原罪 参:ドアノブ & 原罪 四:実名報道
よう。俺のこと忘れてないか?センチピードだ。
前回までのあらすじだ。
性欲お化けのミノルはさも当然かのようにラムネちゃんをレイプする。
ラムネちゃんの腹の中には神の子が宿る。
なんとラムネちゃんの中に宿っていた別の神、
妛は爆破予告をメキシコの大使館に送りまくっていた!
妛の特殊能力は、時間を操作するということ。
全てのものは、いずれ爆発する。
よって大使館の時間を限界まで早めれば、爆発する。
地球が生まれる確率は単位時間当たり0ではない。
永遠に近い時間が流れるならば、地球が生まれない確率の方が0に近い。
同様の理屈である。
妛は完全犯罪を成し遂げたのだ。
センチピード『よって俺はこのあらすじを破棄する。』
ミノル「山本さんを殺した犯人がこの中にいる…………なら名乗り出ろ!」
乗客A「はぁ?」
ミノル「罪の意識に耐えかねて自供したようだな。逮捕だ。」
乗客A「いやいやいやいやいや、何でよ。私やってないよ。」
ミノル「殺された山本は神獣だった。極めて神に近い理性をもっていたが、一つだけ弱点があった。それは自分の周りにいる人間の個人情報をテレパシーで可能な限り発信し続ける『実名報道』の原罪の持ち主だったからだ。すなわち、山本を殺す必要がある人間は、身の上がばれると困る犯罪者でなおかつ神殺しが可能な人間だけだということだ!その条件に当てはまるのはAさん、あなたしかいない!というより、乗客がAさん、あなたしかいないんですよ!」
乗客A「……。あなたの推理には大きな矛盾があります。私しか乗客がいないなら、実名報道する相手がいないじゃないですか。なんの問題も無い。殺す必要がないのですよ。」
ミノル「黙らっしゃい!この犯罪者が!制裁レィイイイプ!!」
乗客A「ちょ……私男ですよ!?」
ミノル「人間を更生させるには、犯すしかないと思っている。そこに男女の差はない。」
彁「これが神の言葉として後世まで伝わるのか。」
乗客A「なんだ!?お前たち、神だったのか!?」
ミノル「貞操が惜しいか?」
乗客A「はい!」
ミノル「なら貴様も神になれ!黒い雨フィニィィィィィィィイイイシュ!!」
乗客A「うわああああああああああああああああ!!」
彁「生まれたか。良い面構えだ!これからは、お前の名は駲だ!!」
駲の殻「うわっ!!股間からタヌキが生えてる!?」
駲「……私は駲だも!よろしくだも!殻。」
彁「名前がなじんだのは不幸中の幸いだった。貴様たちには、殺した神の能力『実名報道』を引き継いでもらう。非常に有用なものだが、罪深い。神が擬態して近寄ってきても一発で周りの人間に伝えることができる。実名報道により職を失い、家族を失い、家族を失った人たちが大勢いるという事実。誤報は許されないという事実。そのプレッシャーに耐えられるか。マスコミ業者にとって誤報は命取りだ。誤報を行ったと貴様が認識した瞬間、貴様は次の食事をスキップしなくてはならない。まあこの能力は自動で貴様の周囲の人間の個人情報を抜き取ってくれるから、よほどのことがない限り間違えることはない。言うならばデスノートの死神の目のようなものだ。私たちは人間の観測が目的で神をやっている。しかしタイムスリップできる神が一人しかいないのだ。さらに一人の人生を観察しようとするとその神は同じ時間だけ付き合わなければいけない。非常に非効率なのだよ。だからこそ、他人の個人情報、他人の人生を一瞬にして見抜ける調査要員が必要だったのだ。やってくれるね?この四式原罪は他人の個人情報を売って金を稼ぐ業者をやっていたようだ。間違いも多かったと聞く。マスコミと煮込みますという言葉が似ていることを自戒としてやっていくという、マスコミの精神を忘れた者の当然の末路だ。」
駲「……。いいだも!やったげるだも!……うわあ。ミノルくんひどいだも。前科200犯のレイパー?恐ろしいだも……。で、殻の趣味もおかしいだも。毎朝毎朝男子トイレを覗く女子をおかずに……。まず男子トイレを覗く女子がいないだも!あれ、もう一人いるような気が……。」
ミノル「最近は同僚をレイプしようとしてもなぜかできない。」
駲の殻「駲。そんなことはどうでもいいじゃないか。仕事をしよう。」
