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 ダンジョンの外に出ると、もう夕暮れだった。急いでダンジョン街を出た俺達は慌てて王都へと帰る。


 走って食堂に滑り込み、大銅貨10枚を支払って夕食を注文する。キューレも注文してホッと一息吐くと、席に座って神水を飲み始めた。


 直ぐに夕食が運ばれて来たので食事を開始し、終わったらさっさと宿に戻る。夜になる前に宿に戻れたので、今日は疲れてるだろうから早めに寝るようにキューレに言って、俺達も部屋へと入った。


 部屋に戻ったら直ぐに送風機と冷房を出して起動したら、【冷風】を使いながら部屋の中の熱気を窓から追い出す。部屋の中が冷えてきたら【冷風】を使うのを止め、ようやくゆっくりと休める。



 「今日のダンジョンもなかなか大変だったなー……。何と言っても、途中から背負いっぱなしだったのが1番大変だった。割と暴れるんだよキューレの奴、その度にズレるんで直すのが面倒で仕方がなかったよ」


 「それでも、あの子を背負ってなかったら間に合わなかっただろうね。今日はギリギリって感じだったし、脱出したら夕暮れだったから本当に危なかった。夜だったら食堂が閉まってたよ」



 そんな愚痴とも言えないものを吐き出しながら皆と相談して、2~3日は休みにしキューレを鍛える事にする。移動の速度がマシになってくれればマールから移動するんだが、今はまだ無理だ。


 足が遅い者と移動していると俺達がイライラするし、リンデとリヴィも身体強化が全く出来ない奴を預けられても困るだろう。流石にそこまでは俺達が責任もって教えてやらないといけない。


 ダリアも疲れていたのか眠ったので、女性陣もキメてさっさと寝かせる。疲れを明日に残しても仕方ないからな。勾玉で邪気を吸引して【浄化】したら、おやすみなさい。



 <異世界479日目>



 おはようございます。今日はキューレを鍛える日ですが、宿の中庭が借りれるでしょうか? 駄目なら王都の外でやるしかないか……。とりあえず起きて、いつも通りの【浄化】を始めよう。


 部屋と体を綺麗に【浄化】したら、キューレの部屋と体も綺麗にしておく。王族がどうかは知らないが、少なくとも宿では体を拭くぐらいしか出来ない。お湯を頼むとお金が掛かるので、大抵の奴は水で拭うだけだ。


 【清潔】の魔法ならそれ以上に綺麗になるので、使える者は使っているし商売にしている者も居る。キューレが【清潔】を使えるのかどうかは知らないので、使えないなら教えておこう。


 起きた皆と朝の挨拶をし、部屋を出て玄関へと向かう。少し待つとキューレが出てきたので食堂に行き、大銅貨10枚で朝食を注文する。キューレも自然に注文出来ているので、多少は慣れたんだろう。


 朝食後、香辛料の専門店があるとキューレに聞いたのでそこへ案内してもらい、金貨5枚分の香辛料を買って宿へと帰る。キューレが呆れていたが気にしない。マール以外の者にとって、香辛料は貴重な物だ。


 宿へと戻り、従業員に中庭の使用許可をとろうとすると渋られたが、洗濯物を乾かす事を条件に使用許可が出た。中庭に出た俺は早速キューレに1つ1つ教えていく。


 昨日のおさらいから始まり、循環させ身体強化を行う方法。そして、それが出来たら体操へと移行する。昨日ダンジョン内で循環の練習をさせていたのが良かったのか、意外にも小器用に熟していく。


 【集中】との相性が良いのか体操に移行してもそれは続き、洗濯物を乾かしている間も途切れる事なく続く。なかなか優秀ではあるのだが、キューレ自身の性格と同じくどこか硬い。


 体を動かすセンスも魔力や闘気を扱うセンスも悪くはないのだが、どうにも融通が利かない感じがする。覚えた事を覚えた通りにしか使えない。そんな感じなんだが、リンデとは逆だな。


 まあ、あの2人の所に連れて行くんだから丁度良いと言えるか……。幸い、物覚えは悪くない。応用部分はリンデ達と居て、多少柔らかくなってからにした方がいい。リンデ達が教えてしまいそうな気はするが、気にしなくていいか。


