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1043




 「デルオール子爵、何故騎士を大勢連れてこんな所へやって来たのだ。不審な者でも居たか? 私にはそのような者がここに居るとは思えぬがな」


 「おやおや、これはカイルリア様。何故このような場所に? 私は不審な者が平民街に居ると聞き、捕まえようとやってきたまでです。カイルリア様こそ何故このような所に居られるので?」


 「私はいつもの見回り中だ。ここに居るのは何らおかしな事では無い。デルオール子爵、そなたがこの様な所に来る方がおかしいのだがな。そのうえ己の騎士を連れてやってくるなど……」


 「先ほど申した通り私は平民街に居るという不審な者を捕縛せんと来たまで。カイルリア様に邪魔をされるいわれはありませぬな」


 「皇都に於いて捕縛および逮捕権限を持つのは皇都防衛軍と近衛騎士団しか無い。貴様の私設騎士団には逮捕する権限も、捕縛する権限も与えられておらぬ。法を犯すという事は陛下に対する叛逆になるが?」


 「………」



 何か睨み合ってるみたいだが、この子爵は何をしにやって来たんだ? ……俺を殺す、もしくはリンデ達を人質にとる。どっちもありそうだが、可能性が高いのは俺の命かね?。


 とはいえ、こういう奴は大体理解していない奴だし、自分の命の方が消える恐れがあるっていう自覚は無い……んだろうなー。頭悪そうな顔してるし。それにしても、子爵如きが何故好き勝手をしてるんだ?。



 「どうせ子爵が動いたのはクロンヴァル侯爵に擦り寄る為であろう? その様な下らぬ事をしておるから、クロンヴァル侯爵から疎まれるのだ。役に立つ事と勝手をする事は同じではない」


 「グッ! ……しかし、軍が動かぬとなれば一貴族として動かねばならぬ筈!」


 「皇都防衛軍も近衛騎士団も動いておらぬなら、何の問題も無いという事であろう。更に、どんな理由があろうと己の騎士を勝手に動かして皇都で力を振るうなど、叛逆の意志ありとして処刑されても文句は言えぬぞ!」


 「………戻るぞ」


 「「「「「「「「「「ハッ!」」」」」」」」」」



 革鎧の騎士どもは去って行ったが、子爵とやらは最後まで皇女を睨みつけていたな。とてもじゃないが1国の皇女に対して行う態度じゃない。既に大恥を晒しているという自覚は欠片も無さそうだ。


 ここに居ても邪魔になるので宿に戻ると、またもや俺達の部屋での話し合いになった。送風機と冷房をセットして起動し、冷えた神水を入れて【冷風】で室温を下げる。


 嬉しそうな声が聞こえるが、皇女と女性騎士は涼みに来るのが目的だったのか? ……どうやら間違って無さそうだな。



 「あのアホ子爵は、他国の姫の前で大恥を晒した事を理解してるのか? その事だけで処刑の対象になるぐらい、国としての大恥な訳だが……。どうやら皇女も女性騎士も理解しているみたいだな」


 「そりゃそうだろうさ。流石にあそこまで頭が悪いのは珍しい筈だよ、普通は。ただ、この国はアタシを手篭めにしようとしたバカが昔居たからねぇ……何とも言い辛いんだよ」


 「その事も含めて理解されてないのか、それとも力でどうにでもなると思っているのか。どちらにしても頭が軽いとしか言えません。そのまま誰にも迷惑を掛けず、飛んで行けば良いのですよ」


 「頭が軽すぎると飛んで行ってくれるなら誰も苦労しないで済むのだけれど、そんな事は無いから困りものなのよね。ところで皇女様。アレの目的は私達かしら? それともリンデ達? どちらかによって意味は大きく変わるわ」


 「分かっている。おそらく目的は<凄腕の斥候>だ。こんな昼間に殺害などすれば、問答無用で子爵が犯罪者となる。だからこそ捕縛して功としたかったのだろうが、私が居て擁護するとは思わなかったのだろう」


 「先ほど、この国の公爵が手を出すなと言っていたと……ああ、まだ上の方で話し合ってるだけの段階か。その状況でバカがしゃしゃり出てきた訳だね。バカっていうのはそんなものだけど、最悪のタイミングで動いたという事か」


