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 昼食を食べながら雑談する事で、それなりにストレスの解消に繋がった様で良かった。魔法の制御っていうのは難易度が上がれば上がるほど、緻密に正確にしなきゃならなくなる。そこにストレスを感じていたんだろう。


 ここで昼食とする前は精神的な疲弊が顔に出ていたぐらいだ。今は大分緩和されたのか笑顔で食事をしているが、練習を始めたらまた厳しい顔に戻るだろう。才能が無くても到達できる限界が10個ぐらいだ。せめてそこまでは頑張ってほしいが……。


 ちなみに俺は22個か23個ぐらいまでは戦闘中でも制御できるが、これに関しては神界で修行したからであって下界では難しいだろう。余計な物が無い神界だからこそ間違いが簡単に分かるのであって、余計な物が邪魔する下界では難しいんだ。


 むしろ皆は良く練習しているし、上手く集中できていると思う。俺に才能が無いとハッキリ分かるのはこういう部分だ。都合の良い場所で、ありえない教師に学んで、ようやくこの程度の実力なんだからな。


 皆が神界で修行すれば、俺なんぞあっと言う間に抜かされるだろう。それぐらい才能に差がある。



 「ふぅ、美味しかった。少し休んだらまた練習をしないとね。いや、今の間に少しでも練習しておくか。案外、浄化魔法なら5つ同時発動も上手くいくかも……」


 「アルドが綺麗に吸引したので効果は殆どありませんけどね。使うなら【清潔】でしょうか? どのみち練習になるんですから、適当に使おうと思いましたけど止めます」


 「……ええ、確かに止めておいた方が良いわね。誰かは知らないけれど脱出紋から現れたわ。こちらには来ないみたいだけど、一応警戒しておきましょうか」


 「いや……こっちに来るぞ? 男4に女1だが、いったい何を考えてこちらに来ているのだろうな。普通は馴れ合ったりなどしないし、こちらの方が人数が多いのだぞ」


 「こっちの人数の方が多いって気付いてないんじゃない? ……ほら、こっちの事が見えたら立ち止まった後、直ぐに逃げて行ったから間違い無いよ」


 「1~4層が北、5~8層が西、9~12層が南。そしてここ13~16層は東でしょう。こちらは反対側の西ですからね。間違いなく此方の様子見か、襲いに来たのでしょうが……」


 「こっちは【気配察知】が使えるからね。見えなくても誰かが来ているのは分かるし、大した連中でもなさそうだった。直ぐに逃げたのが何よりの証拠だけど、もしかして良い匂いがしたからこっちに来てたりして……」


 「男4人のうち先頭を歩いていたのは狼人族だったから、可能性としては有るけど……どうなんだろうな? 直ぐに逃げたからなあ、何とも言えないところだ。<腹ペコの狼>か……」


 「「「「「「「「プッ! アハハハハ……」」」」」」」」



 腹ペコの狼というのは、この世界にある童話のような物だ。様々なアレンンジがされていて、地方によって色々なパターンがある。結末に関しては同じで、腹が減った狼が仲間の言う事を聞かず1人で魔物を狩りに行って、大失敗するという物語だ。


 仲間の大切さと、他人の言う事をよく聞かないと失敗するという教訓を含んだ物語なんだが、狼人族ってこの物語の所為で腹ペコのイメージが付いてるんだよな。そもそも狼であって、狼人族じゃないんだが……。



 「あれは狼の話であって、狼人族の話じゃないんだけどねぇ……。酒場でも、その話で狼人族と殴り合いの大喧嘩をしてるって事はよくあるよ。多くの人に知られてるっていうのは誇る事なんだけど、どうしても馬鹿にされているって感じるんだろうね」


 「あれは教訓として教える為のものですから、あれで良いと思うんですけどね。ダナが言った通りに狼であって狼人族ではありませんから。それに狼って群れで狩りをしますから、1頭では失敗するのは当たり前です」


 「<腹ペコの狼>の話は横に置いておくとして、さっきの狼人族のチームは大丈夫かしら? こっちを狙ってるって事は無いわよね?」


 「よく止まってるが、それは魔物と戦っているからだ。どうも高値で売れる部位だけ持っていってるみたいだな。監視している感じでは女性を襲うチームじゃない。安心していいと思う」


