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Repeat

作者: 樹恵
掲載日:2019/12/19

主要人物


(けん):自分本位なわがまま男子高生。傍若無人でなんでも自分中心じゃないと気が済まない。

(おみ) :死神、絢の先祖の元婚約者。過去の辛い経験から性格がねじ曲がってしまったらしいが見た目はただのギャル。

潔子(きよこ) :教師。いかにも不幸ですと言う雰囲気を醸し出すちょっと暗めの女性。なんでも悲観的に考えがち。

閻魔大王:気に食わないと撃つという暴君。なんでも面倒がるが裏では優しい所も。

側近ハイド:常に微笑んでるが腹の中はわからない。笑顔で怒るタイプ。

側近ジキル:チャラ男。判決所に来た霊達を#唆__そそのか__#したりもする。

水木(みずき):潔子の同僚。生真面目なイケメン。(ジキルと兼任可)


その他


福引の男(ハイドと兼任可)

募金活動をしている学生(2名閻魔と臣がやっても可)


✄------キリトリ------✄


絢「いってぇ~…。あ~あ、事故っちまったよ…。てゆうか、あんな事故でよく生きてたなぁ~俺。あ~ちょっとそこのおっさんどいてくんない?…(間)…おいっ!聞こえてないのかよっ!」




絢「当事者は俺だぞっ?おいっ!!」

臣「そ~んなに怒鳴ったってだ~れの耳にも届かないわよ?」

絢「あぁ!?誰だお前。」

臣「あたし?あたしは『臣』そんなことよりぃ~、私とぉ~いい所に行かなぁ~い?優しくするわよ?(艶っぽく)」

絢「…(しばらく考え込む)そうだなぁ~、どこも怪我してねぇし、女の子の誘いは断れねぇな。…じゃ、行こうか?(紳士的に)」

臣「そう!じゃあ、行きましょか?【判決所】へ。」

絢「は?はん…けつ、じょ?(間抜けな声で)」

臣「はぁ~(溜息)やっぱり気がついてなかったのね、可哀想に…。」

絢「は?…え?」

臣「あなたは、今の事故で『死んだ』のよ。」

絢「んなアホな、現にこうやって俺はピンピンして…。」

臣「はい、鏡。…ね?あなたの姿、うつってないでしょ?」

絢「…う。」

臣「う?」

絢「嘘だぁ~!!こんなの、ドッキリかなんかに決まってる!おい!おっさん!ホントは聞こえてんだろっ?なぁ?」

男A「若いのに、可哀想になぁ~…。」

絢「ばばぁ!見えてんだろっ!?」

女A「スピードの出し過ぎかしら?」

絢「おいお前!どういう事だよっ!(気が動転した感じで)」

臣「だーかーらー!あなたの声は聞こえてないし、姿も見えてないって言ってるでしょ~が!(若干キレ気味で)」


救急車が来る音。


絢「…。」

臣「あ、ほらあなたの死体が。」

絢「だから死んでな…。」

絢、自分の体が運ばれるのを目のあたりにして再び動転し

絢「ちょ、待てよ!これ誰だ?って、俺だよ!!いやいや!待って!待ってくださぁ~い!!」


救急車が去っていく音。


臣「わかって頂けまして?」

絢「……なんなんだよ…。」

臣「Why?」

絢「なんなんだよこれ~~!!(雄叫び)」

臣「ま、これも【運命】ですから。さぁ、行きましょうか?『鈴木桂(すずきかつら)』さん?」

絢「…は?」


間が空いて


絢「誰?それ?」

臣「え?あなたの名前でしょ?」

絢「誰がそんなヅラみたいな名前だよっ!」

臣「え~?!だって、赤のあのバイクはあなたのでしょ?」

絢「あそこに転がってるのは俺のだけど、俺は『鈴木桂』じゃねぇ!」

