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 夕方になるまで2人で魔物を狩り、俺は血抜きとアイテムバッグへの収納を繰り返している。【気配察知】が使えるという事は、不意打ちは殆ど受けないし魔物の居る場所が分かるという事だ。


 非常に狩りがしやすくなり、お金が稼ぎやすくなった事を意味する。しかし狩り過ぎると今度は町の近くの魔物が居なくなってしまうので、注意して狩る必要がある事は教えておく。


 ここは国境に近いし森や林が多い。そちらに行って魔物を狩れば十分に暮らしていけるだろう。母親が盾と短槍で、娘が盾と棍棒か……。ここを離れる前に2人に武具でも作ってやるか。


 結構早いが町に戻ろうと言い、2人も了承したので町に入り解体所へ行く。査定を受けて木札と売却金を貰い、その足で傭兵ギルドへと向かう。ギルドに入って木札を渡すと、フィレネのランクは2になった。


 本人的には喜びは半分らしく、そこまで浮ついてはいない。まあ、舞い上がっているよりはマシだが、ちょっと味気無いランクアップだった。とは言ってもランク2だし、ここで大喜びするのもおかしいのか……?。


 何だかよく分からなくなったので放り投げ、帰りに鍛冶屋に寄って鉄を15キロ買って帰る。金額は大銀貨3枚だったが特に気になる金額ではなかった。


 まだ夕方にもなっていない時間だが、家に戻った俺達は俺が泊まっている部屋に行き武具の相談をする。2人は何を言われているのかよく分かっていなかったが、俺が目の前で鉄を精錬し、更には超魔鉄を作り出した時点で目が死んでいた。


 2人を正気に戻した後で色々話し合った結果、アイネは変わらず盾と短槍、フィレネは盾と剣に決まった。2人は凄く恐縮していたものの、リンデ達には竜の素材の武具を渡してあると言うと意識が飛んだみたいだ。


 カイトシールド2つと短い直槍にグラディウスだから簡単に終わるだろう。手持ちのブラッドウッドを使って、カイトシールドや槍の柄に剣の持ち手を作っていく。超魔鉄でカイトシールドの表面を被覆し、槍の穂と剣身を作る。


 細かな部品類も超魔鉄で作り、組み立てていけば完成だ。もう慣れた作業なのでそこまで苦労しない。使われている素材は良い物なので、結果として優秀な武具になっているだろう。とりあえず庭に行って試させる。


 2人は呆然としているものの正気に戻し、庭で新しい武具を振ったり構えたりして確かめ始めた。意外にも、今までの物と重さは然程変わらないらしい。


 ついでに武器強化も教えたのだが違いが分からないらしいので、自分達が元々持っていた盾を攻撃させた。若干躊躇したものの思い切って攻撃した結果、唖然としている。



 「これはちょっと滅茶苦茶過ぎるわね。武器強化は知っていたけど、直ぐに武器が壊れるって聞いてたから覚えなかったのよね……。まさか武器強化をしても全く問題無い金属があるなんて、考えもしなかったわよ」


 「私の方も同じよ。剣が抵抗も無く入ったの、意味が分からない。剣は壊れやすいからって棍棒にされたけど、これからは剣でやっていけそうで良かった」



 そういえば普通に剣が使えてたな? 何で剣が使えるのに棍棒を持ってたんだと思って聞いてみたら、父親が剣を使っており、幼少から剣の使い方を学んでいたらしい。ただ、剣は壊れやすい為、自分でお金を貯めて買うようにと言われたそうだ。


 武器強化も上手く使える様になれば、消費魔力も減らせるし武器の劣化も少なく出来る。超魔鉄はオドに対して極めて強いとはいえ、全く劣化しない訳でもないので気を付けるように言っておく。壊れてからじゃ遅いしな。


 そんな事をしていると皆が帰ってきた様だ。夕方になったところなので、いつもより帰りが早いがこんなものだろう。そう思い皆を出迎えると、何だか全員が微妙な顔をしているんだが……?。



 「ただいま。ヴェスティオンでクーデターが起きたとかで、ヴェスティオンの軍は撤退していったよ。ただ、ラグナンドの軍も撤収準備に入っててさ、明日にも王都に戻るんだって」


