表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1011/1948

1010




 「警戒しているところ悪いのだけれど、そこまで警戒して聞かなければいけない話ではないのよ。……と言っても難しいのでしょうけど。簡単に言うとヴェスティオンの王と王妃、並びに側妃は自殺したそうよ」


 「「「「「「自殺……?」」」」」」


 「いやいや……どう考えても怪しいだろう、それは。政治なんて知らないあたしでも分かるくらい怪しいって、どういう事さ? 明らかに今やっちゃ駄目な事だろうに」


 「問題は、誰でも分かる簡単な事をヴェスティオンがやったという事です。厄介なのは、ヴェスティオンの王太子殿下がやったのか、王に口を開かれては困る者がやったのか……そこで問題の本質が変わってくる事でしょう」


 「王太子なら問題は大きくないけど、内部の膿だと……ヴェスティオンの王城で主導権争いが起きそうだね。だから総長が伝えに来たんだろうけど、誰がやったかまでは分かってないんでしょ?」


 「やはり王女であられた以上は、そこまで予想出来ますか……。私達もこの一報を受けた段階で、ヴェスティオン国内が荒れるという予想で一致しました。何故か姫は理解されていませんでしたが……」


 「ふぇ!?」



 朝食を食べるのはいいが、会話の内容を無視して食事に没頭するなよ……。ある意味スゲーと思うけど、そこに痺れも憧れもしないな。ああいう人間にはならないでおこうと思うぐらいか。



 「まあ……ある意味、姫はこれで良かったのだと思います。さすがに王太子殿下も手を出されはしないでしょう。毒にも薬にもなりませんので……」


 「それよりもヴェスティオン国内が荒れるという事は、ギルドは元の鞘には収まれません。その気もありませんでしたが、どこかに本部を完全移転するしか道がないという状況です」


 「ここじゃあ駄目なのかい? 臨時とはいえ、ある程度の期間は世話になってるんだ。恩返しの意味も加えて、ここに本部を移転すれば良いじゃないか」


 「それが……領都を大きくするのは難しいと言われたのよ。ギルドの本部が来れば、当然だけど沢山の傭兵が来るようになる。でも、そんな沢山の傭兵を受け入れる容量が、この領都には無いの」


 「成る程。言われてみればその通りですね。ルーデル村みたいに「足りないから広げよう」と言って、簡単に広げられる訳じゃありませんし」


 「村だって簡単じゃないわよ? 村で話し合いをして決めてるんだから、その時間は掛かるわ。まあ、長くても半日ぐらいで終わるけど」


 「ルーデル村……ですか? それは確か、皆さんが居らっしゃる村ではありませんでしたか?」


 「ああ、そうだね。村と言うより町の規模だけど、それでも村なのは税とかで優遇する為さ。何たって大森林の直ぐ近くにある村だ、素材は豊富で質も高い。その為、他より優遇されているんだよ」


 「ああ、<大森林の壁>ね。村の名前を言われてもピンと来なかったわ。うーん……流石にガイアルム王国は無理だけど、考え方としては悪くないかも。東の最前線に1番近い町に本部を移すのはどうかしら?」


 「大変ではありますが、それが1番丸く治まるかもしれません。聖王国としても最前線に本部があれば人も集まるでしょうし文句も少ないかと。ですが……」


 「危険ではあるだろうな。幸い最前線の近くでスタンピードが起きたとは聞いた事が無いが、今後も絶対に無いとは言えない。もしかしたら最前線の1つ前、男爵領の領都に決まる可能性もある」


 「まあ、どっちみち最前線の近くなら文句も少ないんじゃないの? 知らないけど。文句言ってきたら、お前が引き受けろって言えば良いんだよ」



 全員食事が終わったので、総長達とは食堂の前で別れた。そもそもヴェスティオンの王や王妃と側妃が自殺したっていう話を、俺達に教えに来てくれただけだしな。「ありがとう」と言っておけば十分だろう。