臣「だってだって!」


バイクが通り過ぎる音。


臣「…うそ~!!どうしよう!車種間違えちゃったぁ~!!!(半べそで)」

絢「なぁにが『間違えちゃったぁ~』(女声)だ!ふざけんなっ!!どうしてくれんだよっ!」

臣「…はぁ、ねぇ、あなたの携帯貸してくれない?」

絢「なんでだよ。」

臣「とにかく貸しなさいよっ!取り急ぎ『閻魔大王』に連絡しないと、早く!!」

絢「(圧倒されて)わ、わかったよ、ほれ。」


携帯のプッシュ音→ダイヤル音


臣「……あ、もしもーし、閻魔ちゃん?あたしぃ~臣だけどぉ~。」

絢「閻魔ちゃんって…。」

臣「バイク事故で死ぬはずだった『鈴木桂』なんだけどぉ~、間違って他の奴が事故っちゃってぇ~、『生き返らせろ~』ってうるさくってぇ~。」

絢「いや、まだ言ってないんですけど…。」

臣「で?どうする?」

閻魔大王『……知るか、死んどけ。(怒り気味で)』

絢「はぁ?」

臣「そんな事言わないでさぁ、あたし一人じゃどうにも出来ないしぃ~、とりあえずそっち連れてくから、じゃね。」


電話を切る。


臣「さ、行くわよ、名無しさん。」

絢「おい、行くって俺は閻魔大王の所なんかいかねぇぞ!ちょっ、待って、待ってくださ~い!!!(半泣き)」


臣、瞬間移動の力を使う。



臣「さ、着いたわよ。ここが泣く子も黙る『判決所』よ。」

絢「ここってまさか、世間一般で言う『地獄』とか言う…?」

臣「そうねぇ~、そちらの世界ではそうとも言うかしら?」

絢「あぁ、やっぱり俺死んじまったんだぁ…(ガッカリして)」

臣「今更言ったって仕方ないでしょ?さ、この扉の先にいるのが『閻魔大王』よ。」


扉が重々しく開く。


臣「あそこにふんぞり返ってるのが『閻魔大王』ってわけ。」

絢「……うわぁ~、『閻魔大王』って言うからジジイかと思ってたけど、案外若いんだなぁ~。」

閻魔大王「…おい。」

臣「でっしょ~?誰もこんなに若いとは思わないわよねぇ?でも、いくつだと思う?」

閻魔大王「…お前ら」

絢「天下の『閻魔大王』だからな~、それなり年くってるんじゃねぇの?」

臣「あぁ、軽く1000歳は超えてるみたいな?」

絢「そうそう!」

閻魔大王「静かにしろっ!!」


閻魔大王が話すと同時に銃声。


絢&臣「どわぁぁ~!!」

絢「何、一般人にぶっ放してんだよ!!」

臣「てゆうか、なんで閻魔大王がチャカ持ってるかってとこに疑問持とうよ。」

閻魔大王「で?臣、お前が言っていた奴ってこいつか?」

臣「そうだけど?」

絢「はぁ~、やっとこれで生き返…。」

閻魔大王「GOtohell」

絢「はい?」

臣「死ねってさ。(明るく)」

絢「ざけんなっ!こっちは死にたくてこんな所にきたわけじゃねぇんだよ!」

閻魔大王「最近の日本人は英語も分かんねぇのか?」

側近Aハイド「日本の英語力はまだまだですからねぇ。(穏やかに)」

側近Bジキル「つうか、お前、魂と話すのいつぶり?(チャラい感じで)」

閻魔大王「知るか。」

絢「シカトしてんじゃねぇよ!」

閻魔大王「うるさい、死ね。」

側近ジキル「いや、ここにいる時点でこいつ死んでるから(半笑い)」

側近ハイド「とにかく、臣さん。現状の報告をお願いします。」

臣「あ、はい!え~っと、(名簿をめくる音)本日16時30分、バイク事故で本来他界するはずだった鈴木桂さん40歳のバイクとこいつのバイクを見間違えちゃってーこいつの本体はとりあえず意識不明の重体にしてありまぁす!」

