いまいちヒロインがなにか解ってないけど、記憶に残るヒロイン並べてみよう、ヒロインランキング
ヒロイン、物語のメインのポジションであり、ヒロインが魅力的かどうか、というのは作品において重要なこと。
キスで悪を退治する宇宙刑事ジャスキスというのはインパクトがありました。三十歳を越えて、この先、魔法少女としてやっていけるのかと悩むマジヨも記憶に残るヒロインです。
いろいろ見たり読んだりしてるとヒロインというのも数が多くて、これで順位をつけて紹介するのも悩む悩む。
せっかくなのでこのサイト、小説家になろう、で見た作品。その中で記憶に残った鮮烈なヒロインというのをご紹介。なんだこのヒロイン? というのが強烈で忘れられないキャラクター達。
個人の趣味の暴露で読み手を楽しませられるか? まあ、いいか、やっちゃえ。私がその言動や行動に素敵なものを感じたヒロイン達です。
あ、ちょいとネタバレ含みますので、お気をつけて下さい。ヒロインの魅力を伝えるにはこれを書いておかないと、というものがあります。
それではいってみましょうか。
第十位
佐川胡桃
作品 私の羽化する日
作者 月影 咲良 先生
佐川胡桃は120キロ級の超おデブな26歳、この時点でヒロインとしてどうなの? この胡桃ちゃんが同僚との飲み会で、己の現状がかなりヤバイと悟り……え? 今更? とにかく、かなりヤバイと気がついて、ダイエットに挑戦していく物語。
体重計とにらめっこしつつ、誘惑に負けそうになる己を叱咤して、がんばって痩せるぞ、と奮闘するヒロイン。いろいろと辛いことがありつつもポジティブにいくとこが好印象。
ダイエットについてなのだけど、続けること、持続のためのモチベーションの維持、なんていうのはダイエット以外の分野でもなるほど、と思うところが多い。視点を変えて見ることで、これまで気がつかなかったことが見えてくる。
職場の冥王を相手にストレス溜めたり、ヤケ食いしそうになったり、自分にご褒美とか、一個くらいならいいんじゃない? とか、誕生日を母に忘れられて、拗ねて外でチョコレートプレート食べてしまったりとか、いろんな誘惑や敵と戦いながらも暗くならずに元気に進む。
最後はダイエット成功して恋人もできてハッピーエンド。ちいさながんばるを応援するような、現代物の重量級ヒロイン(ダイエット前)です。
第九位
ルルリア・エンバース
作品 スタイリッシュざまぁ
作者 Aska 先生
「くくくくっ。待っていなさい、私を見下す者どもよ。このルルリアが、あなたたちを絶望の底へと導いてあげるわ。……私の清々しい『ざまぁ!』のためにねッ!!」
妹と父と母への、ざまぁ、の為に、ありとあらゆる努力を惜しまず、ひたすら家族の破滅を虎視眈々と企み、いかに世界最高のざまぁをくらわせてやるか。その執念、その信念、まさに魔王と呼ぶに相応しい。
いやぁ、家族も娘にここまで恨まれるなんて、なんて素晴らしい家族愛でしょうか。この妹というのも性格悪いのだけど、敵に回した相手が悪かった。
やがては国を揺るがす大ざまぁへと発展する。このルルリア・エンバースを敵に回してはならない。だからといって味方につけても、胃がキリキリと痛み胃薬が手放せなくなる。刺激の無い日常にはもう戻れない。
癒し系の真反対、緊迫系ヒロイン。揺るぎなきざまぁは丁寧な長期計画と汲めども尽きぬ怨念から。
第八位
奴隷少女
作品 主人「おのれこのクソ奴隷がぁ!」奴隷少女「ああ、お許し下さいご主人様!」
作者 パイルバンカー串山 先生
毎回毎回、ご主人様に怒られる可哀想なヒロイン。可哀想? やってることがイタズラレベルを遥かにオーバー。ご主人様に『ドナルド・トラ○プ大統領暗殺計画犯』と冤罪をかけるなど朝飯前。それでデルタフォースと銃撃戦して無事に生き残るご主人様ってなんなの? メッチャ強いご主人様……。
ご主人様が死ぬかもしれないようなイタズラを、てへペロ感覚でやってしまうお茶目なヒロイン。そして毎回お仕置きされます。腹パン職人にはどうやったら就職できますか? バカバカしいのに毎回命懸け、ドタバタコメディなのにその奴隷少女の過去にホロリと来るとは思わなんだ。
健気?にご主人様に一途?に仕える? そんな疑問系奴隷少女ヒロインはいかがですか?
