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1018




 宿を出て、まずは食堂へと行く。大銅貨10枚を支払い朝食を頼んだら、席に座って運ばれてくるまで待とうと思っていたんだが……まさかもう運ばれてくるとは思わなかった。


 運ばれてきた朝食を見ると、パンとカレース-プとサラダだったので納得はした。おそらく雨用のメニューであり、客を外で待たせるわけにもいかないので回転率を上げる為に簡単な物にしてあるんだと思う。


 パンをカレースープに浸しながら食べていると、周りの連中がジッとこっちを見てくる。何だと思って見返すと、周りの客はスープはスープ、パンはパンで食べていた。どうやら浸しているのは俺ぐらいらしい。


 別にスープに浸さないと食べれない程の硬いパンでも無いのに、スープに浸して食べているので変な風に見られていた様だ。とはいえ、俺にとってカレーは付ける物であって飲み物ではない。


 どうしてもスープとして食す事は出来ない物なので、諦めてもらおう。俺は気にせずにパンに付けて食べていたのだが、ジロジロと見てくる奴等が増えた。なんで増えるんだよと思いながらも食べ終えて店を出る。


 皆も周りから見られているのは分かっていたらしく、俺が見られていた事も知っていた様だが黙っていたらしい。ちなみに途中から俺の真似をしていたエリアに聞いてみると、美味しかったそうだ。


 聞きたい事とは違っているんだが気にしなくてもいいか。エリアの出身は樹海国だし、あそこの3国は主食が米だからな。パンをスープに浸して云々という文化が無い。主食のパンが味気ないからカレーを付けて食べたという程度の話だ。


 だからエリアにとっては周りが何故見てくるのか理解出来なかったんだろう。実際、似た様な事を言っている。文化圏が違うとこうなるという見本だが、美味しければ何でもいいと思うんだがな? そういう日本人多いし。


 そう考えると、異世界でも人の根幹は変わらないんだなーと思ってしまう。皆には理解出来ないだろうが、そんな話をしながらダンジョンへと走った。


 迷宮紋からダンジョンに入って一息吐くと、昨日と変わらず平原だった。あれ? とは思ったが、北に行く人が多いので昨日と違う事を理解する。【乾燥】を使って衣服などを乾かしたら、北へと向かって走っていく。


 この辺りは新人用なので奪う訳にもいかないし、魔法をぶっ放す訳にもいかない。2層、3層と進んだが、まさか4層目も平原だとは思わなかった。吸引と【浄化】をしながら進んでいるが、昨日よりは邪気が少ない感じがするな。


 5層目に入るといきなり森になっていて、急に難易度が跳ね上がっている。そう思ったのだが、出てくるのがビッグラビット、ビッグボーア、ビッグディアーと大きい奴等ばっかりなので、見つけるのは簡単だ。


 森で怖いのは不意打ちだが、体が大きすぎて動くと音がする有様だ。やっぱり難易度は思っているよりも低下している。近くでダンジョンモンスターと戦っているチームもあるので、敵と勘違いされないように離れて移動するか。


 西の方に人が多いようなので、おそらくそちらに転移紋があるのだろう。俺達も西へと進もう。そう言って西へと進んで行くのだが、進路上のダンジョンモンスターは倒されているからか全く居ない。


 結局、走って移動するだけになってしまった。一気に駆け抜けて9層にまで来たが、流石にここからは周りの人数も少なくなってきた様だ。とはいえ沼だから仕方がないとは思う。モンスターの数も多いし。


 所々に木が密集して生えている場所があり、その近くにモンスターが潜んでいる。トカゲ系や亀系のモンスターが多く、更にはゴブリンとオークが居るうえに足をとられる面倒な地形。難易度は下がっているが厄介だな。


 沼地に入り歩きながら、襲ってくるモンスターを魔法で叩いていく。主に土魔法の【土弾】で攻撃するのだが、周りにあるのは泥なので【泥弾】と言った方がいいかもしれない。それでも固めているので威力はある。


 四方八方から叩き込まれれば流石に耐えられない。最終的には死亡するので、死体は【念動】で持ち上げて【浄炎】で焼いていく。マッドリザードは食べられる部分も、利用できる部分も無いらしい。


 厳密に言えば全くない訳じゃないんだが、水が染みこまない皮だというだけだ。水が染みこまない代わりに脆くてすぐ破けるという皮なので、大して役にも立たない。そうリューが教えてくれたので、さっさと焼く事にしたんだ。


