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 「本当に申し訳ない、私もここまで愚かだとは思わなかった。まさかリンデリア・エッド・ガイアルム殿と、リヴィアーテ・ヴィル・ラグナンド殿に不敬な行いをする者が居るとは……」



 どう考えてもワザと言ったなコイツ。それにしてもリヴィの本名を初めて知ったが、たぶん明日には忘れてるだろう。興味無いし。それよりも皇女の話を聞いたバカ騎士の顔が真っ青になっているな。


 王国の姫や聖国の姫を平民呼ばわりだからなー。普通なら首が落ちても仕方がないんだが……どうするかはお手並み拝見ってところかな。適当にお茶を濁すのか、それともあっさり始末するのか。まあ、どっちかだろうな。



 「謝罪は受け取りましたので、その者を如何するかはそちらにお任せ致します。リヴィもそれで良いですか?」


 「まあ……そうだね。ここでこちらの求める事を言う必要は無いか。私もリンデが言った通りで構わないよ。何をしようとも、それを”帝国の答え”とさせて頂こう」


 「あい分かった。我が国からの”誠意ある答え”をお返しする事をお約束する。おい、この者を連れて城へと戻れ。兄上に何があったか申し上げ、この愚か者の身柄を渡してこい」


 「「ハッ!!」」



 女性騎士2人がバカ騎士を左右から抱えて行ってしまったが、守らなくて良いのか? まあ、近くに怪しいのは何人も居るから、そいつらが影の護衛なんだろう。怪しい奴をジーッと見てやろうかね。


 俺がジッと見ていると、影の護衛であろう男が目を背けた。流石に無関係なフリは続けられなかったらしい。修行のやり直しだな。後で怒られるといい。



 「それよりもウェルクア、何故予定通りに戻って来ず、妙な者達と一緒に居るのだ? 少なくとも、そこの男は<凄腕の斥候>であろう?」


 「……ふぅ。殿下、私はもう帝国の者ではありません。部下達から裏切られ、裏組織に売り飛ばされたあの時から国を愛する心など無くなりました。所詮、人魚族である私は異物なのだと理解できましたので……」


 「何を……ちょっと待て、売り飛ばされただと? それが本当なら大問題ではないか!? 仲間を裏切るなどあってはならん事だぞ。ましてやウェルクアは隊長であろう!?」


 「隊長であろうが無かろうが、気に入らない者を潰すには都合が良かったのでしょう。子供の頃から疎外感はありましたが、やはり私は帝国の者ではなかったという事です」


 「ちょっと待て、待つのだウェルクア。この件は必ずやカイルリア・ゼオル・ディザルオンの名に懸けて真相を解明してみせる。だから待つのだ」


 「申し訳ございません。ですが、もう私の心はこの国には無いのです。それと、今の私はウェルクアではなくリューエンディドラとなりました。海神様より名と加護を賜り、不老長寿となりましたので……」


 「は?」



 どうやら思考停止したらしく固まっている。それを見てウチの女性陣がニヤニヤしてるのがちょっと面白い。っていうか、そろそろ俺達の食事を持ってきてほしいんだけど? この皇女が居る所為で食事が出来ないんだよ。


 昼食がいつまでも来なくて、店の従業員がずっとこっちを窺ってるんだよな。ちなみにエリアは露骨に機嫌が悪くなってる。食事に来て待たされたら当然だわな。



 「すまない! そろそろ俺達の昼食を持ってきてくれないか? ずっと待たされても困るから早く持って来てくれ」


 「いえ、あの……大丈夫でしょうか?」


 「気にしなくていい。それでどうこう言うなら、この国の皇族というのは”その程度”と思われるだけだ。だから何の問題も無い」



 何故かビクッとしたものの、ゆっくりとだが料理を持って来てくれた。そもそも俺達は食堂に食事をしにきたんだ。それを妨げる権利は皇族だろうが皇帝だろうが持っていない。これは誰に対しても同じだ。


 食事時に乱入して自分を優先しろなど、マナーも何も知らない蛮族だからな。そんな振る舞いを皇族や皇帝がしたら、その瞬間から蛮族国家と言われかねない。だから矜持に懸けても絶対にしないんだよ。まともなら。



