表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/30

第1話異世界

初めて小説を執筆します。

読み辛い箇所もあるかと思いますがお目溢しください。

前編と後編の二部作にしたいと思っています。

前編の謎は後編で解き明かされます。

謎解きも楽しんでください。

末永いお付き合いをよろしくお願いします。


処女作

[夢は叶わないらしい]

そう気付かされたのは30代も半ばに掛かった頃だった。

多くの子供達と同じようにスポーツ選手に成りたかった。

中学生の頃、プロの試合を観て『アレなら俺にも成れるな』と思いあがっていた。

高校に入り部活漬けの毎日だった。確かに実力は付いた。

だがプロに成るには人脈が必要だった。つまりコネだ。

実力と人脈、俺は片方しか努力していなかった。


夢破れ、今は肉体労働に汗を流す日々だ。


この日も労働に勤しんで帰宅した。

玄関で鞄を降ろし安全靴を脱いでいると、クラッと目眩がして視界が狭くなった。


『あ、コレはヤバイな』


現世に留まる気力も体力も残されていなかった。

そのまま気が遠のく……。

身体が浮き上がる感覚を覚えた。

何か光の玉がこちらをジッと視ている様だ。


気が付くと知らない部屋に居た。

見知らぬ天井。シンプルだが悪くないデザインの部屋だ。

顔に手を当てると白い髭に触れた。

起き上がって近くの姿見の鏡を見ると老人の姿がそこなはあった。

顎髭の長い老人に成っていた。

まるで、おとぎ話の魔法使いか神様の様だ。


どうやら過労で死んで転生したらしい。

辺りを見回すと幾つか石板が置かれている。


石版には文字が彫られている。


何々?『歴史は繰り返す』

『未来人は現在に影響できないが、過去人は現代に影響がある』

??不思議だ読める。


日本語なのか脳内で勝手に翻訳されているのか??


他にも『事実は小説よりも崎なり』だと

ん?「き」は奇妙とか奇跡とかの「奇」じゃないのか??


まぁ、どれも大した事は書いてないな。


部屋にある出窓を開いてみると、そこには異世界が広がっていた。


七色の虹色の空と何か緑色の物体が浮かんでいる。

驚いて家を飛び出した。


空ははっきりした虹色では無いが優しげな光だ。

周りにはマリモの大きいのが幾つも浮いている。

家の周りは地面が無く、どうやら家の周りの土地だけ浮いている様だ。


鼻腔にめいいっぱい空気を吸い込んで深呼吸をした。

気候がカラッとしていて気持ちが良い。


ここは何処だろう?


ふと見ると下へ降りるガラスの階段がある。

少し躊躇したが埒があかないので恐る恐る降りてみる決意をした。

近くに落ちていた木の棒を拾って軽く階段を叩きながら降りた。


古くて傾いた台形の門を潜るとそこは西洋の街並みが広がっていた。

まるで中世に来たかの様だ。装飾品のデザインが素敵で優雅な街並み、

排ガス等無い澄んだ空気、最高だな。


人の姿もチラホラ見掛ける。服装も中世だな。

至る所に噴水を見掛ける。その水は飲めるらしく瓶に水を容れている人も居た。

大通りに出た。


「あ、神さまだ!」


いきなり声を掛けられたかと思うと若い男がいきなり土下座して崇めてきた。

周りの男達もそれに倣って土下座。満面の笑顔だ。

遠くの方で女性達が呆れた様な表情をしている。


急に取り囲まれて

「何処から来たの?」

「魔法は使えるの?」

「何してるの?」

と矢継ぎ早に質問責めにあった。


『に、日本から』仙

ドッ!爆笑が起こった。


「ま、魔法は使えるの?」

『使えない』仙

ドッ!またも爆笑。


「年齢は?」

『30代半ばぐらいかな』仙

ドッ!


何を言っても爆笑する人達だな。


「何処に行くの?」

『何処に行こうかな?決めてない』仙

わっしょい!わっしょい!

皆に担ぎ上げられて強引に酒場まで連れて行かれた。


店員に挨拶された「今晩は」

辺りはすっかり暗くなっていた。


キョロキョロしていると

店員「忘れ物ですか?」

『そうではないんですが何か見た事があるお店で」

ブフッ!店員が噴き出した。お前も笑うんか。

「立ち飲みバー[モッツォ]へようこそ」店員


連れて来た男達が奢ってくれるみたいだ。

透明なサイダーの様なシュワシュワした飲み物が

ビールグラスに注がれて出てきた。

喉は乾いていないので手を付けず、おつまみの豆類をポリポリ食べた。美味いな。

少し空腹が満たされると、しっかりした食事が食べたくなった。


『お肉は無いの?』と聞いてみた。

「あ〜、あるにはあるけど食べてみるかい?」


注文してくれた。

五分後、出てきたお肉は何故かゼリー状のブヨブヨした肉もどきだった。

フォークに刺して一口食べる。不味い。うぇ。

ドッ!「ははは!食えたもんじゃないだろう」


どうやらこの世界でのお肉は超不味いらしい。


「城壁の外には新鮮な肉があるんだけどな、、、」

何やら意味有り気の事を口にした。


「何だ何だ!呑んでないじゃないか、代わりに呑んでやるよ」

横から知らないマッチョな男が奢って貰ったサイダーっぽい飲み物を一気に飲んだ。


「か〜!うめぇ。喉ごしが堪らん!」

どうやら透明なだけでビールだったのか。勿体無い事をしたな。


元居た世界とはだいぶ違うらしい。


周りの男達は身長は低いけど筋肉隆々でいかつい。話を聞いたら、

この世界は娯楽が少ないらしく暇さえあれば筋トレしているらしい。


よく見ると目を患っている人も多い。

原因はよく判らないそうだ。

しかし、ここの住民達は根っから明るい。


下を向いて哀しそうに歩いている人の多い現代日本とは大違いだ。

少し、しんみりしてしまうな。


ふと隣りの会話が聞こえた。

「あ“〜ウチのひかるとオタクのもえちゃんを結婚させよう!」

だいぶ酔っているな。

「おぉ”ー。ウチの子と同い年でお似合いダ◯×%*〜」

こっちもか。


酔った勢いで勝手に婚約させられた当事者の子供達は堪らないな。


ふと横を見ると奢ってくれた男がドレスを着た女性をジッと見ている。

胸元が開いたドレスで男は女性の胸を凝視していた。


男はジェスチャーで巨乳を作ってみせた。

おっぱい大好きか。


俺はスレンダーな方が好みなんだがな。

そう言えばここの女性店員はスレンダーな方が多い。


ここの女性達は容姿を男にジロジロ見られても余り気にしていない様子だ。

欧米の女性は気にしない傾向にあるから街や人柄も欧州に近いのかな。


一通り騒いで盛り上がって解散になった。

「ありがとう、楽しかったよ」

お礼を言ってお店を出た。


人懐っこい人達に自分が受け容れられたと思った。充実感があった。

家の柔らかいランプが並ぶ通りを家へ向かった。


来る時には気が付かなかったが、煉瓦造りの城壁が街中にあった。

おそらくこの街を囲うようにも城壁があるのだろう。


台形の門を潜り、ガラスの階段を登り、家のベッドに倒れ込む。

あ、杖を忘れてきたな。まぁいいか。


俺は深い眠りについた。


〜1日目終了〜


次の話は不思議な幼女が登場します。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