駲「うん、初仕事いいだも?次の駅辺りに参式原罪の本体がいるみたいだも!」
ミノル「なるほど…………おっ。電話だ。もしもし。」
ラムネ「もしもしラムネだよ!やっと全部の看板の「た」を抜き終わったよ!でもね、壁を良く見ると非常に細かい字で「た」が書かれているの。これを全部取り除くのは不可能。1931という文字があるけれど、何を意味するのかわからない。4ケタの数字を入力すればいいんだけど……。見当もつかないの。」
彁「正直なところ、参式原罪『ドアノブ』の本体を直接攻撃すれば退治はできる。だが、中にいるラムネと椦が危険にさらされることになる。それはいけないことだ。援軍が必要なようだな。よし。今すぐ駲を参式原罪の精神世界に送りこもう。」
駲「なるほど。事情は分かっただも。」
駲の殻「羊村ラムネ。羊の毛で隠れて良く見えないが、実際はかなりのナイスバディー!」
駲の殻「そして中に隠れている神は、かなりの性奴隷体質か……。」
駲の殻「またあえてうれしいです!!ラムネさんという名前だったんですね!」
ラムネ「また無限射精地獄されたいの?」
駲「殻の無礼は僕が代わりにあやまるだも。殻も能力を使えるのは問題だも。そのうち殻は完全に消え、その人格は神の中に統合されるだも。」
椦「なるほど。「た」を抜くのに膨大な時間を使ってしまった私は、完全に殻を脱ぎ捨てて神として完成してしまった……そういう可能性があるということですか。」
ラムネ「ちょっとまって、じゃあ私もそのうち妛に支配されるってわけ?」
妛は触手をラムネから出して、意志表示をしています。
椦「そうなりますね。とにかく私は殻の人格を吸収した。瞬間移動能力はそのままだということです。さて、この地獄をどうやって切り抜けるか。」
駲「簡単なことだも!1931を入力すれば終わりだも!」
駲の殻「それでもし間違っていたら、責任とれないよ。」
駲「この無限の「た」がブラフだということを証明すればいいわけだもね。」
駲「僕を背負って、瞬間移動するだも!椦!!」
椦「……壁沿いを回るように瞬間移動する?だが部屋の広さは無限ですよ。」
駲「椦の瞬間移動は0時間でできるだも!『飛躍』の神っていうぐらいだから、瞬間移動は高速移動ってわけじゃないだも!だから0の時間で全く別の場所に移動できなきゃおかしいだも!!!だから僕の特殊能力の効果範囲を考えると、無限の広さの瞬間移動も有限時間で終わるはずだも!!そうすればすべての「た」の情報を読み取れる!」
椦「まあやってみます。」
駲「ここにいるすべての「た」の個人情報を吸収しただも。」
ラムネ(このタヌキの能力、人以外にも使えるの?恐ろしい……。)
駲「なるほど。答えは1931じゃないだもねえ。」
駲「しかしびっくりだも。君たち適当すぎるだも。看板の裏をみただもか?」
ラムネ「裏?」
駲「『マイナンバー制度反対!』と書かれているだも。これと、『たぬき』のヒントを組み合わせれば、僕を呼んだのかと思っただもが……気が付いていなかっただも……?」
駲「これは明らかにGoogXeの入社試験だも。3次元の無限配列。1つ1つの要素は10ケタの数。これで作られた暗号を解く必要があるだもねえ。「た」は「他」だも。他人のマイナンバーを抜くほどの実力と蛮勇を試されていただも。確かに1931も解の1つかもしれないけど、説得力にかけるだもねえ。」
ミノル「援軍を送ったのにもかかわらず、こう着状態は続きました。1931か、それとも暗号を解くか。その選択を迫られました。しかし気が付いていません。この問題に隠された本当の罠を。実は、この「た」の中には鏡文字の「武」と「式」が隠れているのです。そう。これは紫式部の子孫、大納言小豆のペンネーム、紫式武を暗示しているのです。彼女は古典派の中では唯一の武闘派でした。彼女はアンチを菩薩掌によって潰すという武力措置を取っていたわけですが、このドアノブの問題の意図として、彼女の古典文学を見なければならなかったわけです。ここで彼女の誌を引用してみましょう。
『春は足が4本。ケンタウロスのように大地を駆け抜ける時、私は追憶するのです。走馬灯のように流れる田園風景。ああスプロール現象。』