 「重ね重ね申し訳ない。食事は自由にしてくれ。それよりも不老長寿になったとはいったい……神から名を賜ったという事は加護を得たという事だから、それは分かる。だが、不老長寿……」


 「面倒だからアタシから言うけどね、海神様はリューを不老長寿にしてアルドについて行けと仰ったんだよ。それでアタシ達の仲間となった訳だ。ちなみに初めて会った時はボロボロだったよ」


 「そうですね。味方に裏切られて疑心暗鬼になっている部分がありましたし、娼婦として酷使されていたからか体の中からボロボロだったそうですよ? そこまでされて、この国を信じるなんて者は居ないでしょう」


 「仕方ないわよね。部隊の者が勝手にやった事であっても、原因は人魚族に対する根深い差別だもの。元々エルダ海洋国の種族だけれど、帝国生まれの帝国育ちであるリューを種族だけで差別するなら、帝国という国に愛想を尽かすのも仕方がない事よ」


 「そうだね。そうやって国の内情が外の者に流出するんだけど、そういう国なんだからしょうがない事さ。誰の所為でも、どこの国の所為でも無い。完全な自業自得だ」


 「それは……。いや、しかし何もやっていない訳ではない。ないのだが……変わっていなければ意味は無いか」


 「そうだろうな。政治とは結果が全てだと聞く。結果として変わっていないのならば駄目なのだろう。努力したでは許されない世界というのは大変だと思うが、それが国家を担うという事なのだから諦めるしかないな」


 「ふふっ、確かにそうだな」



 何か普通の話し合いになってるんだけど、何でシレーっと入って来てるんだ? まあ食事時の話し合いとしてなら良いんだけど……後、第2皇女は俺達と一緒に食事をしてる。そもそもここには食事に来たらしい。


 そこにウェルクアことリューが居たんで声を掛けたんだそうだ。それと熱心に声を掛けている理由は、帝国時代からリューは優秀で欲しかったらしい。帝国国内もそうだし、皇族同士でも色々あるんだろう。大変だなー。



 「私達も他人事ではありませんでしたよ? 今は傭兵になっていますし、私は誰かに担ぎ上げられたりしません。そういう誓約書を陛下や王太子殿下に提出してから出てきていますので、今のところ大丈夫なだけです」


 「私も同じさ。何枚も同じのを書いて出したよ。そもそも貰えるってなってもお断りさ。何であれだけ尽くしたのに、まだ尽くさなきゃならないんだか。後は兄上達が何とかすればいいんだよ」


 「私も誓約書のような物を陛下に出してから来ました。ただ、私の場合は避難と言った方が正しいので、御二方とは微妙に異なりますが……」


 「うん? もしかして貴女も何処かの……?」


 「申し遅れました。私はキューレ・ウィム・マールと申します。宜しくお願い申し上げます」


 「私はカイルリア・ゼオル・ディザルオンだ。こちらこそ宜しくお願いする。……それにしても、ガイアルム、ラグナンド、そしてマールの王族が一同に会しているというのは大丈夫なのか?」


 「特に問題は無いと思いますよ。私達は自分の身ぐらいは守れますし、それに護衛をしてもらっていますから。私達に手を出した者は、気付いたら死んでいるのではないでしょうか?」


 「……それが<凄腕の斥候>の正体か。我が国の諜報関係をズタズタにし、戦争では完膚無きまでに叩き潰した元凶。そのうえ平然と我が国に姿を現すとはな」


 「わざわざ逃げ隠れする必要があるとは思えないがな? 何か勘違いしている様だが、俺は護衛としてここに居るだけだ。手を出してきた奴に容赦などしないが、手を出して来ない奴に何かするほど暇人ではない」



 何か相当警戒されている様だな。俺の所為で戦争に負けたとまで思っているとは……まあ分からないではないが、王国の兵も別に弱くは無かっただろうに。


 正面から戦って負けたじゃないか。



 ▽▽▽▽▽


 1039終了時点


 大白金貨20枚

 白金貨114枚

 大金貨851枚

 金貨968枚

 大銀貨975枚

 銀貨1167枚

 大銅貨1644枚

 銅貨251枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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