表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1007/1948

1006




 こちらをジッと見ている皆に疑問を持っていると、いきなり女性陣から話しかけられた。何だか呆れている感じがするのは気の所為か?。



 「アルド……どうして神水の事を口走るんだい? それは間違いなくこの世界にあったらヤバい物なんだから、バラさないでほしいんだけど?」


 「うん? ……もしかして俺は今口に出してたのか?」


 「ハッキリと神水と言っていましたよ。リンデ達はともかく、アイネたち親子にもしっかり聞かれてました。どうするんです?」


 「どうするも何も、黙っててもらうしかないだろ? と言っても、脅されたりしたらどうにもならないし、そういう場合は仕方ないけどな。どのみち俺達を襲ってきたら殺すだけだ」


 「結局いつも通りね。とはいえ、気にする必要は無いんじゃないかしら。仮に私達の事を調べても神水は出てこないし、喋ったとしてもそこまで影響がある訳でも無いもの」


 「知らぬ存ぜぬを貫けば済むって訳だね。そもそも水は水さ。浄水ならともかく、聖水や神水なんて御伽噺の中に登場するかもしれない様な物だ。仮に実在しても信じないし、神殿は絶対に認めないだろう。何故なら自分達には作れないからね」


 「確かにそうだな。訳の分からないプライドは持っているので、それを刺激してやればそうなるだろう。そもそも信じさせる意味が無かったんだったな」


 「だね。神水を誰かにあげる訳でも無いし、使う予定も無い。身内で使ってるだけだし、僕達もあまり使わないからさ。そもそも酒精を無くしてしまう時点で僕達には使い勝手が悪いしね」


 「ですね。飲めば体の中から毒素も無くなりますし、置いていても浄化し続けるので腐らないという反則的な水です。便利だから使うというのは、ある意味では不可能と言っていい物でしょう」


 「便利な水とか、ちょっと飲む水なんて使い方が出来るのは、作ってる本人だけだよ。でも、どういう使い方が正しいのかって聞かれたら、あたしに聞かれても困るって返すしかないんだけどね」



 親子は曖昧な顔をしながら聞いている。ときおり頷いているものの、訳が分からなさ過ぎて思考放棄したっぽい。このまま放っておくのが1番か。正気を取り戻しても、もう聞く気は無いだろう。



 「そういえば、御二人の練習もそろそろ終わりですか? 身体強化を使える様になるだけなら、思っているよりも時間が掛かっている気がします。あまり言ってはいけないのでしょうが、飲み込みが良くないのですか?」


 「そんな事は無いが、2人は普通だな。これからの傭兵生活の為に必要なものを教えているだけだよ。身体強化と体操を教えていて、明日【気配察知】の初歩が出来る様になれば終わりだ」


 「初歩? ……ああ、何かが居るってだけ分かるアレが【気配察知】の初歩なんだね。まあ、アレでも有るのと無いのでは全然違うから、覚えておいて損は無いね。そういえば自然に使うのが当たり前になってて、必死になって覚えたのを忘れてたよ」


 「あれも難しいと言えば難しい技ですからね。真剣に学んでも簡単には分からないですし、感覚的な部分が大きいですから、分からない間は本当に分からないんですよね。分かる様になると当たり前の事になりますけど」


 「本当にね。使える様になるまでが大変だけど、初歩であっても使えれば助かるんだ、アレは。森の中でも敵が居る場所が分かるから不意打ちを殆ど受けなくなる。それがどれほど命を助けるか……」


 「そんな技があるんですね……知らない事ばかりです。……お父さんは知ってたのかな?」


 「いえ、知らないわ。あの人は音を感じとって索敵をしていたのよ。地面に耳を付けたりとかしていたの。元々斥候に近い事は若い時からしてたから……」



 ちょっとしんみりしてしまったな。まあ、俺達から話題をふった訳ではないから大丈夫だろう。あの家を継ぐみたいだし、力はあって悪い事は無い。父親より圧倒的に強くなる事で、周囲もおかしな事を言い出さなくなる筈だ。


 今日は朝から変な奴が来たからか、1日中こんな感じだな。夕食後、さっさと家へと戻り部屋に入る。送風機と冷房を起動し、部屋の中の温度を下げつつこれからの予定を皆と話す。情報収集と戦争の話だ。



