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第14話スポーツの普及

娯楽と言えば

現実世界のテレビでサッカーの試合を観た後にMUSOUを飲んで異世界にダイブした。


今日も晴れている。最近ずっと快晴だな。


それにしてもこの異世界には娯楽が少な過ぎる。

テレビも無ければ本屋も殆ど無い。外国人御用達のPUBみたいなお酒を飲む店はあるが

健全なスポーツ施設が1つも無いな。


サッカーならボール1つと適当なゴールだけで出来る。

今日はサッカーコートになりそうな空き地を探しに行ってみるか。

以前、学生に成ろうとして雀街91番地に行ったけど、あの辺りに広めの空き地があったのを思い出した。

雀街に行くにはゴブリンが出る道を行かないといけないのがネックだ。

正直、気が重い。またゴブリン共に絡まれるんじゃあないか?


刀と棍棒だと少々相性が悪いかもしれない。

ダメージを受けるなら武具屋に寄ってみるか。


〜武具屋にて〜


カラン


扉を開けると音がした。


「いらっしゃい」店員

『久しぶり。あれ、音が出るやつ付けたの?』仙

「何しに来たの?」

『何だ、冷たいじゃないか〜。俺とあんたの仲だろ?』

「タダの客と店員の仲ね。買うの買わないの?冷やかしはお断りだよ」

『ヒュ〜!ヒュ〜!』

「……」

『すまん。実は防具を買いたくてね』

「鉄の鎧と兜は売っちゃったよ。次は来週まで待ってね」

『実はゴブリンに絡まれそうで不安なんだ』

「え?、、、ま、まぁ奴等はそれ程強くないから大丈夫さ」

『そうなのか?でも絡まれたら怖いじゃないか』

「そうか、じゃあとっておきの防具をだしてやろう」

『いいのか?』

「あぁ、俺とアンタの仲じゃないか」

そう言うと奥に引っ込んだ。店内を見渡すと大して変わってないな。

『はい?』さっきと言ってる事が逆じゃないか。


ガサゴソ、暫くすると店員が軽々しく大きい箱を持って来た。

中から出てきた鎧はヤケに軽かった。

『ほぅ』

「これは職人が技術を集結した一品だ。ラーステカという物質が使われている」

『ラーステカ?聞いた事が無いが凄そうだ』

「最高のボーダーなんちゃらにも使われていると説明を受けたけど最高のボーダーの意味が分からん」

『よく分からんがそれをくれ。金なら先日の猪討伐のお金が在るから』

「お買い上げ有難う御座いますー!お客様!この場でご装着なさいますか?」

『おい、態度が激変したぞ』

「金持ってたら上客、無ければゴミだ。俺にとってアンタはそんな相手さ」

『おいおい、酷い言い草だな。そこに友情は無いのか』

「無いね。幾ら親しくなろうとも大人に成ってから出来た友達なんて、ある程度信用しても良いが、完全に100%は信用出来ないじゃないか」

『むぅ』

「[真の友情]ってのはね、子供の頃に築くものさ。子供の時に出来た友達は裏切らないからな」

『一理あるな』


バサッ。鎧を店員に手伝ってもらい着てみた。

大きな鏡の前に老騎士が現れた。

ロベルトの格好良さには勝てないが俺もイケてるんじゃないか?顔がにやける。


「1782万Lまんリラになります」

『え?け、結構するな、、まぁ買えるけど』

値札を確認すると確かにL1782,0000と表記されていた。

「身を守るものだからな。イイの着ないとな」

『今迄着ていた皮の鎧は?』

「動き易さはあるけど、正直心許無いね」

『そうか、、』

「今なら1784万Lまんリラのところ、お買い得、2000万Lまんリラで良いよ」

『おい!』ツッコミを入れる。

「じゃあ1784万Lまんリラで良いよ」


金貨で178枚、銀貨で4枚

1784万Lまんリラを支払って店を出た瞬間、ハッと気が付いた。

(2万Lまんリラ多くね?)

カラン!