第七位
アレクサ・バルクホルン
作品 悪役令嬢本格派
作者 猫弾正 先生
婚約破棄の現場から始まり、アレクサ・バルクホルンは冷静に状況を瞬時に判断。
「はかったな!王子!おのれい!」
騎士団長の息子の首をへし折り、宮廷魔術師の息子の胸を剣で貫き、神官長の息子を蹴り殺す。あげく泣き言を言い出した軟弱な弟まで真っ二つに。
アレクサ・バルクホルン、こいつは本格派だぜ。紛うこと無き本物の武人だぜ。
力こそ全て、立ち塞がる者、容赦せず。屍山血河を踏み越えて、王都を燃え盛る火の海へと変える。
婚約破棄をするだけの、死の覚悟はあるか? 国の民、全て死す未来を選択するだけの決意はあるか? アレクサ・バルクホルンを敵に回して戦場に立てるのか? それとも部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はできたか?
マジガチ令嬢本格派ヒロイン。
第六位
ピエレッタ(転生前はおっさんの田村)
作品 陽気なシスターが聖地を目指す~この世界は異世界であり現実の宗教・民族・国家とは関係ありません~
作者 左高例 先生
日本人のおっさんが聖女に転生しました。パンも食い放題、ワインも旨い。鳩もいけるいける。奇跡イエーイ。
放射能と原子力発電所の知識があれば、あさりよし〇お先生のマンガ『ラジオマ〇』がより深く楽しめるように。
この作品は、キリスト教の知識とソロモンの悪魔のことを知ってるとより深く楽しめます。
そしてアメリカーンな軽口でガッデムな聖女の呑気な旅は、宗教的にその、ちょっと、アレだ。でもこういうのが知識欲につながるんだよねきっと。
熱烈な聖書原理主義者には秘密だよ、僕と君の約束だ。
「インド行ってハッパ吸ってハッピーになってから聖地向かうのって駄目?」
最近じゃ立川にキリストとブッダが住んでいるんだから、こういうヒロインがいてもいいと思います。転生系聖女ヒロイン、ただし中身は軽口なオッサン。アーメンハレルヤピーナッツバター。
第五位
クリシェ=クリスタンド
作品 少女の望まぬ英雄譚
作者 ひふみしごろ 先生
頭脳明晰な麗しい少女。だけど知能が高く理解力が鋭いということは、他人の気持ちなど解らなくても問題無い。
高すぎる知性は共感なんて必要としない。論理の世界には優しさも悲しさも無意味。
一流の経営者に必要なのは頭がいいこと、そして他人の気持ちが解らないこと、なんて言われたりしますが、クリシェはそんなヒロインかもしれません。
得意なことはお料理に人殺しと戦争。
人の気持ちが解らないクリシェが周囲の人との交わりに心地好さというものを感じていく。
しかし、流れる時代は人殺しの天才を放っておいてはくれない。戦乱の時代の中、誰よりも強い小さな少女が戦場を苛烈に蹂躙する。
冷徹な論理の中では人の命もただの数のやり取り。
小説、ディアナ=デ〇ア=ディアス、を思い出させるような、頭が良すぎて凡人とは通じ難い天才少女がこの先どうなるのか。
今、続きが気になる物語です。
無双系天サイコヒロイン。
第四位
サァラ
作品 最弱獣の献身
作者 白銀トオル 先生
生まれ変わったところは森の中、大陸最強と言われる獣。だけど人間だった頃の記憶があるからか、群れの中では最弱の雑用係。
そんなトホホなサァラがある日、森の中に迷い混んだ少年と出会い物語が始まります。
少年、マジ天使。
と、深い森の中で言葉も通じないまま少年とサァラのほのぼの暮らし。人間を殺せという仲間から少年をかばい、なんとかしようとサァラが頑張ります。
優しさってこういうこと? サァラのいじらしさ暖かさが心地好い、不思議な柔らかな、二人の交流。
私も森に入ってサァラのヒモになりたい。あ、見目麗しい少年じゃ無いとダメか。
モフモフ転生系癒しヒロイン。
第三位
白い少女
作品 「「神と呼ばれ、魔王と呼ばれても」」
作者 しまもん 先生
億年を越えて人類を見続けてきた少女。長く生きた少女が見る人類への視線は、興味と愛情に溢れ、重ね過ぎた時の長さから見える物は、何か不思議な郷愁のような。
