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メルの愚痴が急に始まったのは、昔の事を思い出したからの様だ。何でも魔法を使う事の難しさを全く理解しないバカを含むチームと、合同で依頼に当たらなければいけない事があったらしい。
そいつ等の鬱陶しさは今思い出しても腹立たしいらしく、当時はチームメンバー全員が毛嫌いする程だったそうだ。男5人組だったそうだが、戦闘中もチラチラ見てきて強さをアピールしてくる奴等だったらしい。
しかも大して強くなく、本当に強い魔物が出てくるとメル達に押し付けて逃亡したそうで、チームメンバーに怪我人が出た。幸いにも傷は治ったのだが、一歩間違えれば死んでいたかもしれないので、今思い出しても腹立たしいみたいだ。
ちなみにそいつ等は敵前逃亡のうえ余罪があったらしく、指名手配された後、全員が捕まるか殺されたらしい。賞金首の末路なんてそんなもんだろう。それでもバカな事をやる奴は居なくならないが。
ダリアが寝たらしく敷いていた布団に寝かせてやり、皆もキメてから寝かせる。神水を入れて飲んでいると、外に動いている反応を感知した。俺達の事を探っているのかと思ったら、どうも違うらしい。
【空間把握】で調べると、女が何やら走って逃げている様で、後ろから顔を覆面で隠した連中が追い駆けている。何だアレはと思ったが、折角なので覆面連中を【念動】を使って転ばせてみた。
4人の覆面が転ぶ姿はコントにしか見えないが、その隙に女は逃げる事に成功したみたいだ。女は外壁近くにある民家に入り……おいおい、地下にトンネルなんかあったのかよ。
女は外に繋がっているトンネルを抜け、そのまま王都の外に出ると走っていった。これ以上は見る必要は無いだろうが、早まったかな? 覆面が明らかに怪しかったから助けたが、トンネルを使って外に出るというのがなぁ……。
どっちも怪しいと言わざるを得ないのだが、俺が転ばせたとはバレないだろうから大丈夫だろう。それに覆面の奴等はスラムに戻って行ったので、両方怪しい事は間違い無い。
これ以上は何か起きたりしないようだし、そろそろ寝るか。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界477日目>
おはようございます。今日はマールの王妹とダンジョンに行く日ですが、特に気にしなくていいでしょう。ダンジョンの攻略も王妹が居ない時にすればいいだけなので、別に邪魔にもならないし。
強いて言えば騎士が邪魔だと言うぐらいだが、余計な口を挟んで来なければそこまで邪魔でもない。所詮その程度の実力なのは分かりきっているが、王妹の盾としては無いよりマシだろう。
「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャア」
「今日はダンジョンアタックだけど、あの王妹さんはどこまで頑張れるのか楽しみだねぇ。リヴィはともかく最初のリンデ以下なら流石にお守りが大変だけど、その場合はどうする?」
「その場合は連れて行くだけでいいのでは? 自分の力で進めない場所がどういう所か知る事も勉強になるでしょう。それに、騎士がどこまで役に立つか疑問がありますし」
「あの騎士ね。私達相手に何も言わなかったけど、明らかにこちらを見下していたわ。随分と自分達の力に自信があるみたいだし、折角だから竜の前に放り出しましょうよ」
「地味に怒ってたんだね。それは横に置いとこう、どのみちアレ等はソードグリズリーに殺される程度の実力さ。私達は魔法の練習をしなきゃいけないのだから、あの程度の小者に怒るのもね」
「まあ、そうだな。ああいう輩は自分の実力を知らないのだから、見せ付けてやればいいだけだ。同じか、それ以上の事をやってみせろと言えば黙るだろう」
「シャローがそれなりに苦労して魔法士隊の者を鍛えたんじゃなかったっけ。あの騎士は魔法士隊じゃなかったのかな?」
「マールの軍は騎士隊よりも魔法士隊の方が有名ですね。古くから魔法に力を入れている筈で……昨日の連中は魔法の練習と言ったから見下してきたのかもしれません」
