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1033




 「一緒に帝国へと行ってもらえる事になりましたので、明日からお願いできますか? まずは……」


 「ちょっと待て、俺達はルーデル村で宿を10日間とってから来てる。金はいいが、話を通しておかないと迷惑をかけてしまう。だから1度は……いや、俺だけで帰った方が早いか? ちょっと今から行って来る」


 「えっ!? ちょっとアルド……」


 「大丈夫だ、夕方には帰ってくる。それまでゆっくりしててくれ」



 そう言って俺は食堂を飛び出し、門番に登録証を見せて王都を飛び出す。全力の身体強化を行いながら全力で走ってルーデル村へと戻り、門番の犬人族に登録証を見せる。珍しく俺が息を切らしているので驚いているが、気にしないでくれ。


 俺は宿へと直行し、女将さんにリンデ達にキューレを押し付けるかわりに、帝国に連れて行けと頼まれた事を話した。女将さんは苦笑いしていたが、理由は理解してくれた様だ。結局1日しか泊まらなかったが、こういう事が多い気がする。


 それらも含めて女将さんに謝った後、返金は受け取らずルーデル村を出て王都を目指す。再び全力の身体強化と全力の走りで一気に移動し、夕日が沈む前に王都に帰ってくる事が出来た。


 列は短めでどんどんと流れて行っている。この時間までに王都に入らないと宿は全滅に近いからなぁ。傭兵でもない限りは王都に戻ってきた奴等ばかりだろう。つまり、宿を確保出来ている奴等が殆どだって事だ。


 俺の番が来たので登録証を見せ、さっさと中に入り宿へと急ぐ。宿に入るとラーファンさんが居たので声を掛けて戻ってきた事を話すと、皆は部屋で酒を飲んで撃沈していると聞いた。どうやら王女組もらしい。


 何やってんだアイツ等は……そう思いながら部屋のドアを開けると、物凄い酒の匂いがしてきて鼻が曲がるかと思った。慌てて窓を開けて【冷風】で換気し、酒の匂いと熱気を外に出す。


 送風機が設置されているが、これはリンデ達に渡した物だな。とはいえ人数が多いのと、窓を閉めている所為で熱気が篭ってしまっている。匂いとのダブルパンチだったが大分マシになってきた。


 皆に対して【浄化】を使い強引にアルコールを全て綺麗にしてしまうと、段々と正気に戻ってきたらしい。ディルまでもが匂いでダウンしていたからな。とはいえ12人で飲んでいる部屋に居たら、こうなっても仕方がないだろう。


 アルコールがほぼ抜けて正気になった連中に説教をしたいところだが、こういう時は碌に人の話を聞かないものなので敢えてしない。皆を部屋から出し、隣の食堂で夕食を食べよう。


 食堂の中に入り、大銅貨10枚を支払って注文する。席に座って一息吐くと、何であんな事になっていたのかを聞きだそう。



 「そんな難しい事でも変な事でもないさ。リンデがキューレにお酒が飲めるのか聞いたのが始まりでね。キューレは普通に飲めるって言ったから、その普通がどれぐらいか確かめるために飲み始めたんだよ」


 「そうしたら、キューレに酒精の濃いお酒を飲ませ始めましてね。それは駄目だろうと思ったのですが意外に飲める事が分かったので、何故かそこから飲み比べが始まったのです」


 「酒飲みは本当に碌な事をしないな。言っておくが、俺は帝国に着くまで酒を作る気は無いからな。向こうの食べ物を使って酒を作るのなら良いが、ここで作ると王国の食料が減る」


 「それは、確かにそうね。食材をお酒にする以上は、王国の食料は減らしたくないわ。帝国の食料が減っても……ねぇ」


 「まあ、そうだね。敵国……というか、準敵国だね。その準敵国の食料をお酒に変えるというのは、戦争の事を考えても良い事だよ。まあ、私達がお酒を作ってもらう量だと、帝国の食料に与えるダメージは微々たるものだろうけどね」


 「それでも王国の食料にダメージを与えないのなら良いのではないか? それにしても、あの匂いはキツかった。【探知】の練習に集中していたら、いつの間にか匂いにやられていたとは……」