火の鳥、戦争を演じた神々たち、を思わせる壮大な世界。
何もせぬままにただ、見続ける。その隔絶した存在感は他のヒロインとは違う。
命を慈しみ、命を悲しみ、しかしその視点は人より遠く離れて、それでもそこが人間らしくも思える。
女神と呼ばれようとも、魔王と呼ばれようとも、人を見続け人を愛した。
人類の歴史は彼女を楽しませるためだけにあるのかもしれない。
超越者系ヒロイン。
第二位
トカゲ
作品 魔界食肉日和
作者 トネリコ 先生
腕を食われて、はい、ぶっしゃー。毎度血塗れ、流血量なら、なろう一位?のヒロイン、トカゲ。また服が汚れたー。
力こそ全て、強者ならなにやってもええのんじゃー、の魔界で今日もどっこい生きている。最弱だけど再生力なら魔界一。ワニが、結婚しよーぜー、と言いながら今日もトカゲの腕を食いちぎる。やっぱトカゲうめーなー結婚しよーぜー。クッソ、ワニクッソ。
毎日どこかを食べられながら、命を危機を感じつつも逞しく生きるトカゲ。弱くてもその精神の強靭さで今日もワニの求婚から生き延び逃げ延びる。
……これでラストが、あんな熱くて素敵な物語になるとは思わなんだ。
流血系鋼メンタルヒロイン。
第一位
シェラ
作品 死神を食べた少女
作者 七沢またり 先生
グルメ物ですね、はい、グルメ物です。サブタイトルも毎回シェラが食べた物が書かれてますし。
お腹が空いた。
腹ペコヒロインのシェラは美味しい食べ物が大好き。美味しいものを食べるためなら、いかなる努力も惜しみません。
皆で美味しいご飯を食べる為に、殺して殺して殺します。今日も明日も明後日も。邪魔する者に容赦はしません。
戦場を駆け抜け大鎌を振り回し、敵に恐れられ、配下に心酔され、味方には恵まれず。
それでも皆で食べるご飯は美味しくて。
ただ、お腹が空いただけ。
美味しそうなものを食べただけ。
そこから始まった死神の戦記。誰もが恐れ、後世に悪名を残した死神シェラ。
シェラの食べたものの中で一番美味しかったもの、私も食べてみたいです。
激動の時代を駆け抜けた一人の少女の物語。
無双系腹ペコヒロイン。
◇◇◇◇◇
振り返って見ると記憶に残るヒロインとは、強烈な個性があるものですね。そしてランキングを作ってみて、自分の好みというのがよく解らなくなりました。
小説のヒロインとなると細かいビジュアルよりも、在り方、生き様、名セリフが重要ポイントでしょうか?
これまで様々なジャンルで多くのヒロインが誕生しました。もはや開拓されてないジャンルが無いのでは、というくらいに。
これからの時代を考えると、あまり開拓されてないヒロイン像としては、
ミニマリストヒロイン
断捨離ヒロイン
サイレントテロリストヒロイン
などはいかがでしょうか? いえ、言っといてどう開拓すればいいのか難しいですが。
新年号の時代、どんな新しいヒロインが産まれるのか、楽しみです。
第十位 佐川胡桃
作品 私の羽化する日
作者 月影 咲良 先生
第九位 ルルリア・エンバース
作品 スタイリッシュざまぁ
作者 Aska 先生
第八位 奴隷少女
作品 主人「おのれこのクソ奴隷がぁ!」奴隷少女「ああ、お許し下さいご主人様!」
作者 パイルバンカー串山 先生
第七位 アレクサ・バルクホルン
作品 悪役令嬢本格派
作者 猫弾正 先生
第六位 ピエレッタ(転生前はおっさんの田村)
作品 陽気なシスターが聖地を目指す~この世界は異世界であり現実の宗教・民族・国家とは関係ありません~
作者 左高例 先生
第五位 クリシェ=クリスタンド
作品 少女の望まぬ英雄譚
作者 ひふみしごろ 先生
第四位 サァラ
作品 最弱獣の献身
作者 白銀トオル 先生
第三位 白い少女
作品 「「神と呼ばれ、魔王と呼ばれても」」
作者 しまもん 先生
第二位 トカゲ
作品 魔界食肉日和
作者 トネリコ 先生
第一位 シェラ
作品 死神を食べた少女
作者 七沢またり 先生