側近ハイド「は~、それは大変でしたね~。臣さん。誰にだって間違いはありますからねぇ。」

絢「間違えて死なされた俺の身にもなってくれませんかねぇ?(怒)」

側近ジキル「で?誰だお前。」

絢「誰って、俺の名前は『明神絢(あかがみけん)』。名門明神学園の理事長の息子だよっ!」

臣「!?」


臣が持っていた名簿を落とす音。


臣「ご、ごめんなさぁい。」

絢「てゆうか、なにが悲しくて他人の身代わりで死ななきゃなんね~んだよ。ふざけんなよ。それに俺にはまだやり残した事がいっぱいあんだよ。」

側近ハイド「やり残した事、ですか?」

絢「そ、ほら俺って超イケメンじゃん?まだまだいろんな女の子と遊びたいわけだよ。それをだな~…。」

閻魔大王「そういう事か…。(何か悟ったかのように)」

絢「へ?」

閻魔大王「おい、お前。お前の名は父方のジジイが付けた名だろ?」

絢「そーだけど?それが何?」


しばらく沈黙。


閻魔大王「臣、お前本当に間違えたのか?」

臣「…………。」

絢「は?どういう事だ?」

閻魔大王「…そこにいる女、元は人間だ。」

側近ハイド「大王!!」

側近ジキル「今から150年位前か?こいつはある男と結婚を約束してたんだよ。」

側近ハイド「お前まで!これは臣さんのプライバシーに関わる…。」

閻魔大王「だが、その男はある名家のお嬢様と結婚をする事になり、こいつは捨てられたんだよ。」

絢「…。」

閻魔大王「だが、こいつの腹にはガキが出来てたんだ。」

臣「…最初は、子供と2人で生きてくって決めた。でも、あの時代じゃあ、『父なし(ててなしご)』って言われて…。非難されて耐えられずに私は…私は…。」


沈黙。


閻魔大王「で、その男って言うのがお前の先祖の『明神絢二郎(あかがみけんじろう)』って訳だ。」

絢「………。」

側近ジキル「今さっきわかった事だが、お前はその生まれ変わりらしい。」

絢「そんな、生まれ変わりなんて言われたって俺には関係…。」

側近ジキル「あるんだなぁ~。お前ら人間は1つの人生を何度もリピートしてるからな。」

絢「でも…。」

側近ジキル「なんで臣は転生せずにここにいるかって?」

側近ハイド「あなたが生まれ変わると言う事は臣さんも生まれ変わる。その意味が分かりますか?」

絢「…、また、同じ事の繰り返し、だから…。」


再び沈黙。


絢「でも、それも臣がここにいる以上繰り返さないんだろ?だったら俺を死なせる理由も無いはずだろ?だから、チャチャッと生き返してくれよ。」

側近ハイド「…少しは反省するかと思ったのですが…。」

側近ジキル「それは無いだろ。してたらもう少しマシなヤツになってるだろ。」

絢「とにかく!ここに留まる理由も無いしさっさと生き返して…。」

閻魔大王「ざけんな、面倒くせぇ。」

絢「んだと!?人が下手に出てりゃいい気になりやがって!」

側近ハイド「あれのどこが下手何でしょうか?」

側近ジキル「さぁ?」

絢「だいたいなぁ!なりふり構わず銃をぶっ放すヤツに閻魔大王なんて任せていいのかよ!」

側近ハイド「もはや八つ当たりですね。(スマイル)」

閻魔大王「臣。」

臣「は、はひ?!(突然呼ばれ声が裏返る。)」

閻魔大王「なぜこいつを連れてきた?お前の力ならあの事故をなかったことにだって出来ただろう?」

臣「そ、それは……。」

絢「は?んだよ、それ。」

臣「…ごめんなさい。本当の事を言うと絢二郎さんにそっくりな君を見ていたら体が勝手に…で、気がついたら君が事故に合ってるし、あたしパニックなっちゃって、つい、ここに連れてきちゃった。」

絢「てことは、お前の個人的な事情で俺は死んだって言うことなのか?」

側近ジキル「そうなるな。」

側近ハイド「ですね。」

絢「ならそっちの監督不行届じゃねぇか!なら今すぐに生き返らせてもらおうか!!」

閻魔大王「…………(しばらく考え込む)いや、すぐにはしない。」

絢「なんでだよっ!」

閻魔大王「俺が出す条件をお前が今日中にクリア出来たら蘇生してやる。」

絢「なんでそうなるんだよっ!」

側近ハイド「ここでは大王がルールですからねぇ。」

閻魔大王「臣の子孫を幸せにしてこい。」

絢「へ?こいつの?」

側近ジキル「なるほど、それはいい考えだな。」

絢「俺の意見はスルーですかー?」

側近ジキル「女の1人や2人すぐに幸せできるんだろ?楽勝じゃねぇ~か。それに臣の子孫だからな、きっと美人じゃないか?」

絢「…。(ジロジロ臣を見て)」

臣「な、なによ?気持ち悪い。」

絢「確かに性格はどうであれ美人である事には間違いなさそうだな。…よし!その条件さえクリアしたら生き返れるんだな?」

閻魔大王「まぁな。」

絢「ならその条件のんでやらぁ!」




場面が変わりどこかの学校の校門前。

生徒達の声が聞こえている。


絢「……、くっそ~あの野郎…俺が『やる』って言ったらすぐに下界に下ろしやがって。誰だかも分からないのにどうやって探せって言うんだよ。しかも、今の俺は霊体だから見えないんじゃねぇ~のか?」

