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 部屋の片付けを終えた俺達は、玄関付近でリンデ達を待っている。朝起きた時に【覚醒】で起こしているので、そこまで時間は掛からない筈なんだが……おっと、出てきたか。それじゃあ食堂へ移動しよう。


 隣の食堂に入り、大銅貨10枚を支払って朝食を注文する。席に座ってゆっくり待っていると、若干眠たそうなリンデ達が目に映った。もしかして長くヤってたのか? ……次の日が移動だと知ってるだろうに、自重しろよな。


 そんな事を考えていると朝食が来たので、考えを止めて食べる事にした。流石に食事を上の空で食べるのは作った人に申し訳ない。


 朝食を終え、王都の門へと歩いて行く。人数が多いのでゾロゾロ連れ立っている様に見えるが、実際には別チームなんだよ。と言っても、誰もそうは見てくれないだろう。ウチの女性陣に溶け込んでいるし。


 リンデが傭兵ギルドに寄って行ってくれと言うので何かと思ったら、王太子に依頼の手紙を書いてもらっていたそうだ。いつの間にそんな事をしていたのか知らないが、傭兵ギルドに寄って依頼を請けてから門へと行く。


 門番がリンデの顔を見て緊張しっぱなしだが、それも仕方がない。だからこそ早めに出てきたのだが、それでも注目されている。王族だからしょうがないとはいえ大変だな、本当に。


 王都を出て帝国への移動を開始する。まずは国境へと行くために辺境伯領へ行かないとな。サウスアルム、領都ディムアスト、ハウの村、クレの町、グリュウの街、そして領都ファルートに辿り着いた。


 昼食の為に領都へ入るのだが、また門前で横に連れて行かれる商人が居る。いったいコイツ等は何が目的でこんな事をしているんだろうか? 御禁制の物を持ち込もうとしたところで、ここでは二重に見張られるだろうに。


 領都であり国境の街が甘いなんて事は、絶対にありえない。


 俺達の番が来たので登録証を見せて中に入り、食堂へと向かう。中に入り大銅貨10枚を支払って昼食を注文すると、席に座って少し休む。すると近くの商人の声が聞こえてきた。



 「どうやら、また門で捕まった愚か者が居たそうですな。ああいうのは商人の名を下げるから止めてほしいのですが、どこにでも手を出す輩がいて困ります」


 「まったくです。アレ等と同じに見られる事もありますが、腹立たしくて仕方ありませんからな。中には他国からやってきてる者もおります。帝国の一部の貴族が関与しておるとも聞きますが……」


 「それは私も聞いた事がありますが、あまり大きな声で仰らない方が良いかと。ここは国境ですからな、どんな者が入り込んでいるか分かりません」


 「確かにそうですな。何をされるか分かりません。お互いに気を付けるに越した事はないですからなぁ……」



 この商人達、敢えて周りの奴等に聞こえるように喋ってないか? もしかして辺境伯が雇った仕込みというか、宣伝工作員かもしれない。戦争後の時にも似た様な事をさせてたし、今でも帝国の名を落とす為に色々やってるんだろう。


 昼食も終わり、領都ファルートを出発した俺達は国境の森を越える為に走っている。蛇行した道が続き兵の進軍を遅らせるた為の道も、俺達の足に掛かれば大した時間は掛からない。帝国側の辺境伯の領都フェイラーが見えるところまでやってきた。


 前回は【浄化】だけして通過したのだが、今回はリンデ達が入ってみたいと言い出した。どうも傭兵ギルドが撤退した街を見てみたいらしい。現在は傭兵ギルドが戻ってきているらしいが、傭兵自体の数はそこまで回復していないそうだ。


 いったい何処からそんな情報を集めてくるのか知らないが、1度でもギルドが撤退すると大変らしいので視察をしたいとの事。言っている事はまともなのだが、表情は実に楽しそうなんだ。


 どう好意的に見ても、内心で「ざまぁ」したいだけじゃないのか? ……まあ、王国の姫としての気持ちも分からなくはないけどな。仕方ない、中に入るか。


 列に並ぶものの、あまり待つ事なく入る事が出来た。そもそも出入りする傭兵も少なく、商人もあまり近寄らないのだろう。待たされるほどの数が居なかった。ギルドが1度撤退した街はこうなるのかと思うと、少々怖いところもあるな。


