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出会い その2


カラスは暗い森の上を飛び、崖の上に建っている魔王城へ向かっていた


「なんなんだ、あの人間…

俺様を見ても怖がらない上に、魔王さまに会わせろなどと……

きっとあれが人間界のヤバイ奴、ヘンタイってやつだな!!」


カラスはぶつくさ言いながらこまどから城の中へ入った


「アヌさまーー

大変です、アヌさまーー」


カラスは大声で鳴きながら城の中を飛び回っていた


すると不機嫌な表情をした黒い犬の魔獣が出てきた


「なんなんだ!騒がしいぞ!!」


「アヌさまー、大変なんです!!

一大事ですっっ」


「だから、なんなんだ!!!

早く要件を言え!!」


アヌは口を大きく開けて吠えた


カラスは一旦、深呼吸をして


「森に人間の娘が……」


「人間っ!??

一体、どういうことだ!!!」


「そ、それが森に人間が入ってきたので

追い返そうとしたのですが……

ま、魔王さまに会わせろと言言っており、

追い返そうとしても帰らなくて。

今、私の仲間に見張りをさせているのですが…」


カラスはオドオドしながら話した


その報告にアヌは驚きと怒りで複雑な表情になりそうで下を向いていた


人間が魔界の森に入り、追い出せもできず

しかも、魔王さまに会わせろ???


アヌは下を向いたまま、拳を握り


人間風情がっっ

牙を出して唸った


「人間はまだ森の中か!」


「は、は…」

カラスが返事をする前に

鎧を着た骸骨姿の兵士がガチャガチャ音を立てながら走ってきた


「あ、あ、アヌさま、

た、た、た、大変です、お助け下さい、

へ、変な奴が、やばいのが来たんです。」


「一体、なんなんだ!!!!」

アヌはバウッと大きく吠えた


「す、すみません。

門の前に人間の女か来まして……。

魔王さまにあわせろと言っていて

我々が追い払おうにも、魔王がだめなら

責任者を出せと言い張るばかりで….。」


「な、なに!人間の女が!?ここまできただと!?人間めーーっ」

カラスが鳴きながら窓から外へでていった


「はぁ」

カラスが言っていた女か……

アヌはため息をついた。

よりによってこんな時に魔王さまとは…

さっさっと追い出さねばっ!


「人間のところに行くぞ!!!」

アヌは歯をギリっと食いしばり

骸骨兵士と共に門前へと向かった………


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