臣「そんな事ないわよ。」

絢「うわっ!いきなり出てくんなっ!」

臣「そんなに驚かなくてもいいじゃない。いい事教えに来てあげたのにぃ~。」

絢「マジ?教えろよ。」

臣「それが人に物を頼む態度なのかしらねぇ~。」

絢「…………ごめんなさい、教えて下さい。(半ば嫌そうに)」

臣「ふふふふ(嫌がってる様を見て嬉しそうに)じゃあ、発表しまぁ~す!」

絢「…(息を呑む)」

臣「あなたが条件をクリアするまであなたの傍でサポートする事になりましたぁ~♡」

絢「…だ、誰が? 」

臣「あたしが」

絢「誰の?」

臣「あ・な・た・の」

絢「なんでだよ~~~!(絶叫)」

臣「あらぁ、そんなに喜んでくれるなんてぇ~。(照れる)」

絢「喜んでねぇ!嫌がってんだよ!」

臣「嫌よ嫌よも好きのうちって言うじゃなぁい?」

絢「……(呆れる)」

臣「さて、早速だけど私の可愛い子孫ちゃんを幸せにしてもらいましょ。」

絢「大体、どうやって幸せにしろって言うんだよ。姿見えねぇんじゃどうにも出来ないだろ。」

臣「大丈夫、姿は見えるから。」

絢「マジ?なら、心配いらな…。」

臣「(遮るように)その子にだけだけどね。」

絢「はぁ?…はぁ、で?名前と歳は?」

臣「29歳の独身で高校教師やってるみたいね。」

絢「アラサーかぁ~、ちょっと旬が過ぎちゃってるなぁ~。」

臣「女はいつだって旬なのよ!…あ、でも、1度結婚に失敗してるわね。」

絢「バツイチなん?ん~、よし、慰めるって言うのも1つの手段だな。」

臣「あ。(なにかを発見し)」


誰かが走ってくる。


絢「なんだよ、どうし……うわぁ!」


絢が走ってきた人物とぶつかる。


潔子「ご、ごめんなさい!」


走り去る音。


絢「んだよ、あの地味女。」

臣「あの子よ。」

絢「へ?」

臣「あの子が私の子孫の『仲島潔子(なかじまきよこ)』よ。」

絢「なんだって!それを早く言えよな!行くぞ!」



教室。

潔子が教卓で仕事をしている。

(なにかを作っているのかブツブツ独り言を言っている。絢&臣はそれを見ている)