 まあ、ここの辺境伯はギルドや傭兵を悪用していたので擁護できない人物なのだが、街の人は大きなとばっちりを受けただけだ。とはいえ、こういう時代だと同罪として扱われるし、そうした方が良いのは正しいと言える。


 何故なら上の者が覚悟すれば、そいつの首を利用して色々出来てしまうからな。それを防ぐ為には街に連帯責任を被せれば良い。街の収入がガクッと下がるなら二の足を踏むだろうという事だし、実際にやればこうなるって事だな。



 「活気がありませんね。やはり傭兵ギルドが1度は撤退した影響が大きいのでしょうか? それとも、それを理由に離れた傭兵が戻っていないのでしょうか? どちらなのかは、ちょっと分かりませんね」


 「別に1つに決めなくてもいいさ。おそらく両方も含めた様々な要因でこうなんだと思うよ。特に国境周辺の森は魔物が増えやすいのに撤退したからね、間引きも含めて大変だろう」


 「自業自得だけど、街の人はとばっちりだし堪ったもんじゃないだろうね。アタシだったら怒って暴れてるかもしれないよ」


 「それは後片付けが面倒なので止めてほしいですけど、気持ちは分かりますね。馬鹿な領主だと大変ですけど、天災などと同じく諦めるしかありませんよ。平民は関われませんし」


 「愚かな貴族というのは何処の国にも居ますから仕方がないのでしょうが……古くからの記録に傭兵ギルドを敵に回した結果は書かれているでしょうに。自分は大丈夫と思い込むのでしょうけど……」


 「馬鹿には何を言っても無駄だよ、何故なら馬鹿だからね。自分が馬鹿だと理解していれば、そこまで馬鹿じゃないんだけど……本物の馬鹿は自分が賢いと思い込むからねぇ」


 「賢いと思い込む時点で馬鹿なんですけども、奴等はそれを理解できる知能がありませんから仕方ありません。本当の賢者は、己の至らなさが見える者の事を言うのですが……」


 「それが分かるなら、あんな醜悪な生き物にはなっていないわ。だから貴族というだけで馬鹿にされるのよ」



 そんな話を堂々としながら見て回るも特にどうという事も無く、寂れているなと思うぐらいだった。


 領都フェイラーを出た俺達は、パルモの村、エッディの町、シガードの街までやって来た。


 ここは多少列が長いものの、時間が時間なのかそこまで長くはなっていない。簡単に中に入れた俺達は、近くの奴に銅貨を5枚握らせて良い宿と食堂の場所を聞く。


 すると、宿屋と食堂を兼業している店を教えてもらえたのでそこへ行く事に。中に入り大部屋を2つ頼んだら、そこしか余ってなくてギリギリだった。この宿が穴場だったから空いてたのかもしれないが、とれて良かったよ。


 大部屋が空いてない場合、カマクラでの寝泊りだったからな。食べる物は持っているとはいえ、後の事を考えるとあまり消費したくない。ダンジョンに行くなら中で消費するし。


 宿代と夕食代で銀貨1枚と大銅貨を9枚支払い、部屋へと案内されて鍵を渡される。部屋の中の熱気を【冷風】で外に出しながら冷やしていると、何故かリンデ達がやってきてメルを連れて行った。


 どうやら【冷風】が使えないので、メルに部屋の熱気を外に出すのと室温を下げるのを頼んだらしい。今の内にメルに習えば良いと思うんだが、あの5人に習う気はあるんだろうか?。


 有るのか無いのか分からないが、1番最初に覚えるのはザラな気がする。フォローというかサポートする役は、性格的な話でザラがやらされるんだろう。エイルズと2人の時でさえそんな感じだったし。


 ある程度経ってからメルが帰ってきたが、どうやら【冷風】の魔法を教えていたらしい。熱心に聞いていたのが誰か聞いたらザラだったそうだ。……やっぱりか。


 それにしても、今のリンデやリヴィならそこまで苦労しない魔法の筈なんだが、単に覚える気が無いんだろう。



 ▽▽▽▽▽


 1034終了時点


 大白金貨20枚

 白金貨114枚

 大金貨851枚

 金貨968枚

 大銀貨975枚

 銀貨1179枚

 大銅貨1684枚

 銅貨286枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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