 「それはどうしてでしょう? ……もしかして、1人だけいる女性が性の捌け口にされているという事ですか!?」


 「いや、違う。あのチームの雑談を聞く限り、あのグループは逆ハーレムだ。つまり、あのチームの中心は女性であり、男は全員関係があるらしい。今日は全員一緒にどうこうという話をしている」


 「「「「「「「「…………」」」」」」」」



 うん、沈黙する理由は分からなくも無い。物凄い肉食系女性のチームだった様だ。どうもあの女性は魔法系アタッカーみたいなので、魔法の上手くない種族の男のみ集めているらしい。ついでに自分の好みの男を侍らせている感じか。


 という事は、こっちに来たのは本当に腹ペコだったからという可能性があるな。正しくは良い匂いがしたので気になって見に来たんだろう。俺としては特にどうこう思う事は無かったんだが、皆は女性の方に思うところがあったらしい。



 「ああいうのは揉める元だから止めた方がいいんだけど、失敗しても懲りない奴って居るんだよね。喰い散らかしてチーム内の雰囲気を悪くして解散し、また別の男を喰い散らかす。面倒な女さ」


 「本当に……。馬人族のウェリアも相当ですが、アレは1人でフラフラしているだけですからまだ良いんです。ただし男を侍らす女は別で、ああいうのは心に傷を残すパターンが多く、傭兵を辞めていく者を増やすだけなんですよ」


 「本来ならチーム内の事だから好きにすれば良いんだけど、喰い散らかして傷を負わせて去っていく女性が多いのよ。男にも同じタイプが居るけれど、そういうのは大体最後に刺されるから放っておいても問題ないわ」


 「まあ、私も聞いた事が何度もあるな。ああいうのはチームの男に貢がせたりするから性質が悪いのだ。本人は貢がれて当たり前だと思っているらしいし、貢いでいる男は目が曇っているしで、説得は相当難しいと聞く」


 「娼館に行けばいいのにね。何で貢いだりするんだろう? 上手く転がされてるんだろうけど、どこかでおかしいって気付かないのかな? それとも気付いたら逃げたり居なくなったりして……」


 「そういうのは居なくなったり、都合の良い振り方をするんですよ。自分に溺れず正常な判断が出来る者には声を掛けないそうで、騙せそうな男だけ増やしていくそうですね。別の潜入部隊に居ましたよ、その役の人」


 「それは役っていうか仕事でやってただけだろう。さっき近付いて来てたチームの女は自分でやってるみたいだし、天然の悪女って感じだから違うんじゃないかい?」


 「天然って……。まあ、間違ってないとはお!? ……あーあー、殺されたかー。何となく納得できる最後だな」


 「どういう事だい? ……って気付いたら、とっくに後片付けは終わってたんだね」


 「まあな。それより、レッドベア2頭とブラッドグリズリーにダッシュボーアに囲まれたらしくてな、女が仲間を置いて逃げ出したんだ。そこまでは良かったんだが、離れた所でスマッシュボーアに轢かれて吹き飛んだあと、牙で串刺しにされた」


 「「「「「「「「………」」」」」」」」


 「何と言うか、自業自得の結果だね。まあ、その女が本当に貢がせてたのかは分からないけどさ。串刺しで死んだか……。ダンジョンに取り込まれる前に処分しておくかい?」


 「そうだな……そうするか。どうも男達の方は無事に逃げ出せたみたいだ。ブラッドグリズリーが暴走して手当たり次第に攻撃し始めたんで逃げる隙が出来たらしい。このまま逃げ切れるといいが……どうやら逃げ切った様だ」


 「やれやれ。結局、悪は滅びる事になるという見本ですね。もちろん貢がせたり侍らせたりしていたかどうかは知りませんけど、少なくとも仲間を置いて逃げ出す様な人物であった事は間違いありません」



 鬱陶しいのも居なくなったし、そろそろ動くか。



 ▽▽▽▽▽


 1019終了時点


 大白金貨17枚

 白金貨72枚

 大金貨771枚

 金貨876枚

 大銀貨928枚

 銀貨1116枚

 大銅貨1106枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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