 向こうも命を助けてもらったから、わざわざ最新の情報を教えに来てくれたんだろうから、これで貸し借り無しって事だ。


 アイネとフィレネ親子に見送られながら、俺達は領都の門を出て多少離れたら一気に走る。ユルの村、ザッドの町、王都ラグマイア、領都バム、領都サンドに入り食堂へと行く。


 大銅貨10枚を支払って食事をとり多少の休憩を挟んだら、領都の外に出て再び走り出す。イーロン村、領都デリンサ、山を越えてガイアルム王国の領都ガンダス、クーデアの町で早めの宿をとる事にした。


 宿を見つけ大銅貨7枚を支払い大部屋をとると、【冷風】を使って涼みながら皆を【浄化】して綺麗にする。部屋の中にはリンデ達も居て、汗を拭ったりしながらゆっくり休んでいる様だ。


 火の季節は早めに宿をとって涼まないと、汗を掻きながら食事をする羽目になるからな。男はともかく女性はキツいだろう。いや、男は逆に臭すぎてキツいか……。


 魔法がある世界なのに、清潔にしない奴等が多いんだよな。ちなみに【清潔】の魔法は神殿に行ったり、そこら辺に居る清潔魔法士に頼めば1回銅貨1枚でやってくれる。要するに、それすらせずに臭いままの奴等が居るんだよ。


 頭がおかしいと言うか、鼻がおかしいと言うか……。慣れれば気づき難いとは言うが、物事には限度というものがあると思う。嫌な事を考えていてもしょうがないので頭から追い出しておき、汗も引いたのでそろそろ食堂に行くか。


 中に入り大銅貨10枚を支払って夕食を注文すると、席に座って運ばれてくるのを待つ。適当な雑談をして待っていると、周りの傭兵がチラチラこちらを見てくるのが分かった。


 こういうのは何度もあるのだが、大体は欲望交じりの目が多くウチの女性陣の機嫌が悪くなる事も多い。今向けられている目は何故かそういう目ではなく、好奇心? の様なものを強く感じる。


 ウチのメンバーに好奇心を感じる人物なんて……いや、そんな人物だらけだけどさ。今までそんな事も無かったのに、急にそういう目で見られるのは変だ。何かあるんだろうとは思うが、その何かが分からない。


 モヤモヤとしたまま運ばれてきた料理を食べる。結局、その妙な視線は店を出るまで続いた。皆も首を傾げているので、理由に思い当たらないのは俺だけでは無いらしい。


 何だったのか分からないまま宿へと戻り、部屋に入ってから皆と話すも答えは出ず。悪い視線には感じなかっただけに、訳が分からないのが引っ掛かる。とはいえ、答えは出ないだろうから忘れた方がいいか……。


 スッキリしないままだが、このまま考えてもストレスが溜まるだけだ。こういうのは完全に忘れた方が良い。全員の意見もそれで一致したので、疑問は放り捨てる事にした。


 そんな下らない話をしている最中に2匹は眠ってしまったらしく、布団に寝かせてやった段階で連れて行かれたので、完全にキメてから皆も寝かせる。【念動】で運ぶのにも随分慣れたなー……。慣れ方がおかしい気もするが。


 部屋と体を綺麗に【浄化】してから、勾玉を使っての吸引と【浄化】を行う。それが終わった後にリンデ達の部屋を確認するも、ダメだったのでさっさと寝よう。今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界472日目>



 おはようございます。今日も移動ですが、今日中に王都には辿り着くので報告は早ければ午後から、遅くとも明日の朝には出来るでしょう。戦争の報告だから早めの方が良いだろうし、向こうも早く欲しいだろうから直ぐに会う筈。


 部屋と体を綺麗に【浄化】しつつ、リンデ達も同じ様に綺麗にする。いつも通りの朝の仕事を終わらせたら、神水をコップに入れてキンキンに冷やしてから飲む。朝だという事もあってそこまで暑くはないが、冷えた神水が美味しい。


 それでも冷たい為にゆっくりと飲んでいると、ダリアとカエデが起きたので水皿に神水を入れて適度に冷やしてやる。喜んで神水を飲んでいる2匹を眺めていると皆が起き始めた。


 まだ寝惚けている様だが、いつもの事か。



 ▽▽▽▽▽


 1010終了時点


 大白金貨17枚

 白金貨72枚

 大金貨771枚

 金貨876枚

 大銀貨928枚

 銀貨1121枚

 大銅貨1218枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