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ラブレター
はじめてお便りします。
私、城野と申します。
唐突な事ではありますが、あなたをお慕いしております故、恋慕を抑えきれず、想いの丈を伝えたく、筆を取りました。
あなたを見初めたのは、月のきれいな夜でした。
猫じゃらしが、すすきの様に茂った土手で、あなたを見て、ただキレイだなと思いました。
恥ずかしい話になりますが、私は故あり天職と思っていた職を失い、自分を失いそうになっておりました。
そんな中、あなたをお見かけしました。
群青の月明かりを受けたあなたはキレイでした。
あなたを愛しています。
あなたは私を知らないでしょうが、愛し続けます。
あなたが昨日食べたカレー、私も好きです。
あなたのアナ・スイの香水、ゴミ集積所から拾いました。
あなたがレースを身につけるのが好きな事も知ってます。
毎月20日前後に、女性の経がある事も理解しております。
あなたを最も理解しているのは、絶対に私です。
だから、あなたも私を理解してください。
愛しています。