『おい!2万多い!』

カウンターの上には銀貨が2枚=2万Lまんリラが残されていた。

「だから言ったでしょ。大人は100%は信用出来ないって。はははっ」

お釣りを受け取りながら『やめてくれよ、そ〜ゆうのは』と言った。


最初っから返す気だったのはカウンターに用意されていた事から判った。

取り敢えず店員はある程度は信用出来るらしい。


〜噴水前広場にて〜


屋台に新メニューが追加されていた。

チーズを揚げた食べ物らしい。

でも興味が無いのでいつも通りケバブもどきを買った。

チーズと揚げ物の組み合わせは老体には重い。


階段を登って建物の間の小道を進むと雑木林に出た。


案の定、ゴブリンの団体がお待ちだ。

前回よりゴブリン化が進んでいるみたいで、肌の色が明るい緑色に近くなっていた。


10匹程のゴブリンの中に全身、鉄の装備で固めたゴブリンが居た。

他のゴブリンよりも強そうだ。

雑魚ゴブリンの1匹が近付いて来て

「何処に行くの?仕事?学校関係者?」と聞いてきたがシカトした。


スタスタスタ、、なるべく無視して進む事にした。


「ま、待て」

「ちょっと待ちなさいよ」


スタスタスタ、、


「おいデカブツ、止めろ!」

一回り大きいゴブリンが立ちはだかった。

緑色の肌に黒い入墨が入っていた。

「グガガ、学問等ばせナイ」


ゴブリン達の武器は棍棒や石の斧から鉄の斧にグレードアップした者、皮の鎧から鉄の鎧にしている者、鉄の兜を被って守備力を上げた者など明らかに強くなっていた。


(店員め、売る相手を選べよな)少々怒りを覚えた。


デカゴブリンが鉄の斧を振り上げた。

だが随分とゆっくり動いている気がした。


巨大生物との戦闘が多かったので全然怖くないし、左に半歩擦れるだけで躱せた。

右では無く左に避けるのは、相手が右手で攻撃してきた場合、右に避けるとそのまま追撃される可能性があるからだ。


グシャ!地面の石畳が幾つか砕けた。


いきなり殴り掛かるとは尋常では無い。警備隊は何をしているんだ!?

これはもう正当防衛だよなと思いつつも

『危ない。何するんだ!』と文句を言ったが聞く耳持たなかった。


ゴブリン数匹に背後に回られた。退路を断たれた。


後ろから棍棒で殴り掛かる気配がしたが、敢えて一発は鎧で受けた。

「グガー!」

ガシャン!痛くは無かったが衝撃が凄かった。ズシリときた。


バシッ!後ろ足で棍棒ゴブリンを蹴飛ばした。ドシャー!


『先に手を出したのはそっちだからな』

「グガ、止まれと言ったのに聞かないからいけないのよ」


前のゴブリンが鉄の斧で再び殴り掛かってきたので躱しながら抜刀した。

刀の重さが纏わりつく。ゴブリンの右腕目掛けて刀を振り下ろした。


バッ!


右腕はコトリと落ちてゴブリンは悲鳴をあげた「うぎゃあああ!!」

腕が地面に落ちた音は小さかったがゴトリと音に嫌な重みがあった。

「ヒィィイ!なんて酷い事をするの!?ひとでなし!!」おばさんゴブリンが叫ぶ


奥から強そうな全身鉄装備のゴブリンが出てきた。

片手で鉄の斧を肩に担いでいる。余裕がありそうだ。


だが所詮、スピードと切れ味を高めた装備の敵では無かった。

素早く間合いを詰めると、鉄の兜目掛けて左上から渾身の力で斬り付けた。ガシュ!

飛び散る鮮血。「が!?」と一言発すると絶命した。ズズン!


わー!!それを見ていたゴブリン達は蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。

『ふん、雑魚め』とか言ってみる。


精神が安定しない。心臓の鼓動が高いままだ。

(あいつらが悪い、ゴブリン共が悪い)と繰り返し念じて精神統一を計った。


辺りは鮮血と踏み荒らされた後、ゴブリン達の残留物が散らばっている。

残されたゴブリンの死体の存在感が大きい。

手が震えている。懐から懐紙を出して刀を拭いて鞘に収めた。これしきで動揺するのが情けない。


気を取り直して道を進むと雑木林の中に白くて大きい犬が背中を向けていた。舌を出してハッハッ言っている。

尻尾をフリフリしているのに癒された。


雀街に到着した。


早速、空き地を確認。十分な広さがある。土のグラウンドだ。

「こんにちは」サトキチ君が声を掛けてきた。

『あ、いい所に。皆を集めてくれ。スポーツを普及させようと思う』

「すポーツ?甘いお菓子ですか?」

『それはスウィーツ!違う違う、運動であり、遊びであり、真剣勝負であり、知的遊戯であり、技術であったりするものを競い合うもので』

「そんなのあるの!?」

『皆でやれば楽しいぞ』

「分かりました。人を集めてきます」


足で線を描いて簡単にサッカーのコートを描いた。

大外の線、タッチラインとゴールライン。

ペナルティーエリア、ゴールエリア、それを二ヶ所。

センターサークルまで描いた。皆を待った。

ガヤガヤ。新しい事に好奇心旺盛の街の人達が集まったので、ルールを説明し、今日は心ゆくまでサッカーもどきを楽しんだ。初心者にありがちなふざけてラグビーしだす場面もあったが、気持ちが良い汗を掻けた。

モヤモヤしている時はスポーツに限る。スッキリ出来るからな。


異世界の家に帰り風呂に入って、ベッドに潜り込むと程良い疲れから深い眠りに就いた、若干の不安を抱えながら。


〜14日目終了〜


次話は魔法学について。

ひかる君が活躍(?)します。

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