 「帝国にとっては最悪だな。3国の姫が見ている前で勝手に力を振るうバカが大恥を晒した訳だが、それを元に責任を追及出来ないのか? 流石に先程のは駄目過ぎるだろう」


 「帝国の法に抵触したとまでは微妙に言い辛いのだ。私設の騎士団を法衣貴族が持つのは構わないし、護衛であれば問題無い。捕縛と言っていたが、それはまだ行われていないからな。行われていれば責任を追及出来るのだが……」


 「確かに”まだ”何もしてないね。皇女様さ、あの子爵って裏で画策したりする? 具体的には暗殺者を送ってくるかを聞きたいんだ」


 「そういう事をしかねん短絡的な部分はある。だが、派閥のトップであるクロンヴァル侯爵は日和見派のトップだ。余計な事をする者をそもそも好まん。気に入られる為に暗殺などせぬと思うが……」


 「デルオール子爵なら確実に暗殺者を送ってきますよ。今まで何度も似たような事をしていますから。傘下の商会が泣き付いてデルオール子爵が邪魔な新興商会を潰す。そういった事をしてきていますので」


 「なっ!? ウェルクア、それは本当か? 私のところにはそんな情報は上がってきてないぞ」


 「私の名前はリューエンディドラです。海神様から与えられた名ではなく元の名を呼ぶのは、神に対する不敬なのですが……御理解されていらっしゃいますか?」


 「あっ!? す、すまん! 悪気があった訳ではないのだ!」


 「申し訳ありませんが、謝罪は私にではなく海神様にお願いします。それと、皇帝陛下に上げる情報と、皇女殿下に上がる情報は同じではありませんよ。これは当たり前の事です」


 「そりゃ当然だ。1国のトップと娘が同じな訳無いんだから、当たり前過ぎる事だよ。余計な事は知らされないし、教えられないもんだ。どこから情報が洩れるか分からないんだからさ」



 ま、当然だわな。人の口に戸は立てられないなら、知るべき者を減らして監視すればいい。そうすれば誰が洩らしたか分かるからな。そういう意味でも、知る者は少ない方が良い。


 10人部屋が狭く感じるが、それでも定期的に【冷風】を使っているからか涼しい。何度も使う必要も無く、室温が少し上がってきたと思った時に使えば、それだけで十分に涼しくなっている。


 余程この冷えた部屋が心地良いのか、皇女は昨日も着ていた鎧を脱いでダリアと遊んでいる。皇女自身は猫だと思っている様だが、ツインホワイトである事にも気付かないのはどうかと思うぞ?。


 ダリアは意図的に尻尾をくっ付けて1本に見えるようにしているが、それでも2本なのは見ていれば分かると思うんだがなー。全く気にしていないのか、それとも猫と遊ぶのが始めてで興奮しているからか。


 まあ、どっちでもいいけどね。ダリアさんも猫のフリをしているみたいだし、このまま放っておくのが1番良いだろう。それよりも女性騎士2人が熱心にダナから話を聞いてるのが何とも言えない。


 お前さん達、皇女の護衛だって事を完全に忘れてないか? 皇女と違って鎧を脱いだりはしてないけどさ、完全に護衛の事が頭から消えてるだろ。皇女が文句を言っていない以上は良いのかもしれないが……。


 微妙にモヤモヤしながら時間は過ぎていき、夕日が出てきたので夕食を食べに食堂へと向かう。皇女と女性騎士も城と近衛の本部に戻るらしく、宿の前で別れた。


 食堂に入り大銅貨10枚を払って夕食を注文したら、席に座って神水を飲みながらゆっくりする。皇女と女性騎士が居たんで、精神的には休めなかったんだよな。一応は警戒しておく必要があるし。


 あの皇女なら可能性は低そうだが、それでも奇襲してくる可能性はゼロじゃない。仲良くなって油断させ、後ろからブスリ。何ていうのは古くからの鉄板みたいな方法だ。


 気を付けるに越した事は無い。



 ▽▽▽▽▽


 1043終了時点


 大白金貨20枚

 白金貨114枚

 大金貨851枚

 金貨968枚

 大銀貨975枚

 銀貨1167枚

 大銅貨1604枚

 銅貨251枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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