 昼になったので部屋に居る皆に【念話】で話し、食堂に昼食を食べに行く。大銅貨10枚を支払い注文したら席に座り、朝からの練習の手応えを聞く。



 「身体強化というものが何なのかは分かりました。ただ、そこから先の身体強化を維持するというのが、思ったよりも大変です」


 「少なくとも、維持に関してはリンデやリヴィよりも上手いと思う。その反面、応用力は無さそうだから、その辺りはリンデやリヴィを見習えば良い。それは連れて行ってからだけどな」


 「今は身体強化を維持して走れるようにならないとね。それが出来る様になれば疲れにくくなるし、足も速くなる。とはいえ、筋力と持久力への配分を変えられるようになってからが本番だけど……」


 「そこからは達人の領域ですからね。その時々に応じて筋力の強化具合や耐久力の強化具合を変えていかねばなりませんし、それが適切に出来なければいけません。控えめに言っても、私達でさえ未だ無理な事なのですよ」


 「先は遥か遠くね。……それはいいとして、耐久力を強化すると持久力が上がるけど、あれは何故かしら?」


 「さあ? 俺も詳しい事までは知らないし、興味の無い事は右から左に聞き流すからなぁ……。小難しい理屈を言われても、前提となる知識が無いと全く理解できないんだよ」


 「神様は分かっていても、下々の者がその知識を持っている訳じゃない。まして前提となる知識さえ無いんじゃ、どうにもならないね」



 そんな事を話しながら昼食を終え、宿へと戻り中庭に行く。身体強化とその維持までなら難しくはない。……いや難しいけど、筋力や耐久力に配分出来る様になるよりは簡単だ。ノーマルの身体強化は耐久強化が殆どだから。


 筋力を強化出来るようになるのは結構大変で、ウチ以外だとジャンのチームとリンデのチームぐらいだろう。藤とリクのところは多分まだ無理だ。もしかしたらラオとシェンは出来ているかもしれない。


 そもそもウチでもエリアがまだ完全には出来ていないぐらいだ。それに近い事は出来ているが、自在に配分出来るほど使い熟すのはまだ難しい。極めようとすると途端に難易度が上がる事があるが、身体強化はそんな感じの技だ。


 夕方まで【集中】を使いながら頑張らせた結果、どうやら明日1日で何とかなると思えるところまで上手くなった。その事を褒めて、今日の練習は終了だ。無理に集中させていたからか、終わった途端に倒れそうになったが支えてやる。


 【生命活性】を使って多少回復させたら、【念話】で終わった事を皆に伝えて食堂に移動した。大銅貨10枚を支払い夕食を注文したら席に座る。


 一息吐いてゆっくりしていると、近くに座った傭兵が大きな声で話し始めた。



 「何かよう、騎士の中にバロッサの連中が潜んでたらしいじゃねえか。虫みたいに湧いてくる奴等だと思わねえか?」


 「本当にフザけた奴等だよな。ただ、バロッサの連中ってそんなに見つからないもんかね? 入り込まれて、おかしな事をされてから見つかるって形が多すぎないか?」


 「仕方ないんじゃないか? 裏でコソコソされてちゃ、なかなか分からないもんだ。傭兵の中にも怪しい奴って居るしな。妙な動きをしている奴には注意した方がいい」


 「声を掛けて化けの皮を剥いだ方が早くねえか? いちいちアイツがどうとか考える必要ねえだろ」


 「そうやって必要の無い争いをさせるのが奴等の手口かもしれないぜ? 少なくとも、俺は奴等に都合の良い駒になる気は無いな」


 「俺だってねえよ!」


 「俺もだ!」



 あのバカ騎士の情報がオープンになったのかね? バロッサに対する警戒度を国として上げようと思ったのか、それともバロッサ許すまじという気運を高めたかったのか……。


 どっちかは分からないが、上手くいっていると思っておこう。



 ▽▽▽▽▽


 1028終了時点


 大白金貨20枚

 白金貨114枚

 大金貨851枚

 金貨968枚

 大銀貨975枚

 銀貨1185枚

 大銅貨1832枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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