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四色の勇者  作者: ざこきゃら
1/1

第1話 「ロッソの村」

中学時代の下校中、毎日妄想してた異世界の物語


それを小説らしく改変してみました

ここは辺境の、山の麓にある小さな村、ロッソ。

住民はわずか十数世帯で100人にも満たない。

山を管理する林業、近くを流れる急流での漁業で細々と暮らす。


畑も少しあるが、麓、というよりも中腹といった位置で土地が狭く、野菜などは隣町(そこそこ遠い)まで細い山道を通りつつ買いに行く。


代わりに肉や木の実なんかは山でとれるので、質のいい毛皮なども持っていき、取引をして稼いでいる。





「なあ〜隊長、もう疲れたぁ〜」


そう言って、へたり込む男の子


「だから隊長じゃなく師匠と呼べって言ったろ!」


そんな肩書きを気にするのは、背が高く、体格のいい短髪の男。


「ハイハイししょー。今日はもう薪は十分だろ?」


少年の手元には小ぶりの斧

その横には短めの薪がいくつか積まれている


「駄々をこねるなって。この前お前が火事にしかけたせいで備蓄が無いんだぞ?急に出かける用事が出来たらどうする」


「だって疲れたんだもん」


顔をそむけてふてくされる少年。


「あーもう分かったから、お前は夕飯の支度を...」


大柄な男が「やれやれ」と言った様子でそう言いかけた時



「 ーッ!! 」


遠くから叫び声のようなものが聞こえる


「!! 今っ!」


少年はパッと男の方を向く


「シッ、お前も聞こえたか?」


男は声の方を見ながら確認をとる


「うん、多分エナさん家の方だよね?」


「カイ!先に行って状況を把握しておけッ!俺もすぐ追いかける」


「わかったっ!」


カイと呼ばれた少年は、声の聞こえた方へと走っていく。


「まったく、まだ元気あるじゃねえか」


大柄の「師匠」は、そう頭を掻きながら言ったのち、急いで家から少年の身長をゆうに越すほどの大剣を担ぎ出した。


そして師匠も、その体格からは想像もつかない程軽やかに走って行った。





少年が駆けつけると、そこには一匹の大きな熊と、剣を構える2人の男、そして倒れこむ少女がいた。


「カンのおっちゃん!エナさん大丈夫!?」


カイが走りながら叫ぶ


「カイか!エナは擦り傷だが、この熊、『魔障』だ!サンドラはまだかッ!!」


今は互いに威嚇し合う状態だが、いつ襲いかかってきてもおかしくない。


熊の方は、男達の身長を軽く超え、倍近くある。


『魔障』以前に、男達のもつ剣一本じゃ熊相手にはとても戦えない。


「カイッ!!状況はッ!!」


サンドラという名前の師匠が追いついてきた。

とはいえまだ熊の元へは10秒以上はかかる。


「師匠ッ!魔障のクマだ!おれが気を引くから急いでくれッ」


「分かったッ!!気をつけろよッ!!」


少年は熊の裏へ素早く回り込み、小石を投げつける


「オイ!こっち来やがれ!」


熊が少し振り向きかけたところで顔面へ追撃の小石。


グォォオオオオッ!!


巨大な熊は両手を挙げて威嚇したのち、すぐに少年めがけて走ってくる


「やっべっ、あいつクソ速えっ」


少年は巨体の熊の予想外のスピードに焦りつつも、師匠の居る方向へと誘導する。



そして



「師匠ッ!頼んだ!」


まだ少し距離はあるものの、少年は勢いよく横っ飛びをし家の影へ隠れる


ズザザザッ...