絢「なんだかんだで放課後になっちまった…。よりによってあんな地味な女とはなぁ…。どうしたらいいやら…。」

臣「地味とか言わないでくれる?あたしの子孫なんだら!」

絢「なぁにが、『臣に似て美人』だ。ただの地味メガネ女じゃん。」

臣「それ偏けーん、世の女の子敵にするわよ!」

絢「んな事言ったって、あんないかにも不幸ですってオーラが出てるんじゃ誰もよって来ねぇ~じゃん。」

臣「だ~か~ら~!あんたがそれを払拭させて幸せにするんでしょ!?」

絢「でも、どうやって幸せにすりゃいいんだ?」

臣「それをあんたが考えるんでしょ?その両肩に乗ってるのは何?カボチャなの?それにどうにもならない時は私が『力』を使って助けて上げるから。」

絢「『力』ってどう言う…。」

潔子「誰?誰かそこにいるの?」

絢&臣「!?」

潔子「いるんだったら隠れてみてないで出てきなさい。」

臣「(小声で)ほら、行きなさいよっ!」

絢「ちょっと、押すなって、臣!まっ…。うわっ!」

潔子「あなた…誰?ここの生徒じゃないわよね?ら」

絢「………(しばらく考え込む)あ、あなたの『幸せ』とはなんですか!?」

潔子「はい?」

絢「だから!あんたにとっての『幸せ』とは何かって聞いてんだよ!」

潔子「なんだか知らないけど私は今のまま十分幸せよ。どの生徒の知り合いか分からないけど早く帰りなさい!」

絢「え?ちょっ、待てって!」


潔子が教室から出る。


絢「くそっ、本人は幸せだって言ってるし、どうすりゃいいんだよ…。」

臣「あ~あ、見事に惨敗だったわねぇ。(嬉しそうに)」

絢「んだよ、やけに嬉しそうだな。」

臣「そぉんな事無いわよぉ~?あんたが失敗したらあたしと同じ仕事できるからとかそんな事考えてないしぃ~。」

絢「は?んだよそれ!聞いてないぞ?」

臣「だってぇ~、絢二郎さんに捨てられて不幸のどん底のままこの世を去ってやっと生まれ変わりのあんたとってなるかと思ったら潔子を幸せにする~?不公平!」

絢「知るかぁ!とにかくだ、俺はお前なんかとは仕事したくねぇからな!」

臣「そんな事より、潔子、追いかけなくていいのかしらん?」

絢「あぁ!もう!」


絢、走り出す。


絢「ぜってぇ、俺は生き返るからなっ!」




廊下。

潔子の足音か響く。その後から絢の走る足音。


絢「おい、待てって!」


追いつくと一緒に並んで歩く足音。


潔子「……。」

絢「俺には時間がねぇんだ!あんたの願い叶えてやるから、さっさと俺の質問に答えろ!」

潔子「君もしつこいわね。」

絢「あんたにとっての『幸せ』ってなんだ?」

潔子「私にとっての幸せはあなたが一刻も早くこの場から去る事よ。」

絢「ぐ………。そ、そういう事じゃなくてだな。」


潔子、立ち止まりつられて絢も止まる。


潔子「それに、さっきも言ったけど今が1番幸せだって言ったじゃない。」

絢「その歳でバツイチじゃ、誰ももらってくれね~もんな。」

潔子「………なんで、その事をあなたが知ってるの?」

絢「あ、いや、え~っと。あんたから不幸な『オーラ』が出ててだなぁ。そうなんじゃないかなぁ~と。」

潔子「………(疑い)たとえ、そうだとしても人のプライベートな事に首を突っ込もうなんて失礼にも程があるわよ。」


潔子再び歩き出す。絢はその場に立ち止まり。


絢「…(痛いところ疲れ反論出来ず)」


水木「仲島先生、こんな所にいた!」

潔子「み、水木先生!」

絢「おお!イケメン!だけど俺には適わねぇなぁ。」

潔子「何言ってんのよ!」

絢「あれれ~?あんた顔赤いぜ?こいつに惚れてんのか?」

潔子「そ、そんな事あるわけ…。」

水木「あの、仲島先生。誰と話してるんですか?」

潔子「え?だってここに…(絢がいないことに気づき)あら?さっきまでここに…。」

水木「それより、先生。今日は他の先生方と飲みに行こうってなりまして、この後って時間ありますか?」

潔子「は、はい!」

水木「では、後で。」

潔子「……(嬉しいのか声にならない声で喜び)」

絢「やったな、潔子。他の奴と一緒とはいえあんなイケメンに誘われたら断れねぇよな?」

潔子「キャッ!?あなたどこから…。」

絢「これはチャンスだぜ、あんたの色気であのイケメンを…。」

潔子「だから私は別に先生の事なんて…。」

絢「まったまた~、強がるなって。ほら、これからなんだろ?行かないと置いてかれるぜ?」


絢、潔子の背中をぽんっと押して。


潔子「ちょっ、何す……あ、あれ?」


バランスを崩し振り返ると絢がいないことを不思議に思い。


潔子「消えたり現れたり…なんなのあの子…。」




場面が変わり居酒屋のトイレ前。


絢「店に入ってから早2時間……。」

臣「な~んにも進展ないわね。潔子ったら『私』に似て奥手なんだからぁ~。」

絢「誰に似てるって~?……しかし、このまま進展無しだと幸せになるのに何年かかるのやら…。」

臣「仕方ないじゃない、男に恐怖心があるんだもの。」

