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フィリバスター牛山2 ~史上最長の呪文詠唱~  作者: 空な鍵
第二部:神話(神獣討伐編)
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原罪 弐:トイレで新聞


ラムネ「じゃあ、あたしがついてくね。最初だし。」


椦の殻(うわっ……すごくかわいい子。吸いたい。)


ラムネ「殻はいい加減キセル吸うのやめてくれる?充満してるんだけど。」


椦「すみません。すぐにやめさせます。」


ラムネ「まあ、どうせミノルが喋った通りになるから戦いなんて適当でいいよ。」


ラムネ「負けたら神獣になるから覚悟してね。」


椦「え……?」




ミノル「まず椦はメキシコの最北地で神獣が暴れているという報告を受け、討伐に向かいました。すると当然最初なので一番弱い奴が出てくるわけです。名前はありませんが、私は彼の前世を知っています。彼はよく駅のトイレに籠って毎朝新聞を読んでいる男でした。彼の存在により、何枚ものパンツが廃棄されてきたのです。彼の存在はメキシコのパンツ業界にイノベーションをもたらしました。それはズボンを常に湿らせておくという発明です。すなわち過度に吸水性の高い素材を利用し、その素材が空気中の水分を絶え間なく吸収する。すると漏れるか漏れないか、もう関係ありません。どちらにしろ濡れているのですから。当然陰謀論は後を絶ちませんでした。これは製薬会社と提携した国家的陰謀ではないかと言う人もいました。しかしそれは事実でした。ズボンを常に湿らせていると風邪をひきます。風邪をひいた場合、薬を飲みます。薬屋がもうかります。しかしその薬屋が国際的な製薬会社となった時にバイオハザードを起こしました。肥大化した製薬組織はGEMYを組織しました。そして遺伝子組み換えの非人道的な実験を日夜行っているといいます。彼の罪は思ったよりは深いのです。彼はずっとトイレに籠っているので、黒い雨を浴びせるのに難儀しました。トイレの水を逆流させるという方法で事なきを得ましたが。

さて、椦はどうやって彼を倒すのでしょうか。ラムネがいるといっても、負けた時に時間をさかのぼることができるだけで別に意味はありません。椦1人で勝たなくてはならないわけです。椦の特殊能力は瞬間移動。神の獣の特殊能力は静謐。すなわちその場から動かない限り無敵だということです。もちろん神の獣は気張っているので動きません。さあ、椦の英雄譚が始まります。そこで神の獣の隣の個室便所に椦は入りました。そこで新聞を読みます。どうやら根比べをするようですが、1024時間たった今でも両者とも出てきません。椦の時間だけをラムネは巻き戻しているので、椦がしびれを切らすことはありません。しかし神獣の方は全く動じません。そっちは1024時間まるまる経過しているはずなのです。そして時折新聞をめくる音が聞こえてきます。一体なぜ新聞の内容をここまで時間をかけて読むということがあるのでしょうか?そこでラムネは考えました。誰かが新聞を差し入れしているのではないかと。濡れパンツが導入されたことにより、もうトイレに行くという風習自体が廃れていました。だからこそ毎朝神獣の隣の個室に入っていくサラリーマンが気になって仕方がないのです。彼がもしや新聞を差し入れしているのではないか?と思ったラムネは椦に、その個室に瞬間移動するように言いました。そして椦は個室に入るとサラリーマンは驚きました。なぜならばサラリーマンは毎朝トイレを覗いている羊の美少女をおかずに抜いていたからです。その個室にはドアが無いので見せつける形になっています。もちろんサラリーマンは新聞を供与していませんでした。丸見えなので瞬間移動する必要はないのですが……。キレたラムネは、サラリーマンが射精する瞬間を何度も巻き戻しすることで永遠の責め苦を与えるという行為に出ましたが、すると元の個室に戻った椦の時間経過はリセットされなくなります。椦の殻が吸いまくっていたキセルの煙が充満していく。とうとうトイレの中の視界は非常に悪く、自分の鼻先すら見えない状況となりました。これはチャンスです。なぜならば鼻先が見えないならば新聞も読めないはず。神獣も出てくるはずなのです。しかしどれだけ待っても聞こえてくるのは新聞をめくる音ばかり。時間を止めてラムネは女子トイレに行くことにしました。そしてラムネはあるものを発見し、勝利への解放を導きだしたのです。ラムネが察するに、神獣が使ったトリックはこうでした。女子トイレには音姫と呼ばれる装置があります。水を流す『音』だけを流すことにより、水を節約するという装置です。神獣は同じようなものを男子トイレの個室に設置していたのではないか。彼女の読みは当たりました。確かに例のサラリーマンはボタンを押し、新聞をめくる音を流していました。ということは、神獣は個室の中にはいない?その疑問を椦にぶつけると、椦は否定しました。確かに神獣がいるはずの個室に入り、新聞を読んでいる神獣を発見した。だが、便座から離れない限りこちらの攻撃は一切通用しない。というのです。ではなぜこの視界の悪さの中で新聞を読むことができているのか。ラムネは駅員にトイレを長時間占拠している客がいると文句を言いに行きましたが……」


ラムネ「あのー……男子トイレの真ん中の個室を長時間占拠している客がいるんですけど。」


駅員「ないよ。そんな個室。個室は右左の角に一つずつしかない。」


ラムネ「え!?それ本当!?」


駅員「本当だよ。それより何で男子便所を覗いてたの?どう見ても君女の子だよね?」



ミノル「ラムネは気がついてしまいました。そもそもあれは個室ではない。サラリーマンがドアの無い個室で見せつけるかのように自慰を行っていたのもドアを逆方向に閉めていたから。要するに存在しないはずの真ん中の個室を、隣の個室のドアを奪うことであたかも存在するかのように見せていたということ。これでとうとう戦略は固まりました。まずラムネは妛の触手を使い、サラリーマンの個室にドアを戻します。すると神獣が露わになりました。しかしそれでも座っている神獣は動じません。簡単な話でした。神獣は上に座っているおじさんではなく、下の便座だったのです。おじさんは殻にすぎなかった。本体は下の便座。離れることができず、ずっとトイレに座っているしかなかったのです。とにかくおじさんと便座を切り離します。これは殻が邪魔な神獣にとっても有益な行動なので、防御する必要はありません。殻を完全に破った神獣は便器の様相を示していました。さて。ラムネは神獣の便座のふたを閉め、開かないようにテープでぐるぐる巻きにしました。攻撃には当たらないので問題はありません。これで捕食も不可能です。そして男子トイレの入り口に故障中、立ち入り禁止との張り紙を張り、神獣退治が完了しました。サラリーマンは警察に出頭しました。これにて最初の試練はクリアしたのです。しかし椦はほとんど何もしていません。ラムネがいろいろやっていたおかげですが、まあいいとしましょう。」



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