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美少女が2人も追加されるってよ




 「珍しいね。いつも休みでも僕とは帰らないのに」


 雫は友達が多い。でも基本親友の流川さんかもう1人の子としか帰らない。


 「今日はたまたま閃くんと帰りたかった気分だからね」


 「何それ。そんなのあったの?」


 「あるよー」


 多分友達が部活だからって理由で、1人で帰るのが寂しいからとかそういうとこだろう。素直じゃないのはいつもと変わらない。


 「明日から夏休みだよ、何か予定とかないの?」


 「さっきできたよ」


 タイムリーなことを聞かれるが、まぁそんなとこぐらいしか話のネタとしては思いつかない。夏休みに入るからこれから何するかが気になるのかもしれない。


 僕の返事に驚いた様子を見せる。まぁ僕は毎年夏休みは何もしてないからそれを知ってる雫だからこその反応だ。僕に聞いても、ないよと返ってくると思っていた顔をしている。見応えある顔でとても可愛い。


 「意外なんだけど。なにするの?」


 「いつものみんなでキャンプするってなったんだよ」


 「えぇ!キャンプ?いいじゃん」


 「でしょ?」


 雫にとってはキャンプはやりたいことの1つのようで目のキラキラがそれを伝えてくる。吸い込まれそうなほどキレイだ。


 「私も行きたいんだけど!」


 「いいんじゃない?僕から言っておくよ」


 「ホント!?ありがとう!」


 雫は森くん、鞍馬くん、彼方くん、陽菜さん全員と仲はいい。そもそも雫が仲良くない人はこの学年に存在しないレベルに顔が広い。


 美少女が増えるのだから嫌とは言わないと思う。男子陣の反応が安易に予想できる、想像できるのはきっと誰でもそうだ。


 「持つべきものは閃くんだね」


 「それはどうも」


 雫はいつでも元気だ。これが誰からも好かれる理由なんだと改めて実感させられる。美少女は元気なだけで人を笑顔にできるんだ。


 そして雫と帰ること30分。話は尽きることなく家についた。隣の家というのはいいものだと思う。


 早速グループLINEに雫が来ることを伝える。すると全員から了承を得られた。今頃3人はウキウキしているのではないかと今の3人をリアルタイムで見たくなる。


 森くんからナイスというスタンプが送られてきたのを既読してスマホを手放す。その瞬間通知が音を立てて知らせる。


 グループの誰かか雫かと思っていたらまさかの流川さんだった。


 『キャンプの件なんだけど、参加しないとダメ?』


 まぁそうなりますよね。参加する気はないようでうまく断る理由を探したが無理だったので僕に案を求めているといった状況だろう。


 僕に言われても出てくる答えはないと思うが、一応聞かれた身としては何かしら返信する必要がある。


 『ダメじゃないけど雫も来るから、予定がなかったら一緒にキャンプしようよ』


 雫を釣りの餌にしたのは申し訳ないが、流川さんが来ればより一層楽しくなるのは間違いないので来てもらいたい。その一心で返信する。


 『雫で釣られないよ?行かない理由を探してるの』


 無理か……。


 ここで釣られてたとしたら陽菜さんと雫の友達の差ができたみたいだったが、ちゃんと陽菜さんと雫は同じ親友扱いなんだと人間関係の良さに感心する。


 なんてそんなことを思っている場合ではない。なんとしてでも連れ出したい。僕が行かない選択をしていればきっと流川さんも断れてたのだろうが。


 『クレーンゲームのお礼として来てくれない?』


 あの日のお礼をいつかすると言ったことを思い出しここで使うしかないと返信する。


 『神代はずるいね。お礼なら仕方ない、いいよ私も行くよ』


 大成功。


 『ありがとう!』


 ここで了承してくれなかったら僕は最終手段の禁忌、流川さんが来ないと流川さんの好きなものをみんなにバラすという学校生活終わりの発言をしようとしていた。結果そうなることはなかったが、そうしてる世界線の僕はきっと今頃流川さんに心身ともにボコボコにされているだろう。


 ここで了承してくれたことに感謝したい。


 『それと、私と神代が少し親しくなってることは言わないでね。めんどくさいから』


 一応忠告はしてくれる。僕がまだ信用に値していないのは知っているがそろそろ良いんじゃないかなと思っている。この夏休みで流川さんとの距離を縮めれたらいいんだけれど。


 『もちろん』


 流川さんはキャンプ中でも雫と陽菜さんとしか話さないだろう。僕が話せることはないんだと思うと寂しい。どこかで流川さんとも話せたら嬉しい。


 チャンスがあるならそれをものにしたい。できるかできないかは僕次第なので賭け事をするならみんな僕に賭けるほど自身はない。が、何とかなるの精神で成るように成ればいい。


 『そういえば、今日帰るとき雫と何話してたの?』


 まだ話は終わっていなかった。やはりいくら仲がいいからとはいえ雫と僕が帰ることは違和感だったようで、流川さんでも気になるんだと思った。


 『雫とはキャンプに来るって話とか夏休みの予定とか、その他いろいろと内容のない話かな』


 どんな話をしても雫とは楽しい話になるのが仲がいいことのいいことだ。冗談も言い合えるし、素で笑い合えるからその時間が自然と口角を上げてくれる。


 『ふーん。楽しそうだね』


 『うん、楽しいよ』


 流川さんと関わるのも最近は楽しいことの1つになってるから最近はいいことだらけだ。


 そして流川さんから猫の威嚇のスタンプが送られてきてそれを既読して会話は途切れた。なんとも流川さんらしいスタンプを持っていてホッコリした。

 少しでも面白い、続きが読みたい、期待できると思っていただけましたら評価をしていただけると嬉しいです

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