地響きを鳴らしながら、巨大な熊もブレーキをかける

そして少年の方へと向いた瞬間


「おぅらッ!!!」


ブォンッと轟音を立てながら大剣を振り下ろす


ドズン、とカイの体が浮く程の衝撃と共に熊は突っ伏し、そして肩の位置からスッパリと叩き斬られた。



「カイ!もっと離れてろッ!」


そう叫んだのち、頭に目掛けて再度大剣を振り下ろすサンドラ。


熊の頭は、鈍い音を立てながら真っ二つになった。





「大丈夫か?カイ」


ズン、と地面に大剣を突き立て、サンドラが聞く


「おう。ちょっとビビったけど」


カイは笑って返す


「ただでさえ『魔障』なんて久し振りなのにこのサイズだからな。頭潰すの忘れるところだった」


ハハッとサンドラも笑い返す



「おい、大丈夫か?カイは」


さっきの男達のうち、1人が追いかけてきた。


「おうっ。平気だぜ!コニじいちゃん!」


そう呼ばれたのは白髪でシワもあるものの、とてもさっきの「エナ」の祖父とは思えない程若々しい男。

カンとどことなく似ている


「ハハハッそれは良かった。にしてもコイツはでけぇなあ。片付けるのが大変だなあ!」


ガハハと笑いながら、サンドラの肩を軽く叩く


「いやあほんとに。こんなところで頭かち割ったせいでもうグチャグチャで」


サンドラは少し申し訳なさそうに頭をかく


「なあに、倒して貰っただけで充分だってえの」



サンドラはこの村でただ1人の戦士だ。

昔はもうちょっと人も居て、他にも戦士が居たらしい。


元々山に囲まれているのもあって、時々野生動物にも襲われる事はあるが、それくらいなら他の男達でも十分に対処できる。


しかしたまに出る熊や、『魔障』と呼ばれる、濃い魔力を蓄え、暴走した動物達に関しては例えウサギであっても、対処は厳しくなる。


サンドラは6年前にこの村に来てからずっと1人で村を護っているのだ。




「おいジイさん!聖水持って来てくれ」


カンがエナを背負って歩いてきた


「分かった分かった」


コニは家へ入っていった



「エナちゃん怪我したんですか?大丈夫ですか?」


サンドラが心配そうに聞く


「大丈夫大丈夫!吹っ飛ばされはしたけどかすり傷よ!」


背負われたエナは笑ってグーサインを出す


「良かった、流石はメイダル家だ」


「ほんと今日ほどこの家に生まれて良かったと思った日は無いね!」


「全く、そこまで言うんなら無傷で帰ってこいって...あイテッ」


コツン、と頬を膨らませカンの頭を叩くエナ


「カイくんもありがとねっ!助かった!」


「お、おう」


エナの活発な笑顔に、頬を赤らめるカイ


「おぉ〜?なにいっちょまえに照れてんだお前は」


「やーめーろーよー!」


サンドラはからかいながらカイの頭をわしゃわしゃと撫でる



「ホレ、聖水持ってきたぞ」


コニじいさんが家から出てきた


手には小瓶を持っている


「どこやられたんだぃ?」


「このお腹の横んとこ。浅いけど3本線が残っちゃってるでしょ?」


エナが服をまくって指し示す


カイは顔を赤くし顔をそらす



「あー、こりゃ跡残っちまうかもなあ」


そう言いながら傷口に聖水をかけていく


「ーっ!」


しみるのか声にならない声を出すエナ


「湿布と包帯ももってこねえとな」


そう言って家に戻るコニ


(ここでの湿布は、布に薬草などの絞り汁を染み込ませた布のこと)