 「皆は情報収集の方はどうだった? このまま大した成果が無いとズルズルと居る事になりそうだが、戦争が動かないから何とも言えないんだよな」


 「ラグナンドとヴェスティオンの戦争がどうなるかっていう情報収集だけど、小競り合いしか起きてないしねぇ……。今日、伏兵の部隊を奇襲したって聞いたけど、その結果も分かってないんだよ」


 「そうですね。奇襲の情報はある程度流れていましたけど、それはお昼と夕方の間ぐらいの時間でした。ですので、奇襲自体はお昼前にはあった筈なんですが……」


 「まるで奇襲をする情報だけが流されたみたいなのよね。それが予定だったんでしょうけど、続報が入ってこないのが気になるわ。もしかしたら派手に失敗したのかしら?」


 「もしくは成功し過ぎてしまったか。伏兵の中にどちらかの王子が居たのであれば、調査も含めて時間が掛かる。そうなると発表できないのは当然だからね」


 「話を戻すが、このままだと戦争終結まで居る事になると思う。とはいえ、現在目まぐるしく動いているので案外早く決着するかもしれないとも思うのだが……」


 「僕もそう思う。アルメアが言った通り王子が捕らえられたか死んだとすれば、一気に決着まで行くんじゃないかな? 成果が無いのは変わらないし」


 「確かに。1人残った王子も何かしらの功が無ければ、帰るに帰れませんからね。一気に決戦を挑んでくる可能性はあります」


 「そこで負ければ帰る所が無い気がするけど、それでも戦わなきゃいけないんだね。あたしには理解出来ないかな?」



 まあ、言いたい事はよく分かる。戦争を始めた以上は手ぶらでは帰れないんだろうが、それを始めたのは王であって王子じゃないからなぁ。でも武功欲しさに出てきたのは王子だし、やっぱり自業自得か……。


 そんな事を考えてると連れて行かれたので、女性陣を十分に満足させて寝かせる。部屋と体を綺麗に【浄化】したら他の部屋も調べるのだが、今日は問題なかったので家の中全体を綺麗にしておいた。


 勾玉を使用して吸引すると昨日よりも多かったので、おそらく伏兵を奇襲した結果だろう。多かったかどうかは別にして、戦闘があれば邪気は増えるからしょうがない。【浄化】も終わったし、そろそろ寝るか。


 それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界470日目>



 おはようございます。今日は【気配察知】を教える日ですが、外に出て実地で教えるか、町中で人の気配で教えるか……どちらにするか迷ってます。どっちでもいいと言えなくもないのだが、2人の気分転換には外に出た方が良いだろうか?。


 庭での訓練ばかりではストレスも溜まるだろうし、少し前に狩りに行かせたら楽に狩れて嬉しそうだったしな。ここはやはり外に出て実地で教えるとしよう。


 神水を飲みながらそんな事を考えていると皆が起きたので、朝の挨拶をしてから片付けを始める。部屋を綺麗に片付けて全てアイテムバッグに仕舞ったら、玄関付近に移動して他のメンバーを待つ。


 直ぐに部屋を出てきたので、家を出て食堂へと移動する。中に入り大銅貨12枚を支払って朝食を注文したので席に座ろう。


 待っていると朝食が運ばれてきたので食べ始めると、傭兵のチームが隣に座った。そいつ等は注文を終えていて、席に座ると直ぐに大きな声で話し始めた。どうやら興奮しているらしい。



 「昨日の夜遅くにあんな事聞かされた所為で、寝不足になっちまったぜ! お前等は大丈夫だったか?」


 「大丈夫な訳ないだろう。にしても、まさか敵が夜に紛れて奇襲してくるなんてな。伏兵の部隊にヴェスティオンの王子が居て、その後の奇襲部隊にもヴェスティオンの王子が居たんだろ?」


 「ああ。そういう話だったな」



 ん? もしかして2人の王子は既に捕まったか……それとも、もう死んでる?。



 ▽▽▽▽▽


 1006終了時点


 大白金貨17枚

 白金貨72枚

 大金貨771枚

 金貨876枚

 大銀貨931枚

 銀貨1121枚

 大銅貨1274枚

 銅貨291枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