絢「そうだ!臣、お前力貸してくれるって言ったよな?」

臣「言ったけど、それがどうしたの?」

絢「あの、『水木』って言う先公操って口説き落とすってのはどうだ?」

臣「はぁ~?そんなことしたって無駄だと思うけどぉ~?」

絢「やって見なきゃ分かんねぇ~だろ!ほら、早く!!」

臣「はいは~い。(生返事をすると指を鳴らし)」


潔子達のテーブル


水木「!?………。」


水木が術にかかり


潔子「?水木、先生?どうかされました?」

水木「……、仲島先生…。」

潔子「はい?」


水木、潔子を壁ドンし


潔子「きゃっ!み、水木先生?なに…。」

水木「先生、僕とお付き合いしていただきませんか?」

潔子「え……?」

水木「だめ、ですか?」

絢「頑張れ潔子!『うん。』と言うんだ!」

潔子「………………ごめんなさいっ!」


潔子、水木を押し退けてその場から立ち去り


絢「えぇぇぇ!!なんでだよっ!」

臣「はぁ~、だから無駄って言ったのに…(溜息をつき再び指を鳴らして)」

水木「?あれ…?俺今なにしてたんだ?(なにか起きたのか分からず)」

絢「はぁ~。いやいやいや!こうなる事を予測してたじゃないか!次の作戦だ!」


場面が変わり、商店街。

潔子がとぼとぼ歩き。


男「そこ!そこのあなた!」

潔子「わ、私?」

男「今ならキャンペーン中で福引が1回引けるよ!やって行かないかい?」

潔子「いえ、私は………って、あれ?、引く気なんてないのに体が勝手に…。」

絢「作戦第2弾!【福引当てて大金GET!】纏まった金が手に入れば幸せだって思うだろ。」

臣「安直って言うか、ガキって言うかバカって言うか…。」

絢「いいから!続けろって。」

臣「…ほーい…(なにか言いたげにするも指を鳴らし)」



男「さ、引いて引いて!」


潔子、諦めてクジを引き。

しばらく回した後カランと玉が出て来て。


男「おめでとうございます!!」


男がベルをけたたましく鳴らして。


潔子「え?なに?」

男「特賞!【10万円】大当たりぃ~!」

潔子「じゅ、10万円!?(驚き)」

男「そうだよ!たった1本しかない特賞を当てたんだよ!ほら!」


男、潔子に祝儀袋を手渡し。


潔子「そ、そんな…。(困惑し)」

臣「な~んか困ってるわよ?潔子。」

絢「おっかし~なぁ~?人間金貰うと喜ぶハズなんだけどなぁ~?」

臣「はぁ~、こんやつに捨てられたと思うとなんだか情けなくなっちゃったよ。(落胆する)」

学生A「恵まれない子供達のためにー、募金をお願いしま~す。」

学生B「お願いしま~す!」


女学生達の声を聞くとそちらへ歩いていき


絢「おいおい!まさかあいつ、募金するんじゃ…。」

学生A「恵まれない子供達のために、募金をお願いします!」


潔子、募金箱にそのまま祝儀袋を入れると去っていく。


学生達『ありがとうございます!』

絢「あーぁ、入れちまったよ…。」

臣「皆がみんなあんたみたいじゃ無いってことよ!ほら!潔子追いかけるわよ!」



絢「男、金がダメなら何がいいって言うんだよ。」

臣「知らないわよ。本人にでも聞いてきたら?」

絢「それもそうだなっ!よしっ言ってくる。」

臣「…………『幸せにする。』っていう意味、分かってるのかしら絢は。」


絢「潔子!」

潔子「ま、またあなたなの?それに今呼び捨てにして…。」

絢「男もダメ、金もダメ。一体何なら『幸せ』って感じるんだよ?」

潔子「…『幸せ』なんて、私にだって分からないわよ。」

絢「え?」

潔子「あの人もそうだった、幸せにするって言いながら、別れたいって言い出して。その理由が好きな人が出来た?しかも子供が出来たとか…信じらんないっ。」

絢「そ、そうだったのか…。でも、金ならっ。」

潔子「お金だって、必要以上持っててもいい事なんて無いもの。」

絢「それじぁ、あんたは何が望みなんだよ?」

潔子「望みなんてない。私は普通に暮らしていたい。だから、君の言う【幸せ】は私には必要無いの。…さ、もう遅いから帰りなさい。親御さんが心配するわ。」

絢「…(何も言えず立ち尽くしている)」

臣「あ~あ、言いくるめられちゃったわね。さ、もう時間も無いし、覚悟決めて私と一緒に仕事…。」

絢「なんなんだよ、あいつ。」

臣「絢?どうかしたの?」

絢「ヤバい、俺、あんな芯の強い女、初めて見た。」

臣「え?ちょっとそれってもしかして…。」

絢「俺、あいつの、潔子の事…。」

臣「えぇー!?ちょっと!今の会話のどこにそんな要素が!?」

絢「そんなの『恋は突然』って言うだろ。そうと決まれば話は早い!俺、もう1回潔子の所に行ってくる!」


絢、駆け出していく


臣「………図ったわね、閻魔ちゃん(ぶすっと不貞腐れる)」




潔子(…なんで私あんな子供にあんな事…。でも、なんか気になるのよね。私の事知っている風だったし。

って、あの子どう見たって高校生よね?何考えてるの私はっ。)

