第25話もえとロベルトの天の国散策前半、騎士の雑談
昨夜の出来事は、、
もえは朝が弱いロベルトをペチペチ叩いて起こそうとした。
「ん〜アンコーラバイレット」
『何を言っているのか、わかんないけど起きてー!』
「モウ少シ寝カセテー」
『ダメー!遊びに行こーよ!街を探検するのー!』もえが叫ぶと、ブワァ〜と風が巻き上がった。
ベッドの布団がバタバタ捲れる。
「わわわ、分かった起きる!起きる!」
『おはよ!コメすてーい?』
「コジィコジィ」
『朝ご飯食べに行こ』
「あぁ顔を洗ってこよう」
〜天の国の市街地にて〜
天の国は大きな島々が空に浮いていて、そこに大きなクリスタルが幾つも刺さっているかの様だ。
街並みはごちゃごちゃしていて、建物は白や小麦色が多く、全面ガラス張りの建物も多く4〜5階建のビルが並んでいる。建物の殆どは上階に行くにつれ尖っており、それが遠目から見るとクリスタルが刺さっているかの様だった。
ワンポイントのデザインで建物には大きな花びらを型どったステンドグラスが嵌め込まれていた。
通りには何故か椰子の木が街路樹として並んでいる。
そして兎に角、人が多い。天使の羽根を生やし、ギリシャ風に衣装を身に纏った大柄な男女に、やや小柄なトルコ風の男達で溢れていた。
ガヤガヤ
もえとロベルトは通りに出ると人混みにまみれた。
『わわわっ』小さいもえは人混みに流されそうになった。
「おっと」ロベルトはもえを抱き抱えると歩き出した。
『わぁ』異国の街並みにもえが目を輝かせている。
「さぁ、カプチーノとクロワッサンの朝食でも食べに行こう」
『……』
「……」
『ねぇ、なんでロベルトはお髭付けてるの?昨日は生えて無かったよねー?』
「ダンディーだろ?」
『いや』もえはロベルトの付け髭を引っ張って取った。
「わ!コラ」
道行く人達がロベルトに気が付いた。
わぁ、ざわ、あ、おお
人々(天使達)の熱い視線がロベルトに集まった。
ザザザと人々が集まって来た。ロベルトは天の国でも有名人だった。
『キャッ』もえが驚いて小さく声をあげた。
「こうなるからね」
「ロベルト!」「ロベルト!」「ロビー!」「ロベー!」口々に喋りながらロベルトに集まってきて人集りが出来た。ロベルトがもえを降ろすと、ドンともえ
握手を求めたり、サインを求められたり……。
数十分後に解放されたロベルトともえは少々疲れ気味に歩き出した。
「あぁ、ロベルト様」天使の娘達が
「あのお姿素敵」口々に褒め称えた。
手を繋いで歩く後ろ姿に娘達は嫉妬した。
「何よ!あの子供は!?」
「止めなよ、相手は子供よ」
ヒソヒソ話していたので2人には聞こえていない。
「異国の娘がロベルト様と手を繋いでんじゃないわよ」そう聞こえない様に小声で叫ぶと
近くに落ちていた掌サイズの木の実をもえに投げ付けた。
パスッ!その時突風が吹いて椰子の木から大きな葉っぱが舞い落ちて木の実を受け止めた。
「やめなよ!」
「この!」
再び木の実を拾って投げたが、パスッ!また葉っぱに受け止められた。
「やめなって」
「え?」
3回目も同様だった。
「えぇ??」
「ど、どうなっているの??」
「まるで神のご加護あるみたいじゃ、、」
「そう言えば可愛らしいお姿ね……わ、私は何て事をしてしまっ……」
「あ、でも2人は気付いていないみたいよ」
ロベルトともえは雑談しながら通りを曲がって行った。
「あぁ、あの子は私達に天から遣わせた天使様なのね」
「不思議な子だったね」
小さな奇跡を3度見せられて2人はもえのファンになった。
〜神の社にて〜
護衛騎士と老人が話している。傍には剣を持った小姓も待機していた。
「昨日は面白かったな」老人
「は!」護衛騎士
「あの寝起きで慌てた顔は傑作だったな」
「何故、あの者は美女に寝起きとは言え囲まれて逃げたんですか?自分なら喜ぶ場面でしたが?」
「はははは。あいつは苦手なタイプの女が居てな。昔、色々あったんだが、そのタイプの女2人をベッドに潜り込ませてやったのさ」
「へぇ」小姓が相槌を打った。
「モテなさそうですもんね奴は。何があったのか気になる所です」
「おう、今度教えてやるよ」
「ははは。それにしても老人に腕を切り落とされるとは思いもしませんでした」繋がった腕の傷を撫でながら護衛騎士は言った。
「奴は筋力を施術によって上げているからな。見た目で侮ると痛い目をみるぞ」
「もう会いました」
「はははは」
「はは」小姓が苦笑いをした。
「ほれ!ワシなんて風の民との戦いでもっと怪我を追ったぞ」老人が腕を捲ると生々しい古傷が幾つも腕に付いていた。
「おぉ、それは凄い!余程の激戦だったのでしょうね」
「はっはっは!先住民共を駆逐してやったぞ!」
「国を起こす伝説の戦いですね!」小姓が興味津々だ。
「それでは交代の時間ですので名残惜しいですが私達はこれで」護衛騎士
「おう!ご苦労」
「失礼します」護衛騎士
「失礼します」小姓
パタンと扉が閉められて神の社からでてガラスの階段を降りると小姓が口を開いた。
「あなた様も先日、鉄の棒を3つ束ねた物を剣で真っ二つにしていたじゃないですか?老人の細腕など容易かったでしょう?どうして、そうしなかったのですか?」
「バカ、我らが遣える5柱神の友人だぞ。そんな事してどうする?」
「そういう事だったのですね。それにしても老人の斬撃を防いだ後に攻撃しようとしてませんでしたか?」
「あ、まぁ、そのなんだ。するつもりはなかったさ」
「ホントですか?」小姓がジトッと護衛騎士を見た。
「腕を切り落とされたのだけ誤算だったがな」
「驚いきましたよ。あんな風に戦場では腕が飛んだりするんですね。生首が飛んだりもするんですかね?」
「お前、性格悪いぞ……」
「はははは!」
〜海洋(天空)冒険4日目〜続く
ロベルトともえのデートは続く