「あそうだ」


コニが家の手前で振り向く


「聖水それで最後だったからよ、また明日町に降りねえとな」


「剣いくつ仕上がってたっけなあ、オヤジ」


「この前売ったばかりだからな、まだショートソード1本、ロングソード2本だけだな」


「んじゃ今夜中にもう1本仕上げるとするか」




『魔障』になった獣に付けられた傷は、治りがとても遅くなり、その上膿みやすい。


「聖水」は、『魔障気』を弱める効果のある水で、『魔障』自体にはあまり効かないものの、傷口に残った『魔障気』くらいなら打ち消す事ができる。




「あ、そういえばカイくん今日で10歳よね?みんなでクマ鍋にしない?」


「ん、そうだな。今日は《スピリッツフルムーン》だし、このクマは解体して村のみんなで食っちまうか」


エナの提案に、サンドラも賛成する。


「オイ!エナ!お前は先にこっちにこい!湿布貼るぞ」


「え゛ー?あれ臭いんだもん」


「跡が残るのとどっちがいい!?」


そういってカンはエナを担いでいった



「となるとこのクマは俺たちで捌かないとな」


「え゛っ!?」







「カイ、心臓と肝臓はローナさんとこに持ってってくれ」


「いや゛ぁ゛〜、むり゛ぃ゛〜」


「全くお前は...」


「おうサンドラ、俺の自慢の包丁貸してやる、これで捌いてくれ」


「ありがとうございます。あ、内臓持っていってくれます?ウチのはビビっちゃって」


「なんだぁ?カイ、お前こんなのが怖えのか?」


「怖いんじゃなくてむりなんだよ!って近づけんな!」


「ガッハッハ!情けねえ奴だな!」




「クマの心臓うめぇっ!」


「お前さっきまでは嫌がってたくせになぁ〜?」


「料理しちゃえばべつモンなの!」





夜。

空には淡く赤、黄、青、緑などと色を変えながら光る大きな月が浮かんでいる。


「なあ、隊長が加護受けた時ってどんなだった?」


2段ベッドの上、窓から月を眺めながらカイが聞く


「んー、ぐっすり寝てたからなあ」


眠そうに返すサンドラ


「そうじゃなくてその後でいいからさ」


「ん〜、俺のは...ぁ〜...力だからな、あんまり実感無かったな。精霊憑きでも無かったし」


「ふーん」


「いいから寝ておけ、加護を受けたって明日も薪割りなのは変わらねーぞ」


「...へーい」






10歳を迎える時。

いや、正確には、10度目の《スピリットフルムーン》を迎えた夜、月が頂点に達した時に、人は《精霊の加護》を受ける。


それにより様々な恩恵、能力を得られ、サンドラは力、メイダル家の人間は、代々鋼の加護を受けている。

エナが『魔障』の熊に腹を爪で引っかかれたにもかかわらず、軽傷で済んだのは、鋼の加護の力により、体を鋼鉄に変化させる事が出来たからだ。

(もちろんカン、コニ共に出来るが、鍛治にしか興味が無い為、基本的に『魔障』に対して有効打が無い。いい剣は作れるが、剣の腕自体は素人よりちょっと上手い程度だ)


《精霊憑き》というのは、精霊が直接宿った場合の事であり、それによって能力が強くなることは無いものの、思念アイテムを得られる。

それにそもそも《精霊憑き》になるのは精霊との相性が良い場合であり、大抵は能力のポテンシャルも高い人がなるので、《精霊憑き》はそれだけで上位の者とされる。






ー 夢を、見た ー


月から4本の線が伸び、それが自分へと向かってくる


隕石とか、そういう危険なものではなく、むしろ安心感さえある


ー これは ー






起きろ



そう聞こえた気がする


起きてもすぐ薪割りになるんだろ?


もうちょっと寝たふりをしていよう



起きろってば

起きて

生きてる?

息はしてるよ



あれ?なんか喋ってるな


サンドラ以外にもだれかいるのか?



じゃあ...仕方ないな

いくよ...



いきなりの眩しさに、思わず目を閉じた


いや元から閉じてるのだが



まだ起きないよ?

いや寝たふりだ

ちょっと手荒にいく?

仕方ないな



「...何なんだよ」



あ!起きた!

おい!二度寝すんなよ!

やっぱり無理矢理にでも起こした方が...

いくぞ




パチッ!



「いっってぇぇええ!!!」


冬でも無いのに、これは、静電気?


思わず飛び起きるカイ



「一体なんなんだよサンド...ラ?」



やっと目を覚ましたか

待ってましたよ

...遅いよ

目覚めはどうだ?



カイの目の前には、赤、白、紫、黄緑に光る4つの光の玉が浮いていた



うん。始まりでこれはね、長い。


という訳で(?)キャラ紹介

入れるスキの無かった見た目とかそんなところを


カイくんですが、見た目はコロコロの表紙にいそうな男の子をイメージしてもらえればいいです

髪は朱色とかそんな。


サンドラさんは24歳なのでまだまだ若いです。

金髪のゴツい人なのでよく30代と間違われます


エナさんは16です。

髪は肩までで、茶髪で活発。

元気のいい女の子で、熊の傷は受けてますがかなり能力つよい方です。オヤジ達が硬すぎる。


カン。体格だけはいいけど戦闘技能がまるでない鍛治バカです。40歳です。


ローナさん。カンの妻です。まあ母親感ある人をイメージしてもらえればいいです。


コニ。エナのじいちゃん。62歳。

カンより流石に体格は小さいですが、短髪の白髪とシワで歴戦感ハンパないおじいちゃんです。

もちろんカンと同じで碌に戦えません。メイン盾。


ほかの住民達は描写してるとキリが無いので割愛



さて本文の方はどうでしょうか。

少し説明がくどいですね。


あと食事シーン、あれはゲームでよくある家の外だけ映して字幕だけ進む感じで。じゃ無いと長くなりすぎる。


お好きなようにイメージしてもらえればいいかと。

熊の心臓はググったらかなり美味そうでした。

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