0102
<異世界56日目>
おはようございます。皆とっくに起きてました。皆より遅かったのは初めてかな? 前に1度、ダナより遅かったぐらいか。昨日は色々大変だったからな、遅いのはしょうがない。
「おはよう、みんな」
「「「おはよう、アルド」」」 「ニャー」 「ガルゥ」
「今日は妙に遅いね、一体どうしたんだい?」
「体は大丈夫ですか? 今日1日休みますか?」
「今日は1日、お休みにしましょう!」
「昨夜は暗殺組織を潰しに行って疲れただけだよ」
「また!? また1人で暗殺組織を潰したのかい!?」
「何をやっているのかしら……」
「昨日、暗殺者どもが食堂を出た後に尾行してたんだが……気付いてた?」
「「「………」」」
「まぁ、酔っ払ってたから仕方がない。夜に部屋を抜け出して暗殺者を尾行したら、貴族街に行ったんだよ」
「貴族街ですか……?」
「屋敷に侵入して調べたんだ。そうしたら、伯爵家の先代が俺達を暗殺させるつもりだと分かった」
「ここで伯爵家の耄碌爺が出てくんのかい」
「まぁ、そのゴミはさっさと始末して、【粉砕】して穴に埋めておいた。その後、暗殺組織の拠点に侵入して皆殺しにしたんで疲れてるワケだ」
「そんな事してたのね……。体は大丈夫? 傷を受けたりしてない?」
「特に何の問題も無いな。それより拠点から分捕ってきた物を確認してて、浄化してたらオリハルコンの短剣が出てきて寝たんだよ」
「「「オリハルコン!?」」」
「そうそう……コレだよコレ」
そう言って、俺は3人にオリハルコンの短剣を見せた。この短剣はギリギリ短剣と言える大きさで、刃長は40センチ程で持ち手も15センチある。
日本刀なら文句なく脇差レベルであって、短刀の大きさを超えている。西洋では確か、古い時代のダガーが40センチほどあった筈なので、短剣と呼んでいるだけだ。
短剣が元々呪物であった事と、浄化したらオリハルコンだった事を話し、ついでに王城の見取り図と盗みの話もしておいた。ダナとシュラは何か考え込んでいる様だ。
「ライブルに話を通す事は、問題なく出来るんだけど……」
「この話をライブルはともかく、それ以外が信じますか?」
「まぁ、そうなんだよね。頭の悪いバカどもが邪魔をするだろうし、話してもアタシ達に得が無い」
「被害を受けたらバカが悪い。そう言って、伝える事だけはしておくか?」
「そうですね。忠告をした以上は、こちらの責任ではありません」
「仕方ない、アタシ達だけで行ってくるよ。あの子に渡しておけばライブルまで届くだろうさ」
「第二王妃か?」
「そうだよ。アルドとメルはどうするんだい?」
「俺は、もう一眠りするよ。昨夜は面倒だったから」
「そうかい、メルが抜け駆けしないならいいよ」
「流石に御二人を敵に回すような事はしないわ」
ダナとシュラは部屋を出て行く。俺はもう一眠りしようとベッドに入ったら、ダリアもカエデも滑り込んできた。遊ぶ気か? と思ったら、俺と一緒に寝る気らしい。
そのままダリアやカエデと一緒に、朝から惰眠を貪る事にした。偶にはこういう日があってもいいな。
「アルド……アルド! 起きな!」
「ん? ……どうしたんだ?」
「もう昼だよ。ついでにライブル達が来ててね、話が聞きたいそうだよ」
「ふわぁ……。話したんじゃないのか?」
「話したけど、アタシは当事者じゃないからねぇ」
「ああ、そういう事か……」
俺は浄化してベッドから下りると、ダリアやカエデも起きてついて来る。2匹も浄化して一緒に1階へ下りると、王女やライブルと共に目つきの悪い奴と睨んでくる奴が居た。
「こんにちは。呼ばれたから来たけど、聞きたい事って何?」
「こんにちは。暗殺組織の事など、色々お聞きしたい事があります」
「こんにちは。そして、お久しぶりですな。暗殺組織<死神の手>の事を、まずは聞かせてもらいたいのです」
そう言われたので、暗殺組織の事から話す。どこに拠点があったのか、暗殺者が何人居たか等の俺が知る事を話していく。すると、横の鬱陶しそうなのが嘴を突っ込んできた。
「このような者の言う事など、信用に値しませぬな」
「然り。聞いても意味などありますまい」
「なら帰れば? 出口はあっちだぜ。信じない奴に聞かせる意味も無いしな」
「何だと貴様! 平民の分際で! 身の程を弁えろ!」
