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 ダンジョン内のモンスターは人を食う為に襲うのではなく、侵入者を排除する為に襲う。逆に言えばだが、殺してしまえば食べたりはしない。


 俺達は殺された女の元に来たのだが、見事に胸に穴が空いていて即死だったんじゃないかと思う。死に顔が驚いている表情で固まっているので、もしかしたら轢かれた時には死んでいたのかもしれない。


 この女の所持品を漁ったものの、傭兵の登録証が見当たらないそうだ。アイテムバッグを持っている訳でもないのに何処にいったんだ? もしかしたら轢かれた際に飛んでいったんだろうか?。


 女性陣が探っている間、俺は背を向けて周囲を警戒しているが未だに見つからないらしい。



 「あった! 死体の下になってたから気付かなかったよ。なんでこんな所に飛んだのかは知らないけど、【清潔】を使って綺麗にするかね」


 「ん~……聞いた事の無い名前ですね。有名な者ではないのでしょうが、こういう女は要注意人物としてギルドは把握しているでしょう。帰ってギルドに渡せば済みますね」


 「なら、後は死体を焼いて先に進みましょうか」



 俺が呼ばれたので、穴を掘って死体を放り込んだら【浄炎】で焼いて灰にする。この女を殺したスマッシュボーアはウチの女性陣によって、とっくに魔法の的にされて死んているので襲われる事はない。


 さっさと埋めて先に進もう。森の多い山なので見通しがあまり良くない。木ダンジョンだから仕方がないのだが、それでも魔法の練習には開けた所の方が良いのでそういった場所を選んで移動していく。


 少し迂回する形になりつつも東の転移紋まで開けた場所を移動する事ができたので、魔法の練習をしながら進む事が出来た。転移紋に乗る前に、四方八方に魔法を撃ってモンスターを誘き寄せる。


 近くに傭兵が居ないから出来る事だが、大量にバラ撒けば当然俺達が居る場所はモンスター側にバレる。これで擬似的にラッシュが再現できればいいんだが……やっぱり数が少なくて無理か。


 それでも30ぐらいは向かってきているので、十分と言えるかもしれない。早速皆が魔法で迎撃し始めたので、俺は撃ち漏らしをメルやフォルと共に武器で倒していく。今回使ったのは浄化棍棒だ。


 使いやすく殴りやすい。流石は原初の武器と言われるだけはあるが、素材が素材だからなぁ……ただの棍棒なら絶対に折れてるか砕けてる威力で使ってるのに何の問題も無い。そんな棍棒は世界でもコレだけだろうな。


 集まった死体の中で売れそうな物は皆に確保させ、残りは穴を掘って【浄炎】で焼いてから14層に進む。14層でも同じように東へ移動しながら練習し、転移紋の近くで擬似ラッシュを作り出した。


 15、16層でも同じ様に練習し、それなりに上手くなれたので今日はここで帰る事にしよう。17層は密度の濃い森だったが脱出紋に乗って外へ出る。雨はまだ降っていたが、朝方よりはマシだった。


 ダンジョン近くの解体所で獲物を売り、木札と売却金を貰ったら町の方に帰る。門番に登録証を見せたら素早くギルドに入り、服を【乾燥】させたら受付に行く。夕方前で雨だからか空いていて助かるな。


 解体所での木札を提出し、エリアがランクアップした。リューは上がらなかったが、ランク5だからしょうがない。次が俺達と一緒だし、そこから上は貴族の推薦が要る。俺達には必要の無いランクだ。


 その後、死んだ女の登録証を出したのだが、引き止められたうえにギルドマスターの部屋まで連れて行かれた。


 どうやら要注意人物が帰って来ていないのはギルドでも把握していたらしく、男達が殺したんじゃないかと容疑が掛かっているらしい。俺達には容疑が掛かっていないのは助かるが面倒な事にならなきゃいいが……。



 「つまり、お前さん達が感じた気配で判断した情報であって、目で見た訳じゃないんだな。……まあ、それでも野郎どもの言っている事と一致しているから間違いは無いんだろう」


 「いったい何が引っ掛かってるんだい?」


 「お前さん達の言う女が先に逃げたというのも正しいんだろうが、アイツ等はその辺は分かってないようでな。気付いたら居なかったから逃げたと言ってるんだ。前しか向いてなかったなら分かるんだが……」


