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テキストたちは生き続ける
裏切りを迎え入れるような路地裏の
揃い踏みなど夢にも見ないこと
人であることを今自分でしかないことを
どうして疑うこともなく言葉だけを責めるのか
そこに集合はないのだ
誰ひとりとして重なることはないという
空間の節理がテキストにさえコンパイルされるのだから
混ぜ物なしで酔っぱらう心地よさをもはや疑う余地はない
我らは月の満ち欠けのように繰り返すことはなく
いつか確実に消えてしまう当たり前を忘れてしまった
どうして恋愛の歌がこれほどに流行るのか
どうしてステレオタイプがこれほどに安心されるのか
一つとしてなくまた留まることの出来ない我ら自身が
揺れを否定したがっている幻想にしがみついている
昨日は今日へ連続しているという
明日への不安定な無邪気さが
再び帰ることのないそして
もはやいなくなった誰しもへと放射する
まるで消えてしまった星の光りが届くように
テキストたちは生き続ける
言葉は常に感性に晒されている。故に伝わるかも知れず、そうでないかも知れない。なにしろ、お互いにとって初めての試みであり続けるから。




