#2
コチコチコチコチ・・・・
部屋に時計の音が響く。
アタシはまだ暗い部屋で目を覚ます。
「うわぁ、3時かぁ・・・・」
時計の次に下を見ると
「寝てれば可愛いのに」
寝顔をさらけ出す青年が一人。
少しだけ日に焼けてて、顔つきは男前。
なんでアタシなんかが彼女になれたのか分からない。
「水飲みたい・・・」
呟いて、彼を下ろそうとすると
「んー・・・・・」
ぇ・・・
彼の抱きつく力が少し強くなる。
「ちょっと?」
彼をゆすっても
「くぅー・・・・・」
寝息は本物だ。
「困ったわね、動けないわ」
その後何度か抵抗したけど、彼は離さない。
「はぁ・・・・」
ため息一つ。
彼が私を離さない理由は一つ。
「・・・・・寂しいんだよ」
前に問い詰めたことがあった。
その時彼はそっぽを向きながらそういって、頭をがしがしとかいていた。
「ほんとに、馬鹿」
なんでか顔の赤い自分が恥ずかしくなって、彼の背中に顔を隠すようにまた、夢に墜ちる。
「おい、起きろ」
なんか、あたしの体が揺らされてる。
「7時半だぞ、おい」
彼は少し焦ってる、いいじゃん。まだ間に合うよ。
「クソッ、怒るなよっ」
彼の声の後に衣擦れの音。
気になって目を開ければアタシの服を脱がす彼。
「何してんの?」
意識が急速的に覚めるのを感じながら聞く。
「お前がこぼしたジュースの処理」
服を見せながらいう彼。
確かに背中にオレンジの染み。
「・・・・あ」
ほっとする、別に困らないけど、寝てる間に襲われるのは嫌だったから。
「襲う時は起こすし、第一襲う気すらない」
「えっ?ってか、襲う気ないって酷くない?」
ムカついたから彼に抱きついて胸を当てる。
「襲ったら嫌だろ」
彼がアタシをものともせずに服を洗濯機に運ぶ中言う。
「何が」
「なんか、そのために付き合ったみたいでヤダ」
「違うの?」
「ちげーよ」
「じゃあ、何で?」
あたしは彼のことを考えずにニヤニヤしながら聞く。
「その内分かるんじゃねーのッ」
彼はアタシの襟を掴んでベッドに落とす。
「むぅ〜、教えなさいよー」
隠されるのはヤだから、彼の服のすそを掴む。
「その内、な」
無理やり足を動かしてキッチンにいく。
きっと朝食を作ってくれる。
彼は意地悪だけど、優しいから。