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 夕食が来たのでゆっくり食べながらも、話せる範囲での反省会は続く。大きな声では喋ってないし、他のテーブルも五月蝿いうえに【止音】を使っているので、周りには一切聞こえない筈だ。


 それでも余計な事は喋らない様にしている。神の金属とかアイテムバッグとかの事は色々マズいので知られない方が良いからな。



 「そういえば竜で思い出しましたけど、最近は竜が出てこなくなりましたね。何か理由があるんでしょうか? 私としてはダンジョン内の邪気が一定以上ないと、竜が出現しないんじゃないかと思っています」


 「それはあるかもしれないわ。邪気が少なくなったからか、最奥に到達しても何も居なかった事もあるもの。元々は下界の邪気を減らす為に作られたのがダンジョンなんだから、減ってくると何かしらあるんでしょうね」


 「多分、あの時は偶然だったんだと思う。もしくは竜の素材を取りすぎだと思われたかだ。空の向こうの宇宙空間には、数万年どころじゃなく数億年分の邪気がある。そう簡単に無くなったりはしない」


 「「「「「「「「数億年……」」」」」」」」



 俺は小声で星の誕生から草木が放出した分と、動物などが放出した分をアバウトに教える。俺もどれほどの量かは知らないと前置きをしたものの、その膨大すぎる量に女性陣が眩暈を起こしかけた。



 「それって……アタシ達が1000年以上生きて浄化し続けたって終わらない気がするんだけど……というか絶対に無理だよね? 浄神様はいったい何を考えてそんな神命を下されたんだい?」


 「そりゃ、俺や皆だけじゃ無理さ。勘違いしないでほしいんだが、俺達の手で全て綺麗にしろとは言われていない。下界の奴等全員で綺麗にすればいいんだよ。俺のやるべき事は、浄化し続けていく体制にする事さ」


 「ああ、成る程。そういう事ですか、今やっとアルドの神命を正しく理解しました。道理で神殿のバカどもを次々と始末していく筈です。あんなのが残っていては、いつまで経っても腐ったままですからね」


 「そもそも浄神が過去に降臨した際に体制は出来ていた筈なんだ。バカ共が腐敗させなければ、長い年月を掛けて浄化が進んで行く仕組みだったからな。それがいつまで経っても減っていかないし、むしろ増えてる有様だ」


 「それは浄神様も激怒される筈だわ。空の向こうには莫大な邪気があって、今も邪神様が私達の元に来ない様にして下さってる。にも関わらず下界の、それも神殿が浄化を碌にしようとしないなんて……」


 「うん、本当にそうだ。浄神様が神殿の奴等を根切りにしても構わないと仰る筈さ。むしろ邪魔をするなら根切りにしろとまで仰ったのは、下界にとって害悪でしかないからなんだね」


 「しかし、考えれば考える程に莫大だという事が分かるな。この星? とやらが誕生して生命が生まれて以降、ずっと溜まり続けているんだろう? 私達人間種だけの所為では無いとはいえ、とんでもないな」


 「植物だけが生きていた期間が数億年だって言われても、長すぎてよく分からないよね。少しずつ少しずつ溜まっていった邪気が、いつの間にか莫大な量になっちゃったんだろうけどさ」


 「まさに神様しか知らない領域の話ですね。膨大な年月の事を言われてもピンと来ないですし、実感も湧きません。ただ分かるのは、邪神様が防いでくれなければ、今頃私達は邪生になっているという事だけですね」


 「そんな莫大な邪気なんて誰も防げないし浄化出来ないからね。一気に来られたらそこで終わるよ。さっき話してた数の暴力みたいなものだけど、実際に神様が何とかしてくれてなきゃ、とっくに邪生になってるというのも怖いものさ」


 「そこまで怖がる必要はないんだけどな。俺達は大丈夫だし、粛々と邪気を浄化していくだけだ。後は浄化能力というか、浄化魔法の普及を推進するくらいかね? 俺の神命もゆっくりしたものだからなぁ……」