「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ。貴族だったら命が2つや3つに増えるのか? 今ここで死ぬか? 雑魚は黙ってろ」
俺は鬱陶しい奴等にのみ、【闘気】と【念力】を使った殺気と殺意をぶつける。それだけで気絶しかけたので慌てて弱め、気絶できないようにしておいた。
いつも通りに顔面蒼白と失禁のコンボに呆れてしまうが、王女とライブルに話しを聞く。いや、緊張しなくてもいい。2人には何もしないよ。
「こいつら何なんだ?」
「えっと。髭があるのが軍務卿で、無いのが兵務卿です」
「兵務? 何それ?」
「兵務とは、兵に持たせる装備や輜重などの管轄ですな」
「それって財務と軍務じゃないの?」
「財務卿は別におられますが、仕事量が多くて切り離したそうです」
「成る程、それで暇人の役目ができたと。暗殺組織の事なら治安なんだから、普通出てくるのは内務卿だろうに。関係ない暇人が来たと」
「まぁ、そうとも言いますな……」
「ライブル。そうとしか言わないと、私でも思いますよ?」
「立場上言い辛いんだろうが、暇人は何しにきたんだ? 何となくは分かるが……」
「申し訳ありません。この愚か者どもは、アルドさんの持つオリハルコンの短剣を献上させるべきだと……」
「献上? 別に良いけど。こいつらの心臓に献上すれば良いのか?」
俺は威圧を解いてアホどもに喋らせる事にした。どうせこっちを有利にしてくれるだろうからな。案の定、威圧が無くなったら直ぐに喚き始めた。
「貴様! 先程の威圧は何だ! 兵務卿たるワシに対しての狼藉、必ずや後悔させてやるぞ!」
「そうか。だったらまずはアンタに献上しよう」
俺は手に持っていたオリハルコンの短剣を、髭の無いオッサンに突き立てた。流石オリハルコン、何の抵抗も無く胸に突き刺さったな。
「ガッ! ……グ………ヅグ……」
「な!? き、貴様ーっ!」
「俺はさっき言ったぞ? 貴族になったら命が2つや3つに増えるのか? とな。貴族という地位にあれば、命の危険が無いとでも思ったのか? お前も死ぬか?」
「う………ぅ……」
「自分の命が危険に晒されないと理解できないのか。頭が悪過ぎるぞ」
オリハルコンの短剣を通して、【闘気術】の【生命活性】と【黄泉帰り】を使い強引に助けておく。流石に俺も殺す気までは無いが、自分の命が消える覚悟は持たせる。
伯爵家の先代。つまりアホもそうだが、自分の命があるのは当たり前だと思っている。平民とて怒れば易々と自分を殺しにくるんだという事、それを自覚させる必要があった。
そうしないとストーカーの如く粘着するのが貴族という生き物だ。その辺りは魔神が嬉々として教えてくれたんだよ。面倒臭いが教えてもらったから対処できているんだよな。
オリハルコンの短剣をゆっくり抜いていく。血が噴出する事も無かったので、王女もライブルも驚いているようだ。
「運が良かったな。助ける技は使ってやったが、確率は低かったんだぞ?」
「あ………あぅ……」
自分の胸に短剣が刺さっていた事、そして抜かれたのに死んでいない事が信じられないのだろう。1度死に掛けた以上は、自分の命の脆さを自覚した筈だ。
自覚せずに手を出してくるなら、暗殺すればいい。甘っちょろい言葉が通用するような時代じゃないからな。
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0102終了時点
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白金貨2枚
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銀貨15枚
大銅貨13枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪のサバイバルナイフ
オリハルコンの短剣
風鹿の角の十手
二角の角の戦斧
二角の革の帽子
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の骨の半篭手
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊の革の剣帯
剣熊の骨の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
剣熊と銅亀のブーツ
大型のアイテムバッグ