 「どう考えても、裏で取引があった結果でしょう。ヴェスティオンの王と王妃に側妃は幽閉されたと聞きますし、戦争責任を全て王に負わせて新王の誕生ですかね?」


 「碌でもない国だと言うべきかしら、それとも碌でもない王だったと言うべきかしら? 何とも判断に迷う結果だわ……」


 「前々から計画されていた節はあるんだけど、動き出したのはいつだろう? 何となくだけど、主様が暗殺した辺りじゃないかと思う。暗部と諜報のまとめ役が一気に居なくなったから、王太子は動きやすくなったんじゃないかな?」


 「クーデターが1人で出来る訳も無いのだから、前から王太子一派は準備を着々と進めていたのだろう。国にとって残っていては困る王子2人を他国に殺させてまで、王位を簒奪する必要があったのだろうな」


 「それ程までに内部は腐敗してたって事? ……ヴェスティオンの反応なんかを見ていると、確かにそうなのかもしれないね。何より傭兵ギルドにやってた事が悪質過ぎるし」


 「もしかしたらですが、傭兵ギルドに対してやっていた事を、幽閉された王に全て擦り付けたかったのではないでしょうか。ヴェスティオンという国ではなく、王の一派がやっていた事だとする為に……」


 「そうやって王の所為にして助かろうって? 散々迷惑掛けた奴等のする事は汚いね。誰かの首を差し出して助かろうなんて随分意地汚いもんだ。王侯貴族なんてやっぱりそんなもんかい」


 「まあ、致し方ないのでしょう。王はともかくとして、民を道連れには出来ません。そして、それを聖王国も望んでいませんので、こういう決着になるのは仕方がないのですよ」


 「それにね、王は絶対なんだよ。良くも悪くも王は絶対である以上、王太子であっても抵抗は難しい。王が気に入らねば廃嫡だってあり得るんだ。国を良くしたくても、王に嫌われればそこで終わりさ」


 「「「「「「………」」」」」」



 エリアにザラやエイルズ、アイネ親子は理解していなかったんだろう。リヴィの言葉に何も言えない様だった。


 政治的な話なんて正解も何も無いのだから、これ以上話しても仕方がない。俺は話を打ち切る様に食堂への移動を言い、皆と共に食堂へと行く。大銅貨12枚を支払い夕食を注文したら席に座り、先ほどとは別の話をしよう。



 「結局クーデターが起きて戦争は強制終了する訳だから、俺達の情報収集もこれで終わりか? 何だか妙に締まらない結果になったが、今回の様な状況の推移だとしょうがないのかね?」


 「まあ……仕方ないんじゃないかい? 両国の上の方で話が決まってたし、何よりそこまでの情報を取りに行くのなら、アルドが潜入しなきゃならなかっただろうしねぇ……」


 「ですね。何と言うか、今回の事はどうする事も出来ないと思います。ヴェスティオンは王を交代したかったんでしょうし、ラグナンドはそもそも戦争など望んでいなかった」


 「戦争もそうかもしれないけど、それ以上に難民が押し寄せるのを望んでいないという事でしょうね。今回の戦争ではヴェスティオンという国への信頼が低下したから……」


 「民だって国と命運を共にするなんて者は多くないさ。皆、自分の家族が居るし、自分の家族には生きてほしい。そう考えるのが普通だからね」


 「今回は無理矢理にでも傭兵ギルドを手中に収めようとしたヴェスティオンが悪いからな。傭兵ギルドに対するヴェスティオンの侵略戦争のようなものだ」


 「領地は無いけど乗っ取って奪おうとしたんだから、確かに侵略戦争と言えるだろうけど……。そもそも何でそんな事をしたんだろうね? 幽閉された王は何を考えて戦争なんか始めたんだろう?」


 「何とも言えませんね。良くも悪くも王の号令で国は動きますから、王が1人胸の内で考えていた場合は誰にも分かりません。それこそ拷問されても語らない可能性はあります」


 「元々ギルドと国は1つだったんだろ? 案外、元の形に戻したかっただけなのかもしれないって、あたしなんかは思うけどね」


 「確かに。正統性にこだわる者というのは王族や貴族には多いと思います。私自身は、元々の祖先を考えれば王族でも貴族でも無かったとしか思っていませんけどね」


 「それが分かってる王侯貴族というのは少ないんだよ。ウチは古くからある国だけどさ、それでも国が出来るまでは祖先は平民でしかなかったんだ。それを忘れて王族だとか言っても……ね」



 まあ、虚しいだろうな。



 ▽▽▽▽▽


 1008終了時点


 大白金貨17枚

 白金貨72枚

 大金貨771枚

 金貨876枚

 大銀貨928枚

 銀貨1121枚

 大銅貨1257枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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