1013
皆が起きたので朝の挨拶をし、こちらの部屋に来た5人とも朝の挨拶をした。向こうの部屋は綺麗に片付いていたので、こちらの部屋を片付けてから宿の玄関へと移動する。少し待つ事になったが、リンデ達が部屋を出てきた。
食堂へと移動し大銅貨10枚を支払って朝食を注文したら席に座る。その後、雑談を始めるとリンデ達が急に驚くべき事を言い出した。
「実はですね、前々から4人で考えていたのですが……私達は1度、帝国へ行ってみようと思います。王太子殿下は行った事があるのですが私は行った事が無いので、本当の帝国というものを自分の目で見てみようと考えていました」
「まあ、別にいいんじゃないかい? 全ては自己責任だし、アンタ達が帝国内に居れば必ず手出しをされる。それが分かっていても行くなら、傭兵として止める事は出来ないさ」
「可能性としては高くないとは思いますが、身柄を拘束される恐れはありますし、寝込みを教われる可能性もあるので注意しなさい。どんな相手でも反撃して叩き潰して構いません。勘違いされる行動をした者が悪いのです」
「場合によっては宿の従業員がグルだったりするから気を付けろよ? 俺達の時も何回かあったから経験者として言っておく。俺達の場合は部屋に入ってきた奴等を含めて全員始末したが、お前さん達の場合はボコって拘束が1番だ」
「アイテムバッグも狙われる原因だけど、貴女達そのものも狙われる原因になるわ。縄は多めに用意しておいて、犯罪者は全て捕縛してしまいなさい。勢い余って殺しても、誰も文句は言わないわ」
「身元がバレたら困るのは相手だからね。傭兵とはいえ1国の王女に手を出したら死罪は確実だ。知っている暗部なら必死で止めるだろう。場合によっては帝国の名が更に下がる結果になりかねない」
「ただでさえ帝国の名は落ちているというのに、底を割る勢いで下がりそうだな。力があれば何をやってもいいのかと言えばそんな事は無い。そろそろ帝国の力にも疑問符が付きそうだしな」
「王国に負けた事はともかくとして、蛮族国家を標榜するバロッサに思わぬ痛撃を受けたからね。回復するにも時間が掛かるだろうし、案外良いタイミングでの帝国行きなんじゃないかな?」
「私達も何処かに行きますか? 依頼は終わらせたのですし、今すぐに村に帰らなくてもいいとは思いますが……」
「あたしはこっちの方の国に詳しくないから分からないよ。適当に見れれば良いし、好きにすればいいんじゃない?」
「行くのなら先ずはマールだな。香辛料を買い溜めしようと思う。バロッサに行く意味は無いから行かないけどな。見た事も無い場所を見に行くなら、えーっと……あー……むー? ……あっ!? ムルの国だ!」
「??? ……ムルの国……ですか? そんな名前の国、ありましたっけ?」
「……あっ!? 思い出した! アルドが言うムルの国っていうのは、草原の西にある国さ。確かにアタシだって見た事の無い国だから、知らない場所として見に行くのは分かるよ。でも、大丈夫かい?」
「確かアルドは、草原での戦争時に向こうの貴族を殺して家宝を奪ってますからね。マナリアの剣だったと思いますけど、アレってどうなったんでしたっけ?」
「インゴットにした様な気がするんだが……ヤバい、覚えてない。マナリア程度はどうでもいいんで覚える気も無かった。そもそも貴族2人は始末したし、俺の顔を知ってる奴は生き残ってない」
「なら行っても問題無いわね。草原の国の西なんて誰も行った事が無いし、行ってみるのも悪くはないわ。ただし大森林を南に越えるより時間が掛かるけれど……」
「今ならそこまでじゃないか? 皆速くなってるし、去年ほど時間が掛かるとは思えない」
そんな話をしながらの食事も終わり、全員で一緒に王都を出る。サウスアルム、領都ディムアストまで行ったらリンデ達と別れ、ナイダの村、ロワの村、ゴードの町、ジアの村、領都リバルダまで一気に移動した。
昼を過ぎているが中に入り食堂で大銅貨10枚を払い、昼食を注文した。リューはあまり良い思い出の無い町だが、ここで食べないと舟で渡った先で食べられるか分からないので已むを得ない。