 「妙に歯切れが悪いですね。面倒事ならさっさと言いなさい」


 「……すまん。この女は子爵家の娘でな、今までも男を喰っては金で解決してきた女なんだ。子爵家の当主がしゃしゃり出て来たら面倒な事になるんで、出来うる限り傭兵やギルドに落ち度は無えっていう証拠が欲しいんだよ」


 「ああ、成る程な。とはいえ、そのまま報告するしかないんじゃないか? 気配が云々っていうなら、俺達不老長寿以上に気配が分かる奴を連れて来いって言えば済むだろ」


 「……あんた不老長寿だったのか。まあ、あんたの情報を出していいなら何とでもなりそうだな。流石に不老長寿以上の者を用意する事なんて出来る訳が無い」



 ここのギルドマスターはよく分かっていない様なので、俺達全員の事を教えると唖然としていた。9人もの不老長寿を1度に見たのは初めてらしい。今は眉間を揉みながら、何回も聞きなおしている。



 「マジかー……。いや、<剣の踊り子>と<血狂い>が居るんだから間違いなんてある筈がないな。シャレにならない相手だし、流石にあのバカ子爵も絡んだりしないだろ。少なくとも勝てない相手にはへりくだる小者だからな」



 証拠が無いなら傭兵ギルドは見ないフリをするとギルドマスターが言ってきたので、俺達は大手を振って叩き潰せる事になった。もちろん相手が喧嘩を売って来たらだが、俺が証拠を残す事なんて絶対に無い。


 証拠を捏造するヤツがいれば、そいつも纏めて殺せばいいだけだ。俺としては特に問題無いし、まだ宿屋の残りは7日分ある。それまでは居てもいいし、喧嘩を売ってこないなら王都に移動するだけだ。


 そんな事を考えながらギルドを後にして食堂へと向かう。大銅貨10枚を支払って夕食を注文したら、席に座って夕食が来るまでゆっくりと待つ。何故か夕食が来るのに時間が掛かったが、出てきたのは普通のカレーだった。


 他にはパンと肉とサラダで、何処に時間が掛かったのかサッパリ分からない。単にカレーが品切れになってたんだろうか? ……件の子爵はまだ知らない筈なので、食堂に何かをしてくるとは考えられないから単に遅かっただけだろう。


 仮に毒物が含まれていたとしても、食べる前に俺が【浄化】しているので毒は消えている。全ての物を【浄化】した後に口に入れている以上は、毒や病気で死ぬ確率は極めて低い。俺が居ないときが怖いが、居る時は大丈夫だ。


 普通のカレーだった食事を終えて宿へと戻る。部屋に入った俺は送風機と冷房を設置して起動した後、【冷風】で部屋の中の熱気を外に出しつつ冷やす。短時間で部屋の熱気を外に出せたのと、俺とメルとフォルで冷やしたので直ぐに快適になった。


 皆は今日のダンジョン内での出来事を話しながら酒を飲んでいる。俺は酒を飲まなかったディルとアルメアの魔法の練習に付き合いながら、ダリアとリバーシを打っていた。


 魔法の制御に関しては教えられる事は殆ど無い。技術的な部分なので何度も何度も繰り返し練習するしかなく、そうして上達していくものだ。コツも殆ど無く、ひたすら地味に繰り返すしかない。


 自分の体に繰り返し叩き込み、当たり前に出来る様にする。体の動かし方や武器の振り方と似たようなものだ。そう話しながら何度も魔法を使わせる。練習で使う程度の魔法なら、何度も使えるのが強みだな。普通ならとっくに魔力が無くなっている。


 アルメアは段々と5個同時発動に慣れてきたらしく、安定している様に見える。もともと無理をすれば5つ同時発動は出来たからな、そこまで難しくはなかったか。今日もゆっくりした感じだったし。


 ディルも安定はしていないが、5つ同時発動は出来ている。酒飲みは気にしないでおこう。



 ▽▽▽▽▽


 1020終了時点


 大白金貨17枚

 白金貨72枚

 大金貨771枚

 金貨876枚

 大銀貨928枚

 銀貨1116枚

 大銅貨1096枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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