 夕食を終え、俺達は宿へと戻る。【止音】を使っていたからか、近くで食事をしていた傭兵が怪訝な顔をしていた。おそらく口が開いているのに声が聞こえなかったからだろう。


 宿の部屋まで戻ると、直ぐに送風機と冷房を起動して部屋を涼しくする。日中の熱気が篭っていたのか暑いが、まずは部屋の空気を外に出すところからだ。冷房にはキンキンに冷えた神水を入れたので、直ぐに部屋は冷えるだろう。


 部屋の熱気を外に出したら窓を閉め、後は【冷風】などを使って部屋の空気を冷やす。その後は冷房に頼れば問題無い。


 皆もラッシュで疲れたのか、それとも色々思うところがあったのか、戦闘方法についての話を活発にしている。むしろ今までの戦闘の逆をやってみようという話になっているが大丈夫か、それ?。



 「つまり、アタシが魔法でメルは近接って感じさ。魔法を使える者が近接、魔法が下手なのが魔法を使うって事だね。それぞれの弱点って訳じゃないけど、普段やってない方をやろうって事」


 「……良いんじゃないですか? やるとしてもマルドーのダンジョンからでしょうが、それぞれが魔法をある程度でも使えないと大変なのは分かりましたからね。姉上も言った通り練習は必要です」


 「良い事ではあるんだけど、いきなりやって上手くいくか分からないから浅い層で練習しながらの方が良いと思うわ。私やフォルは近接に回れるけど、後はアルドくらいかしら?」


 「私は魔法の練習に回らせてもらうよ。無理をすれば5個同時は出来るけど、安定して出来ないと意味が無いからね。早めに安定させて近接に回りたいけど上手くいくかな?」


 「安定するのが3つでは時間が掛かるな。【清潔】や【小浄】なら使っても誰も怒るまい。この2つでとりあえず練習するか……」


 「それがいいよ。後は魔力を操作する練習かな? 僕が長い間に暇潰しでやってた事だけど、コレの御蔭で最初から上手くいってたからね。操作と制御って重要なんだと思う」



 リューとエリアは、フォルから魔力操作の練習方法を学んでいる。誰かは知らないが、フォルが子供の頃に魔力の操作方法を教えたエルフは相当に優秀な魔法使いだったんだろう。あの方法は、練習すれば上達する正しい方法だ。


 それを暇潰しで続けていたフォルも凄いんだが、アレを最初に考案したのは誰なんだろうな? 多分伝わっているものをフォルに教えただけなんだろうけどさ。……その割には5人組のエルとかは特に上手くなかったな。


 エルが知らないという事は、エルフ全体が知っている訳じゃないのか……。たまたまエルが知らなかったって事はないだろ、あの子もお嬢様な筈だし。少なくとも王国の伯爵家と関わりがある時点で普通の家じゃない。


 ますますフォルに教えた人物が謎なんだが、考えても答えは出ないんで止めよう。掘り下げても得をしない話だから聞けないしな。


 魔法を練習している皆の横でダリアは眠ってしまったらしく、鼾が聞こえてきたので布団に連れてってやり寝かせる。その後はいつも通り襲われたので【法悦】と【極幸】のコンボでキメておいた。


 皆を寝かせた後、部屋と体を綺麗に【浄化】して勾玉を使ったら、おやすみなさい。



 <異世界475日目>



 おはようございます。外から大きな雨音がするので今日は雨の様です。いつ上がるかによって変わるが、今日は雨が続く気がするな。ダンジョンは遠くないし、今日はダンジョンに行って魔法の練習かね?。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」


 「今日は……どうやら生憎の雨の様だね。宿の部屋で魔法の練習をするか、それともダンジョンに行って練習するか……。どっちかだけど、どっちにする?」


 「ダンジョンで良いんじゃありませんか? また1から進むのは面倒ですけど、ダンジョン内なら魔法を連射しても問題ありませんからね」



 それはいいけど、他の傭兵にぶつけないでくれよ?。



 ▽▽▽▽▽


 1017終了時点


 大白金貨17枚

 白金貨72枚

 大金貨771枚

 金貨876枚

 大銀貨928枚

 銀貨1116枚

 大銅貨1116枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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