「ああ。魔法が上手いと思っている奴の前で、魔法の練習をするって言ったからか。こっちが同時発動の練習をしているって知ってなければ、ああいう態度も分からなくはないんだけどさぁ」
「それでも、話にはならないけどな。王族に付いている騎士がアレじゃあ、むしろバカにされかねないんだが……理解してなさそうだ。近衛と言えば当然エリートなんだが、エリ-トだからこそ、ちゃんとしろよと思うわな」
部屋の片付けも終わったので、昨夜の食堂に行くか。中に入って見渡すも王妹はまだ来てなかったので、大銅貨10枚を支払い朝食を注文する。席に座って雑談をしていると、王妹も来たらしく騎士が注文をしていた。
隣のテーブルが丁度空いたので、そこに3人の騎士と共に座り此方に挨拶をしてきた。こっちからも挨拶し、ゆっくり待っていると朝食が来たので食べ始める。今日は何故か普通の朝食だ。
少し他の国よりは香辛料が効いているが、パン、肉、サラダ、スープというスタンダードな食事を終え、王妹が食事を終えるのを待つ。多少時間が掛かったが食べ終えた様なので、一緒に店を出てダンンジョンに向かう。
王都を出て南に行き、香辛料がよく採れる草ダンジョンに入る。迷宮紋の前の列に並んで待っていると、王妹が話しかけてきた。
「このダンジョンで皆さんに助けて頂かなければ、今の私は居ませんでした。改めて、本当にありがとうございます」
そう言って、俺達に対して頭を下げた。「あの時は偶然だし気にしなくてもいい」、そう言って頭を上げさせる。後ろの騎士どもが不満そうな態度を隠しもしていないが、王族の命を救った相手にしていい態度じゃないな。
この国の騎士は礼儀の一つも知らないと言われたらどうするつもりなんだ? コイツ等の首で足りると思っているんだろうか。まあ、敢えて何も言わないけどな、もちろん馬鹿にする意味でだ。
俺達の番が来たので迷宮紋に乗ってダンジョンに入る。1層目は草原だった。これは前回と変わってない気もするが、どうだったか覚えてないので気にしない事にする。
人の流れは北東方向なのでそちらに進もうとすると、後ろを付いてくる王妹が疑問を持ったのか質問をしてきた。なので、最初の方の層は多くの者が移動するので、そちらに行けば転移紋がある。
そう説明して歩く。いつもなら走って移動するのだが、遅い奴等が居るのでゆっくり歩くしかない。たまには急がなくてもいいかと思っていると、ダリアが足元で遊び始めた。どうも暇らしい。
足をペシペシ叩いたり、軽く頭突きをしてきたりと暴れっぷりを披露する。急にどうしたんだと思わなくもないが、いつもと違って走らないので暇なんだろう。そう思いながら2層への転移紋に乗る。
その調子でゆっくり進み、2層目も3層目も草原で北東方向だったので、次が違う地形かと思い4層への転移紋に乗った。4層に到着し光が止むと、そこは平原だった。方角は東らしく、そちらに人が向かっている。
俺達もそちらに進もうと歩きだすと、騎士達が文句を言ってきた。
「いつまでダラダラと歩き続けるつもりだ。さっさと戦わんか!」
「ん? こんなザコしか居ない所で戦うのか? お前等の実力なら仕方ないんだろうが、俺達はそんなに弱くないんだよ」
「なっ!?」
「帰りたいなら、お前等だけで帰れ。ガチャガチャ五月蝿い防具を着けて来やがって、こっちは迷惑してたんでな。魔物と戦う際の基本も知らんのか」
「魔物と戦う基本ですか? それはいったい……」
「まさか、そんな当たり前の事も教えてないなんてねぇ……アンタ命を狙われてんのかい? ワザとやっている用にしか見えないよ、アタシ達には」
しっかし、何一つ基本を教えてもらって無さそうだな。本当に命を狙われたりしてないよな?。
▽▽▽▽▽
1023終了時点
大白金貨20枚
白金貨114枚
大金貨851枚
金貨973枚
大銀貨975枚
銀貨1185枚
大銅貨1902枚
銅貨291枚
神木石の浄化槍
神石の浄化剣
神木の浄化棍棒
神木の浄化盾
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




