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 「皆、お帰り。いつもの部屋なら空いてるけど、そこの人は見た事ないから新人さんかい?」


 「新人……どうなんでしょうね? それより宿の部屋を確保したいんですが、色々と動かないといけないかもしれないので金貨で良いですか?」


 「まあ、構わないけどさ……金貨だと1年くらい借りられる事になるんだよ。でも、そんなに長く部屋を確保するのかい? 宿としては、居ない間の部屋を空けたままというのもねぇ……」


 「あー、それは確かにそうですね。じゃあ、とりあえず銀貨3枚で10日間お願いします。それと大銅貨10枚で夕食も」


 「あいよ、銀貨3枚と大銅貨10枚ね。そっちのお嬢さんはどうするんだい?」


 「それよりもトーカ、リンデ達……王女組がどこに居るか知ってるかい? あの子達に、この子を預けなきゃいけないのさ」


 「王女様達かい? 3日ぐらい前に、たしか王都に行くって言ってたと思うけど……どうだったかな? あんまりちゃんと覚えてないよ、ゴメンね」


 「いえ。少なくとも村に居ない事が分かったので、それで十分ですよ。どうします? 村には居ないようですが……」


 「キューレを王女組に預けるのが俺達の請けた依頼だしな。そもそもリンデ達が納得するかは分からないけど……まあ、多分大丈夫だろう」


 「根拠は無いのね。まあ、私も大丈夫だと思うけど、一抹の不安は無い訳ではない……そんな感じかしら?」


 「明日から王都に行くのか? それとも一日休んでからか? 私はどちらでも良いと思うが、キューレもそこまで疲れてはいないだろう。体力もついた筈だしな」


 「それはともかくとして、まずはキューレの分の部屋を確保しないとね」


 「そうだな。明日王都に出発して大丈夫か? ……なら1人部屋を1日、大銅貨3枚ここに置きます」


 「まいど。部屋代は払うのに、食事代は払わないんだね? 何でそんな事になってるのか分からないけど、何かあるのかい?」


 「単にお金の使い方なんかを習わせてるだけさ。一応言っとくと、キューレはマールの王妹だよ。あんまり大きな声じゃ言えないけどね」


 「!? ……心臓に悪いのは止めてほしいよ。王女様達だって初めて知った時には引っ繰り返りそうになったって言うのに、今度は王様の妹かい? 本当に勘弁しておくれよ」


 「私達も関わりたくて関わっている訳ではありませんよ。王族というのは色々と面倒なのです。残ったら残ったで、自分が何もせずとも政争に巻き込まれたりしますし……」


 「そうなのかい? 私達のような一般人には全く分からない世界の話だから欠片も理解出来ないけど、偉い方は偉い方なりに大変なんだね」


 「あら? 料理が来そうだからテーブル席の方に行きましょうか。カウンターの近くで喋っていても邪魔になるだけよ」



 そのメルの一言で俺達はテーブル席の方へ移動する。キューレも一緒に連れて行きテーブル席に座ると、直ぐに夕食が運ばれてきた。今日はゴブリン肉の日の様だが、どうやら煮込み系らしい。


 暑い日に煮込み料理だけど、やっぱり美味いなぁ……。流石は旦那さんの料理だ、素人の適当料理とは違う。キューレも理解せずに美味しそうに食べている。ネタばらしはしない方が良さ気だ。


 夕食に満足した後、キューレを見送ったら俺達は部屋に入る。むわっとした暑い空気が充満しているので、直ぐに窓を開けて冷房と送風機を設置し起動する。


 キンキンに冷えた神水をセットしたら、【冷風】を使いながら窓から熱い空気を外へ出す。換気が終わったら窓を閉め、【冷風】で部屋を冷やし終わると革と布団を敷く。


 女性陣は久しぶりの村だからか酒を飲み始めたが、リューとエリアは飲まずにリバーシをしていて、ディルは【探知】の練習をしている様だ。ダリアは部屋が冷えたからか、俺の胡坐の中に入ってきた。


 丸まっているが寝ている訳では無く、足に体を擦り付けたり、太腿に頭をぶつけたりしている。何がしたいのかよく分からないが、楽しそうなので放っておこう。



 「それにしても……あの子達を追いかけるのは良いけど、すれ違いになったりしそうなのが何とも言えないね。多分大丈夫だとは思うんだけど、そう思ってると起きたりするから困るんだよ」


