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第16話もえちゃんと海の友達

可愛いは正義

出会いはひょんな事から生まれる。


季節は夏。お日様は高く向日葵ひまわりに似た大きな花が空を向いている。

花ビラの部分がオレンジと濃い赤で染まっている。

出会いがありそうな季節だった。


〜神子園にて〜


イクエ先生が動物の絵が描かれている絵本をもえちゃんと読んでいる。


『この動物は何ー?』

「これは像さんね。大きくてお鼻が長いのパオーン!」

『きゃはは、パオーン!』

「パオーン!」

『この動物はー?』

「ゼブラさんね。パカラパカラ」

『パカラパカラ。白黒だね』

「模様がシマシマだからシマウマとも呼ばれているよ」

『ふ〜ん。この動物はー?』

「これはワニさんね、口が大きくてバック!て食べちゃうの。ガブリ」

両手でワニの口を再現して、もえちゃんに噛み付く。

『きゃはは、ガブリ』

今度はもえちゃんが小さい両手で先生に噛み付く

「きゃ〜、食べないで〜」

『ガブガブ』

「きゃ〜」

『この動物はー?』

「カバさんね」

『……』微妙な表情をするもえちゃん

「……」


ペラ、ページをめくる。


『お魚さんだ』

「海のページだね」

『この動物は!?』もえちゃんの声が大きくなった。

「イルカさんだね。海に住んでるんだ……」

『いーくーえセンサー!』後ろからひかる君が抱き付いてきた。

「……よ、アレ?」もえちゃんは忍者並みにドロンと消えていた。

『イクエ先生遊ぼー!』

「はいはい」


〜駅馬車のバス停にて〜


大人達に混ざって黄色い帽子を被った子供が混ざっている。


ガラガラガラガラ……ヒヒーン!ブルブル

6頭立て馬車が到着した。後ろには連結された3両の車両が連なっている。


次々と乗り込んでいく乗客達。

最後尾の車両から降りて来た車掌が乗客を迎えた。


「こんにちは、もえちゃん」

『こんにちは』

車掌がもえちゃんの両脇を持ち上げて座席に座らせた。

馬車には窓は無く遊園地にある汽車の乗り物に似ている。


車掌が車両の左側を見て指先確認、右側を見て指先確認、最後に車両の下を確認した。

「出発進行!」運転手の馭者に合図した。

「はいやっ!」手綱を上下に動かすと馬が歩き出した。


ガラガラガラガラ……


〜浜辺にて〜


ザザ〜、ザザ〜。


サクッサクッ、砂浜を歩くと少し沈み込む。


『イルカ〜。イルカ〜。イルカさーん』もえちゃんが歌いながら歩いている。


ザザ〜、ザザ〜。


白い髭を蓄えた麦藁帽子むぎわらぼうしの老人が釣竿を構えて座っている。

「おや?お嬢さんどうしたのかね?」

『おじちゃん、イルカさん探しに来たの。居ないー?』

「この辺には居ないんじゃないかな。ここは外海と繋がっていないし」

『ふ〜ん、他さがしてみるー』首を傾げる姿が可愛らしい。

「気を付けてな」

『は〜い』


〜街中にて〜


『イルカ〜。イルカ。イルイルさーん』もえちゃんが歌いながら街中を探し歩いている。

小川のそば花壇の中、銅像の裏側、レストランのテーブルの下、お店の裏側、バケツを開けてみるが居ない。


脇道に入って何処をどう通ったのだろうか?

一本の樹のかげに直径1mぐらいの丸い穴が空いている。


何かの絵本で読んだ物語が頭の中でもやもやした。

『この中に居そうな気がする』


スポッ!


「ん?」偶然、通り掛かったロベルトが子供が排水溝に入ったのを目撃した。


〜トンネル内にて〜


シャ〜〜〜


シャ〜〜


トンネルの中はウォータースライダーみたいだ。

右の左に曲がっている。


〜地上にて〜


ロベルトの前に空中でキラキラした小さい光がきらめいている。

そこに行くとまた違う場所が光り出した。

まるで案内するかのように導かれていく。


〜トンネル内にて〜


シャ〜


シャー、シャ〜。


光がパッと見えて出口から出た。ボスン!