 「ちょっと驚きだよね。今まで特に問題が無かったから、ディルがお酒の匂いでやられるなんて思ってもいなかったよ。流石に12人分は多過ぎたし、窓を開けていれば良かったんだけど……」


 「途中で何度もメルさんが酔っ払いながら【冷風】を使ってましたので、そこまで暑くは無かったのですが……。気付いたら、お酒で暑さが分からなくなっていたとは思いませんでした」


 「お酒もほどほどにしないと、暑さで死ぬかもしれなかったなんて笑い話にもならないよ。あたしはそんな下らない死に方はゴメンだね」


 「心配しなくても誰もが嫌さ、流石に恥ずかし過ぎるからね。今日はもう飲まずにゆっくり過ごす方が良いよ。アレはアタシでさえ飲み過ぎだと思うし、一気に飲み過ぎると死ぬ事もあるんだから気を付けないとねぇ」



 食事中の会話としてどうなのかと思うが、そんな話をしながらの食事も終わったので宿へと帰る。部屋に入った俺は送風機と冷房を設置して起動した。キンキンに冷えた神水を入れると、【冷風】を使って室温を下げていく。


 皆もちょっと飲み過ぎたと思っているのだろう、今は大人しく神水を飲んで体の内側から浄化している。既に【浄化】の権能で綺麗にしているので意味は無いだろうが、大人しくゆっくりするならそれで良い。


 皆と雑談しながらダリアとリバーシをして過ごし、眠たそうにしているので布団に連れて行く。ダリアが寝たらいつも通りに連れて行かれたものの、さっさとキメて寝かせた。


 今日は疲れたので早めに寝たかったから、少々強引にヤり過ぎたかもしれない。明日の朝、文句を言われたら謝ろう。部屋と体を【浄化】し、リンデ達を確認したら早速キューレが喰われていたのでスルーした。


 勾玉で王都の邪気を吸引し【浄化】したら、おやすみなさい。



 <異世界483日目>



 おはようございます。今日はリンデ達を連れて帝国へと出発します。前に行った事はあるが、実は帝都には行った事が無いんだよな。挑発のために1度行ってみようか? ……なかなか良いかもしれない。


 少なくとも帝国魔剣流とかいうアホどもは釣れる気がする。まあ、釣ってどうする? と言われたらそれまでだが。


 それよりもダンジョンの場所を調べておいた方がいいか。いや、何処に在るかは知らないが、行った時に確認するぐらいでいいだろう。リンデ達が行くと言うかは分からないし、帝国のダンジョンを【浄化】するのもなぁ……。


 自分達でやれよと言いたいし、帝国のダンジョンを攻略して【浄化】したからといって、そこまで邪気の総量に変化なんてないしな。ダンジョンに再び邪気が取り込まれるまで時間が掛かるし、浄化してやる義理も無い。


 色々やり過ぎなんだよアイツ等は、他の国より邪気で苦労すればいいと思う。ついでに帝国の神殿も腐っているらしいし、そういう奴等への対処も含めて苦労をさせて、他国に目を向ける余裕を無くそう。


 という事で、帝国のダンジョンを攻略するのは無しだな。ジャンの時みたいに後ろをついていって指導するっていう形が良いだろう。それなら色々身につくし、俺達も無理に攻略しなくても済む。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ!」


 「昨日はお酒を飲んで寝てたし、夜は幸せに眠れたしで十分に回復できたみたい。けっこう強引だったけど、アタシはいつものより昨夜の方が好きだよ///」


 「朝からいきなりその話ですか? まあ、私も昨日のは嫌いではありませんが……そんな事よりも今日から帝国行きですが、狙われると思いますか?」


 「可能性は高いんじゃないかしら? 何と言っても王国の姫が居る訳だし。アルドの事が分かっている者は手を出さないでしょうけど、知らない程度の貴族は手を出してくると思うわ」


 「そして主様に殺されて慰謝料を取られると……うん、普通に居るし簡単に想像がつく。自分は大丈夫という根拠の無い妄想に囚われる者は、いつの時代でも国でも絶対に居るからね」



 本当にアホは何処にでも居るからなぁ……。



 ▽▽▽▽▽


 1033終了時点


 大白金貨20枚

 白金貨114枚

 大金貨851枚

 金貨968枚

 大銀貨975枚

 銀貨1180枚

 大銅貨1713枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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