 マッドタートルは甲羅が使えなくもないらしいが、ハンマーで簡単に割れる程度なのでやっぱり使えない。磨いたりすると光沢が出るらしいが1部の物好きが安く買うぐらいでしかなく、肉は泥臭くて不味いそうで食べる気がおきない。


 食べられないと言われていたゴブリン肉の方がよっぽどマシな時点で、この地形の間で収納する物は何も無いな。肉に泥味が染みこんでるとか、絶対に食べたくない。そんな雑談をする余裕を持ちながら、13層に辿り着いた。


 綺麗に【浄化】して汚れを落としながら確認するが、割と濃い森を含む山の地形だった。木ダンジョンだけあって、やはり森が多いな。普通の素材ダンジョンの山なら、ここまで木は生えていない。


 それよりも、この辺りで早めの昼食にしよう。周りに傭兵はいないし【探知】にも反応が無いので、脱出紋から少し離れたところで昨日と同じバーベキューだ。ただしサーサを炊くので少し違うが。


 サーサを炊きながら味噌汁を作り、折角なので肉を特製の調味液に漬け込む。御飯が炊けるまでは、皆も土で作った椅子とテーブルで休憩している。沼地で結構体力を奪われたそうだ。あそこはしょうがない。


 それに普通の傭兵ならもっと装備が重いから、余計に体力を奪われるだろう。地形で大変な思いをする形に変わったのかね? 地味に面倒なダンジョンになっているが、森が早くに出現するので主要産業的には難易度が低下している。


 そろそろ蒸らしも終わるな。早速焼いて食べていこう。



 「魔法の同時発動はどんな感じだった? アタシは4つまでは安定してるんだけど、5つになると制御が不安定なままだね」


 「私は5つでも大丈夫でしたよ。ただ、完全に安定しているとは言い難いですが……。ラッシュ開始の時にも同じ事が出来るかどうかは分かりませんね」


 「私は10個の同時発動まで出来るから、特に問題無いわね。久しぶりに魔法無しで戦ったけど、これはこれで練習にはなるみたい。……と言うより、ちょっと鈍ってたのに驚いたわ」


 「私も5個の同時発動は可能になったな。ただし安定しないが……。もう少し練習すれば安定するとは思うが、まだ分からない。それにしても集中力が試されるな、同時発動は」


 「慣れればそこまででは無いんだけどね。僕は同時発動数は8だから特に練習の必要は無くて近接してたけど、矛が強すぎて、自分が上手くなってるのか下手になってるのかも分からなかったよ」


 「私は練習の甲斐あって、3つは何とか同時に発動出来るようになりました。ただ、なっただけで安定はしていませんので、本番ではとても使えません」


 「あたしはちょっと驚いてるね。本腰を入れれば出来るもんだと思ったよ。今は3つまでは安定して使えるから、次は4つ同時かな? 自分が魔法を使えるって事に驚きだけど、まさか簡単に上手くなるとは思わなかったよ」


 「確かにエリアはそうだったね。魔法の同時発動は得意な奴は得意だけど、まさか巨人族のエリアがそうだったとはねぇ。巨人族はどっちかに偏ったりしてない種族だから、魔法もそれなりだと思ってたよ」


 「おそらくですが、魔力と制御では違うのではありませんか? 魔力は種族も関わりますが、制御に関しては技術です。上手か下手かは個人によるのでしょう」


 「魔力の多い種族で制御が下手だと馬鹿にされそうな話ね。今までにも居たのでしょうけど、不器用な方だと潰れそうで何とも言えなくなってくるわ。技術的な事なら才能であって種族ではないもの」


 「私も幽人族だが、全員が全員【念術】に適正が有る訳でもないからな。それに扱うのは極めて難しい。その制御が上手くならないからといって、文句を言ったり怒っても意味は無い」


 「制御って技術だから、頑張り続ければある程度までは上達するよね。問題はそこまで練習できるかだけど、無駄に煽ったり馬鹿にしたりする奴等に邪魔されそうな気もする。そういう奴って絶対に居るし」



 そういう奴って何処にでも居るよな、本当に。



 ▽▽▽▽▽


 1018終了時点


 大白金貨17枚

 白金貨72枚

 大金貨771枚

 金貨876枚

 大銀貨928枚

 銀貨1116枚

 大銅貨1106枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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