が薄いのは何かの魔道具だろうな。
6つの反応が宿の中に入ってきたが、そいつ等は見つかる事も無く2階の俺達の部屋の前まで来た。鍵を掛けていたのだが、奴等は真っ直ぐ来た癖にスペアの鍵を持っている。それを出した瞬間、【衝気】を使って6人を気絶させた。
気絶した奴等を部屋の中に入れて、手枷と足枷を嵌めた後で【昏睡】を使っておく。次に隠密の4つの技を使って離れた気配の薄い奴の背後に回る。確認してみたが微妙に認識し辛いな、コイツ。
背後から【衝気】を使い気絶させて、同じ様に手枷と足枷を嵌めたら【念動】で浮かせて連れて行く。他に監視者が居ないのは分かっているが気を付けよう。俺の知らない魔道具もあるかもしれない。
部屋の中に置いてきた6人も連れて皇都の外に出ると、ある程度離れてから尋問を開始する。手っ取り早く話を聞く為に起こす前から【白痴】を使っているので、いつも通りにあっさりと喋る。
最初の6人は皇都の裏組織の人間で、組織の名前は<死の番人>だった。ガイアルム王国で死の○○という組織を作ってたのはコイツ等か? とにかく平民街にあるというコイツ等のアジトを潰すか。
それと、最後の1人は侯爵家の暗部だった。ヴェクリオ侯爵家というそうだが、こいつが今の皇帝と対立している派閥のトップらしい。昼の子爵は関係無しかと思ったら、あの子爵は2つの派閥を都合良く利用していたそうだ。
今回の襲撃が失敗したらバカ子爵は切り捨てられる予定だったらしく、両方の派閥のトップが裏で合意していたらしい。やっぱりただのバカだったか。とりあえず、敵になった以上はどちらも殺す。その事に変わりは無い。
侯爵家の暗部から両方の派閥のトップの住所を聞き出したので、さっさと始末して動こう。穴を掘って死体を放り込み、【浄炎】で焼いた後に【粉砕】する。魔道具も何もかもを捨てて壊したので、これで使える奴はいない。
認識が薄くなる魔道具を持っていたのだが、俺が使う【誤認】の劣化版みたいな物だった。それでも国宝レベルの代物らしい。俺としては必要も無いうえに、悪用されると面倒なので破壊した。魔神に怒られるかもしれないが気にしない事にする。
皇都に戻り、平民街にあるという<死の番人>のアジトに向かう。コイツ等は帝国内のいたる所にアジトを持っているそうだが、本部である皇都は少数精鋭らしい。全部で40人しかいないと自慢していた。
40人で組織が維持できているという事だろうが、俺にとってはカスどもと同じだ。どんぐりの背比べという言葉を送りたい。何故なら、もう全滅させたからだ。あまりにも呆気無いので拍子抜けしたけど、さっさと金だけ貰って次に行くか。
バカどもの死体と金を回収したら、アジトを綺麗に【浄化】して証拠を隠滅する。次に向かうはバカ子爵の屋敷だ。場所は聞いていたので裏口から閂を外して入り、屋敷の全員に【昏睡】を叩き込んだらバカを始末して収納する。
慰謝料として貨幣だけを貰って出たら、次はヴェクリオ侯爵家だ。こちらも同じ方法で侵入し、屋敷の中で1番偉い奴が居そうな部屋に入る。【白痴】と【忘却】を使ってから【覚醒】を使い起こして、当主かどうかの確認をしておく。
本人が当主だと断言したので首を落とし、死体を収納してから慰謝料を回収した。結構な額があったが後だな、それよりも次は日和見のクロンヴァル侯爵だ。ここも屋敷の場所は聞いていたので侵入し、屋敷内の全員に【昏睡】を叩き込む。
その後、1番偉そうな奴の部屋に行き【白痴】と【忘却】を使ってから【覚醒】で起こし話を聞く。すると、この男は侯爵の息子であり、侯爵は使用人の部屋で寝ている事が分かった。かつて暗殺されかかった事があり、その時から寝る場所を転々と変えているそうだ。
随分な根性無しだなと思いながらも、再度【昏睡】を使い寝かせる。その後、【忘却】を強めに掛けて完全に忘れさせ、使用人の部屋へと移動する。簡素なベッドの1つに寝ている偉そうなオッサンが侯爵だろう。
息子と同じように【白痴】と【忘却】を使い、【覚醒】で起こして確認すると、本人だと判明したので首を落とす。死体を収納したら屋敷を漁って貨幣を貰い屋敷を脱出、皇都の外まで移動する。
適当な所まで離れたら、穴を掘って死体を放り込み【浄炎】で燃やし尽くす。灰と骨を【粉砕】して埋めたら証拠隠滅完了だ。体も何もかもを綺麗に【浄化】してから、宿に帰って寝よう。
やっと宿の部屋に帰ってこれたが、今は地球的に言えば朝の2時半ってところか。早く寝ても寝不足だろうが、こればっかりは仕方ない。諦めてさっさと寝よう。
今日も一日お疲れ様でした。
<異世界487日目>
おはようございます。ビックリするほど眠たいですが、バカ貴族3家の所為なので何とも言えません。復讐は既に終わっているので文句を言っても仕方がないし、素直に諦めるしかない。今日は昼寝でもするかな?。
「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ~」
「……何だか随分眠たそうだけど、もしかして暗殺者か何かが来たのかい?」
「ああ。そいつ等はアジトに居た連中も纏めて始末したんだが、それの裏に昨日の子爵が居たんだ。更にその子爵の裏に、両派閥のトップ2人も居た」
「「「「「「「「はぁ?」」」」」」」」
「はぁ? じゃなくて唯の事実だ。あの子爵は両方の派閥を都合良く利用しようとしたが、両方の派閥のトップから都合良く利用されたんだよ」
「どういう事です?」
「両派閥のトップは俺達を殺せれば良し、失敗したら子爵を始末するつもりだったって事さ。つまり、両方の派閥のトップにとってはどちらでも良かったんだ。<凄腕の斥候>が死ぬか、バカな子爵家を潰すか……奴等に損は無い」
「それで、アルドはどうしたの? ……聞かなくても分かっているけれど、一応はね」
「予想通りだと思うが、3貴族の当主全員を始末した。いつも通り粉砕して埋めたんで死体は出てこないし、出てこない以上は俺を法で罰するのは無理だな。証拠が無い」
「うん。本当にいつも通りだね。今頃その3家は大騒ぎになってるんじゃないかな。私達には何の関係も無いし、主様を殺そうとしたのだから当然の報いさ」
「そうだね。暗殺なんてしようとしたんだから、報復されるのは当たり前だよ。バカな貴族って、そんな事も分かってなさそうだけど……」
「権力があって私設の騎士団があると、自分には逆らえないとでも思い込むのでしょうね。圧倒的な武力か暴力の前には、自分など1つの命でしかないのですが……」
「そんな事より朝食に行かないかい? あたしはお腹が空いたよ」
「そうだな。片付けも終わったし、食堂に行くか」
俺達が部屋を出て歩きだすと丁度リンデ達も部屋から出てきたので、一緒に食堂へと歩いて行く。何だかお前さん達も眠そうだが……夜遅くまで盛ってたな?。
3国の王族なんだから、少しは自重しなさい。
▽▽▽▽▽
1044終了時点
大白金貨20枚
白金貨114枚
大金貨851枚
金貨968枚
大銀貨975枚
銀貨1167枚
大銅貨1604枚
銅貨251枚
神木石の浄化槍
神石の浄化剣
神木の浄化棍棒
神木の浄化盾
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