絢「おい!待て!」

潔子「君、なんで…?」

絢「…あのな、俺、本当は【死んで】いるんだ。」

潔子「へ?」

絢「信じられないかもしんねぇ~けど本当なんだ。」

潔子「………あ、だから消えたり現れたり……。」

絢「でも、それは間違いで生き返してもらう為にあんたを幸せにしろって言われて付きまとってたんだ。」

潔子「だから、ずっと聞いてたのね。『あなたの幸せとはなにか?』って。」

絢「あぁ、でもあんたは俺や臣、あ、臣って言うのは俺の手伝いをしてくれたやつなんだけど、そいつの力でいろいろした。けど、あんたどれにもなびかなかった。正直、なんでだよって、これだけラッキーな事起きたらって思ったよ。」

潔子「…。」

絢「でも、あんたは自分の信念を持って生きてるんだなって思ったら、格好いいって思った。んで、俺もその中に入りたいって思った。」

潔子「…え?それってどう言う…。」

絢「俺、あんたに惚れちまったみたいだ。」

潔子「こ、子供が何言ってるのっ。」

絢「子供だから、あんたの世界に入りたいんだ。生き返るかどうか分からないけど、生き返ったら俺があんたを幸せにするから!だからっ」

潔子「……わかった。待ってる。」

絢「ホントに!?俺が生き返る保証はないんだぞ?」

潔子「大丈夫、君はちゃんと生き返るよ。」

絢「なんで、そんな事…。」

潔子「不思議なんだけどね、君は生き返って戻ってくるそんな気がするんだ。」

臣「絢!もう時間がないわよっ!」

絢「あんたを信じるぜ、潔子『先生』!」


絢の体が透けて来る。


潔子「待って!私あなたの名前まだ聞いてない!」

絢「【絢】、【明神絢】!それが俺の名前だ!忘れんなよっ!」




場面が変わり事故が起きた道路。




絢「で、どうして、こうなった?」

臣「何が?」

絢「生き返ったっていうより、俺が事故る前に、時間もどされてるょね?これ。」

臣「そうだけど?」


絢「なんで⁉︎俺と先生はこれから奇跡的な再開を果たすって設定だょね⁉︎普通‼︎」

臣「あんた、バカ⁉︎絢が勝手に事故ったせいで、回収するはずだった鈴木桂さんが事故・起こさなかったんでしょうが!」

絢「うぐっ…。」

臣「時間戻すの、当然でしょーが!」

絢「す・すいません…。」


臣「けど、絢が事故で死にかけてたからこそ、大切にしたい人に出会えたんじゃない♡」

絢「そ…そう、だよな…(照れ)」

臣「じゃ、あたし仕事もどるから、」

絢「え⁉︎いや、待て待て待て待て‼︎先生の居場所は⁉︎教えてくれないの⁉︎」

臣「何、甘えた事言ってるのよ。『自分の力で探せ』(←どす声)じゃね♡」

絢「(怯えながら)…は、はい……うぅぅぅうぅぅう(握り拳)

絶対 見つけてやるからなーーー‼︎先生ー‼︎待ってろょーーー‼︎」


側近ハイド「あ~んな事言われてますよ?」

側近ジキル「しっかし、こうなるって事予測してたんだ?」

閻魔大王「ふん。(鼻で笑う)」

側近ハイド「だけど失敗してたら臣さんの時みたいになるって思わなかったんですか?」

閻魔大王「思わん。それに子孫だけでも明神の所で幸せになってくれたらっておもっただけだ。」

側近ジキル「それ、臣の前じゃ禁句だぞ?アイツは絢を引きずり込もうとしてたんだからな。」


この後、側近達はお話か終わるまで閻魔大王に文句を言い続ける。

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