「ギュ!?」


お尻に弾力のある柔らかい感触がした。

ピンク色の物体がお尻の下にある。


網が掛かっていたので網を掴んで降りた。


ポスポス。手で叩くとブルンと動いた。なにこれ??


「キュ〜」


音のする方に回ってみるとイルカの顔が見えた。


『あなたイルカさん?』

「キュー」

『可愛い!』

「キュ〜」

『でも絵本と色が違うね?イルカさんじゃないの?』

「キュキュ!」

『イルカさんなのね、わーい』イルカのくちばしに両手で触れた。

「キュ〜」悲しそうな声で鳴いた。

『イルカさん絡まっているのね。取ってあげる』

「キュ〜……」


バチャバチャ、イルカが僅かに身体をくねらす。


『うんしょ!うんしょ!』

チリンチリン、網を動かそうとすると網に付いている鈴が鳴った。


ガヤガヤと3人組が現れた。

1人は天使で部下2人は狐顔だった。

天使は背中に小さい羽根が生えた大柄の肥えた白人。狐顔の2人は普通の体格で茶色い髪だった。


「そこで何をしている、俺達の獲物だぞ!」デブ天使がもえちゃんを咎めてきた。

「子供に声を荒げるな」岩の陰から息を切らしながらロベルトが現れた。

「なんだ貴様は!ギギ!」狐顔がロベルトに突っ掛かる。

「此処での密漁は禁止だ」ロベルト

「知った事か!やっちまえ!」


「ギ!」狐顔がロベルトに殴り掛かるものの、腕を払い空気投げ。ドシッ!

「ギギ」持っていたハンマーで頭上殴り掛かってきたが左手で止め、背負い投げ。ドシン!


デブ天使が周り込んでいる。

もえちゃんに手を伸ばしているのが見えた。


ビューーー!

その瞬間に突風が吹いてきて流木がデブ天使の頭を直撃した。ガン!

「ぐわっ!なんだ!?」

それでも耐久力があるのか怯まない。

もえちゃんはジトッとした表情でデブ天使を見ている。

ビュー!ガン!

ビューー!ガン!

次々に流木が飛んで来て命中した。

クラクラ〜、バシン!

トドメはイルカの尾ヒレで叩いてデブ天使は気絶した。


ロベルトは溜め息をついた。


胸ポケットから万年筆を取り出すとスラスラと空中に文字を書き出した。

万年筆の一部を回して、お尻を押すと、空中に書かれた文字はふわりと飛んで行った。


『何したのー?』

縄を外していたから見られていないかと思っていたが油断したな。

「これは遠くの人と連絡が出来る魔法道具だよ。警備隊に応援を呼んだもうすぐ来るよ」

『ふ〜ん』


チリン!イルカが歯に鈴を引っ掛けている。


「キュ〜、キュ〜」

『な〜に?くれるの?』

「イルカは綺麗な音が好きだから、密漁犯その鈴で誘き寄せたんだろう」

『ありがとー』鈴を受け取った。

「キュイ」

「その鈴を鳴らしたら会えるかもね」

『わ〜い、やったぁ』


ザザ〜ン、ザザ〜、波の音が響いている。

キラキラ輝く海が眩しかった。


海の奥でパシャと小さく跳ねるイルカを見た。



〜今朝のもえの家にて〜

「今日は私仕事だからもえのお迎えお願いね」もえ母

「あぁ分かった」もえ父

「2時半に神子園に行ってね」もえ母

「りょ!りょ!(まだ時間があるから一杯やりに行くか)」もえ父


〜夕方ももえの家にて〜

「ただいま〜。疲れたー」

『お帰りママ』

「お父さんは?」

『知らなーい』

「また酒場かしら?まぁお迎えしてくれたから今日は良いかな」

(お母さんにはお父さんが迎えに来ていないのは黙っておこう)にっこり笑った。


〜神子園にて〜


先生達が戸締りをしている。

「ふ〜。今日も終わり。子供達も全員帰ったし」

「お疲れ様」

「お疲れ様ー」

先生達は全く気が付いていなかった、もえちゃんの冒険に。


〜もえちゃんのペット育成日記2日目終了〜イルカ編

魔法のペンが欲しいものだ。

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