 「と言っても行き先は王都ですからそこまで時間は掛かりませんし、1日で着くんですから問題無いのでは? 向こうに着いたら、別の場所に出発したとか聞きそうですけど……」


 「王女様組が向かうならラグナンドかしらね? 少し前に行ったけど、また行く事になるのも嫌ねえ。何とか王都で見つかると良いんだけど……」


 「どうだろうね? 王都に行くと言っていた以上は王都に行ったんだろうけど、3日も前なら別の所に移動しても不思議じゃないし……。追いかけて探すしかないね」


 「結局それなんだよね。僕もちょっと嫌な予感はしてるけど、それでも動いて探す必要はあるし、動く以上はすれ違いとか色々起きそうなのが否定出来ないんだ」



 ダリアをブラッシングしてたんだが、久しぶりにブラシと【浄化】のコンボを喰らったからか寝る寸前だ。最近は暑い事もあって【浄化】で綺麗にするだけだったからな。


 部屋の中で涼しい状況なら出来るけど、それ以外だと暑苦しいだけだしな。俺にとってもダリアにとってもそれはなぁ……という感じなので、今までは【浄化】で済ませていた。


 それでもダリアは心地良さそうだったけど、ブラシとのコンボは破壊力が段違いに高い。既に瞼が下がりかけている。下がっては上がり、上がっては下がる。


 そろそろ限界で寝そうだなーと思ったら、リューとエリアが立ち上がって酒で撃沈した皆をベッドに寝かせていた。どうやらディルとリューとエリアの3人以外は既に酒に呑まれたらしい。


 皆をベッドに寝かせた辺りで、ついにダリアも撃沈した。布団に連れて行き寝かせると、リューとエリアが両腕を持って俺をベッドへと連れて行く。3人を大満足させて寝かせると、コップに神水を入れてゆっくりと飲む。


 そういえば神水は何度か補充してたんだが、そろそろ空になりそうだな。今の内に補充しておくか。そう思った俺は隠密の4つの技を使い村の外に出ると、真っ直ぐ南の川へと走る。


 川の近くで空の樽を出し終わると、1つずつ聖水にした後で神水に変えていく。全て終わったらさっさと帰ろうと思っていたのだが、【探知】に邪生の反応があった。結構遠いが気が付いた以上はね。


 助走をつけてジャンプし、空中で【念動】も使って川を跳び越えた。そのまま森の中に入り走って行くと、洞窟の近くで邪生を発見。ここは去年に亜鉛などを掘り出した洞窟か……。


 それよりも邪生のコボルトだが、何故か立ったまま動こうとしない。まるで呪いに侵されたダンジョンモンスターみたいだ。少し妙なので見張っていると、急に洞窟に向かって走り出し中へと入って行った。


 突然のことで驚いたが、その後ゴブリンらしき声が聞こえてくる。おそらくはアースゴブリンか何かが巣穴にしていたんだろう。それにしても、何故あの邪生は立ち止まってボーッとしてたんだろう?。


 気にな……邪生が増えた? ……ああ、成る程。ゴブリンも邪生になったのか。【空間把握】には邪生のゴブリンとコボルトが見えており、お互いに殺し合いをしているのが分かる。どうやら洞窟の中のゴブリンは大半が殺されたらしい。


 ゴブリンの邪生は1番弱いと言われているし、俺も他の邪生を生み出すエサだと聞いた事があるが、そうとは思えないほどコボルトの邪生と戦えているぞ? アースゴブリンだと違うんだろうか?。


 あらら、巻き添えを喰ったゴブリンが死んだが、コレで洞窟内のゴブリンは全滅した。そろそろ【浄化】して倒してしまうか。そう思った俺は全力で洞窟ごと【浄化】し、邪生もろとも綺麗にした。


 中に入り邪生の死体から心臓を抜き出して確保すると、これからどうしようか悩む。


 ……やっぱり掃除した方が良いよな?。



 ▽▽▽▽▽


 1031終了時点


 大白金貨20枚

 白金貨114枚

 大金貨851枚

 金貨968枚

 大銀貨975枚

 銀貨1180枚

 大銅貨1754枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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