何事も無く昼食を終えて町を出たら、直ぐ近くの船着場へ行き銀貨2枚と大銅貨10枚を支払う。舟に乗ってマールの船着場へと着いたら、さっさと南へと出発する。
国境の街であるブエムを過ぎ、夕方前にはギィズの町に到着する事が出来た。ここのダンジョンも去年攻略したっきりで、それ以来まったく入っていないんだよな。
ダンジョンに入るかどうかを聞いたらエリアは入りたいとの事なので、たまにはいいかと思い明日攻略する事にした。どうやらエリアとしては、折角の武具などを使ってもっと戦いたかった様だ。
宿を探していると大部屋が空いている宿があったので、銀貨3枚を支払い10日間とった。確実に余るだろうが、こういう時代はそれで丁度いい。足りなくなると足元を見られたりするらしいのと、最初に大きく払うと上客扱いされるみたいだ。
皆は俺が知っていてやってるんだと思っていたらしい。今聞くまで知らなかったと言ったら驚いている。むしろ知らない事の方が多いんだが、何で妙な勘違いをされてるんだろうかね。
宿を出て食堂に行き、大銅貨10枚を支払って夕食を頼む。出てきたのは懐かしのカレーピザだった。元の世界の様に具沢山という訳じゃないが、これはこれで十分に美味しい。
そういえば前回と違って腹立たしさは感じないな? 慣れたからか、それとも米があったからか……いったいどっちなのかは分からないが、食事でイライラしないなら何でもいいか。
十分に満足する食事だったので、良い気分で宿に戻る事が出来た。部屋に戻り送風機と冷房をセットしたら、キンキンに冷えた神水を入れて【冷風】で部屋を冷やす。
【冷風】は使えても、寝ている最中は部屋を冷やせないので魔道具は重要だ。リューとエリアも今さら冷房や送風機の無い生活は嫌らしいので、ある意味で毒されていると言っていいのだろう。
涼しい部屋でダラダラしているとダリアが俺の足をペシペシして遊び始めた。仕方ないので付き合ってやると、今度は胡坐の中に入って丸くなる。何がしたいのか分からないが、これが猫の奔放さなんだろう。
人間並みの知能があっても、猫の本能は変わらず有るらしい。そんなダリアの相手をしていると満足したのか、いつの間にか寝ていた。ダリアを布団の上に寝かせ、待っていた女性陣を大満足させたら皆も寝かせる。
部屋と体を綺麗に【浄化】し、勾玉で吸引して町の邪気を【浄化】した。神水を飲んで落ち着いてから寝ようと思っていると、急速に町中で邪気が膨れ上がる。さっき勾玉で浄化したばかりだっていうのに、何で邪生が生まれたんだ。
そう思って【探知】と【空間把握】で調べると、拘束された邪生の男が暴れている。傍には血だらけの張り型を持った女が居たので、おそらくそういう事なんだろう。女は怯えていて全く動けないらしいが、助けてやる気は欠片も無い。
張り型が血だらけだって事は間違いなくケツを無理矢理掘られた結果だろうし、暴れている男には邪生になるだけの理由があるように思える。だとしたら自業自得だし、助けてやる気にもならないのは当たり前だ。
男女が逆でも同じだ。強姦したヤツなど助けてやる価値も無い。ただの犯罪者だしな……っと、邪生が拘束具を引き千切ったが、あーあー……。早速張り型を持った女を殴り殺したな。恨みのある相手だろうから当然か。
本当に犯罪者というのは救いようが無いな。どうも家の使用人が必死に止めようとしているが、止まらないみたいだ。そのうち神殿の奴等が来てなんとかするだろう。俺の出る幕じゃないし、俺が出ても意味が無い。
それにしても、貴族というのは本当に碌な事をしないな。関わりたくもないし、さっさと寝るか。
それじゃあ、おやすみなさい。
▽▽▽▽▽
1013終了時点
大白金貨17枚
白金貨72枚
大金貨771枚
金貨876枚
大銀貨928枚
銀貨1116枚
大銅貨1136枚
銅貨291枚
神木石の浄化槍
神石の浄化剣
神木の浄化棍棒
神木の浄化盾
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