『夏は足が2本。人となって雲の上を歩く際には何か足りない物を感じる。その結果として殺人を犯すようなまねはするまい。適当に生きよう。』
『冬は足が3本。私の3本目の足は興奮のあまり怒張している。前に見えるのはしこたま殴られ、地面に這いつくばっておびえるメスである。私の良心がジッパーを下げることを妨げてしまうのだが、これから童貞を捨てるというのに何を戸惑っているのであろうか。目の前に横たわるものは罪であり、これは浄化だったはずなのに。ここで恋について考えてみる。しかしバールを振りおろしながら恋について考えることに矛盾はないだろうか。もちろんはたから見れば私はジャージを着用しバールのようなものでスイカ割りをしている男である。しかし私が野菜レイパーだということを知った瞬間、これは犯罪となるのだ。さて、恋は暴力であるのかもしれない。私は怒る以外に興奮する術を知らない。愚かな野菜たちは破壊されるべきなのかもしれないが、この破壊されるというプロセスを経ずして野菜を愛せないのでは、今の言説は私の滾る獣欲の正統化でしかない。外国産のスイカ。これだけ赤い血しぶきをまき散らしているのに興奮するわけだ。だが、スイカを破壊しても日本の遺伝子汚染は止められない。民族浄化をしなければ。民族浄化をしなければ!!』
これが大学入試頻出の部分です。さて、民族浄化と言うワードが出てきました。民族を浄化するとは、子供虐殺です。マイナンバー制度を使うことによって戸籍乗っ取りが可能になり、それによって移民による民族浄化が起こるという言説でした。それが正しいかどうかは置いて、このドアノブはそれを危惧していたのではないでしょうか。国民の管理という扉を開くのに躊躇していたからこそ、このドアはドアノブとして妨げる。接続という神の役割を与えられながらも、隔絶という神となろうとした。彼のこの心意気は後世まで語り継がれるべきものでしょう。さて。ドアノブさん。もう終わりにしましょう。マイナンバー制度はいくらあなたが夢の中で反対しようとも、もう覆りません。諦めも肝心ですよ。」ガチャ……ツー……ツー…
ラムネ「……だってさ。ドアノブさん。動機はそういうことでいい?」
参式原罪「ソウダ……マイナンバ……イケナイ……コジンジョウホウ……トラレル……」
ラムネ「妛。やるよ。」
ラムネがそういうと、見る見るうちに、参式原罪は老化し、朽ち果てました。
駲「時間を加速させ、強制的に老いさせたのか。」
あっけない最後、惜しまれぬ死でした。
ミノル「こうして皆さんはドアノブの精神世界から脱出することができました。しかし忘れてはいけません。ドアノブもまた、マイナンバー制度の被害者だったということを。ちなみにどうやってドアノブの下にたどり着けたのかと言いますと、暗証番号を入れる装置の情報を読み取ると、1931を入れると開くということが分かったので、それを入力すると開いたそうです。初め駲は「た」に集中しすぎて、入力装置までは手が回っていなかったようですね。灯台もと暗しですね。」
彁「それにしても早い!もう3体倒したのか!しかも仲間を増やしただと!?……といっても、お前は2体しか倒していないが。仲間を増やしたのもミノルだがな。」
椦「私にかかれば、この程度、楽勝です。」
駲「オリエント急行に乗ったのが運のつきだっただも。まさか神になれるとは。」
ラムネ「あー。こいつらの名前、何て読むんだろ。」
妛「キュキュイ!キューイ!!」
ミノル「さて、次は5~9ですね。」
盛り上がる神界とは裏腹に、ミノルの尻穴の中で焦っていたのはセンチピードです。
センチピード「何故だ!?嘘あらすじで『限界まで時間を早めて対象を崩壊させる』という手法を封じたはずなのに、なぜあの羊女はできている!?ありえねえ!?一体何が起こってやがるんだ!?……おれは時間軸を信望するなど愚かなことはしない。俺は『地軸』派だ。こんなところで朽ち果てるわけにはいかない。こいつの尻から出なくては……。」
ミノル「はうっ!!」
ラムネ「どうしたの?」
ミノル「いや、ただの切れ痔だ。」
ミノル(センチピードが出て行った?一体何をする気だ?)
椦「…………。」
つづく




