スターゲイザー
前回のあらすじ
クロノダイスは星の記憶と同化し、時間軸をさかのぼって移動。クロノダイスが見た世界は優しさに満ち溢れた理想の世界だった。そこで出会った謎の美少女『羊村ハギス』。彼女は世界のすべてを夢落ちにしてしまう特殊能力『ユメオチ』を持っていた。『スターメモリー』を持つ異能力者同士は惹かれあう。二人は一夜を共にし、20年後に子供が生まれる。
ワニと羊のミュータントである彼女は『羊村ラムネ』と名付けられる。ラムネは女子高校生としてすくすく育った。ある日足を200本持つ神『牛山ミノル』、そして神の存在を否定する賢者『センチピード』がパラレルワールドから転校してくる。性欲お化けであったミノルは入学早々ラムネをレイプしてしまう。怒り狂った父親、クロノダイスはミノルを解体屠殺する。ドMでもあるミノルは絶頂し、性病のパンデミックの危険性が生まれる。
そしてミノルの持っていたフィリバスター病が全世界に蔓延し、争いが繰り広げられる。
そこでラムネはこの世界を夢落ちだということにして起床。どの世界線・時間軸でもラムネは全世界を統一する神であった。ラムネが親から継承した能力『スターメモリー』『ユメオチ』さらにミノルを介して牛山美濃太郎から受け継がれた『フィリバスター』この3つの能力を使えばどういうことができるか。まずスターメモリーとユメオチにより、自分が死ぬ直前に世界線を移動することで彼女は絶対に存在を消されることはなく、さらに夢落ちとされた空間は彼女の脳内に収納される。すなわち最強の攻撃手段であり、防御手段でもある。自分が死ぬ瞬間に走馬灯を見ないことがありうるという弱点もフィリバスターで常に独り言を喋っておけば完全防御が達成される。この3つの能力を兼ね備えたラムネは無敵だった。ラムネはこの3つの能力を使い様々な世界線へ移動し、その世界線の住民の能力をあらかた奪うことになった。その結果生まれたのが、自分の喋った世界観がその通りになる能力『ドリームテラー』であった。どれだけ荒唐無稽に見えても、彼女が語った神話が事実となる。もちろん現在過去未来すべてに対して適用できることから、彼女のドリームテラーに弱点はなかった。ちなみにその神話を聞いている人間は即座に眠るという完全防御機能が付いている。これで攻撃者の猛攻を防ぎきるだけではなく攻撃者をしとめることもできるのだ。もちろん遠距離からライフルで狙われた場合も、『フィリバスター』があるので攻撃を受けない。しかし悲しいのはミノルである。彼はゆっくりと全世界線の人間と牛と馬を犯しつくした後、ラムネの脳を食い破って登場した。ラムネがユメオチとした世界観は全て脳内に収納されるため、ミノルはそこを狙ったのだ。全国の脳姦好きはラムネ神を性的な目で見るようになった。まあラムネはもこもこしているので穴を隠すことは可能だった。しかし脳内に世界観を収納する以上、そこから食い破ってくるミノルの攻撃を防ぐことはできない。すなわちこれこそがドリームテラーの弱点である。何度ユメオチにしても無駄だということが分かったラムネはミノルの要求をのむ。ミノルの要求とはレイプされたくなければ自分が最強の世界線を作りあげろ、ということだ。そこでラムネは神話を語ったのだ。
ラムネ「それではミノルさんの能力を説明します。ミノルさんの能力は『フィリバスター』の進化系『フィリバスターZ』です。私の能力が世界線創造だとすると、ミノルさんの能力はそれに対抗できるものでなければなりません。そこでミノルさんの能力であるフィリバスターZには、時間停止能力が備わっています。すなわちミノルさんは喋っている限り、時間が止まり続けているわけです。時間が止まっているので誰も聞いてくれず、喋るのをやめると時間が進みます。その結果ミノルさんが受ける受難は、誰にも話を聞いてもらえないということです。喋ると時間が止まるのですから。しかし私の時間改変に割り込んで時間を止めれば、私は永遠に世界改変ができないわけなので、なんの問題もありません。すなわちフィリバスターZはミノルさんの神の力。ミノルさんは死にます。」
ミノルは死んだ。さすがに創造主に喧嘩を売るのはやりすぎたようである。
しかしこの小説のタイトルはフィリバスター牛山なので、さすがに羊村が主人公をするわけにはいかない。
センチピード『よってこのあらすじを破棄する。』
世界が崩れ、出てきたのは先ほどの処刑場。
ミノルの口からセンチピードが出ている状態だ。
牛山「特殊能力か。一体何なんだ?今の嘘あらすじは。」
センチピード「そうだなぁ。俺の能力は言うならば『フラグブレイカー』。」
センチピード「俺が毎回あらすじとして喋ることは絶対に起こらない。」
センチピード「すなわち、これでクロノダイスの能力は封じたというわけだ。」
牛山「クロノダイス?誰だそれは。」
センチピード「おっと、こっちにいる人間は知らないんだったな。」
センチピード「まあいいか。足が200本も無いことの続きだったな。端的に言えば、ミノルは汗腺オナニーをして射精することが可能だったとしても、それは残念ながら無駄なのだ。それは射精ではなく潮吹き。すなわちミノルは女だったということだ。そしてミノルを女にすることは簡単だ。俺はミノルの中に住んでいる寄生虫だ。いわばミノルの専門家だ。専門家の権威は素晴らしい。だれもミノル学の創始者である俺に反対することはできないはずだ。それをすることは反知性主義として糾弾されるべきなんだよ!」
馬井「なるほど。センチピードはミノルの事を一番よく知っている。だから俺の言うことが正しく、素人が言うことはすべて間違いだと。」
センチピード「そうだ。専門家は正しい。よって俺は正しい。ミノルは女だ。」
牛山「しかし……。それでもミノルを処刑することはまだ、できない。」
牛山「観衆の皆さん。このムカデ男の虚言にお気づきでしょうか。牛山ミノルに寄生したセンチピードが処刑されることで、センチピードの足数原則破壊が成立してしまう。それは正しい。ミノルは足が2本しかなく、センチピードは100本ある。ミノルを処刑するとセンチピードも死ぬから、足数原則の逆転が起こってしまう。足が2本の私がセンチピードの100本足を処刑することは許されない。しかしセンチピード氏の発言で27つだけ間違いなのがあります。それは、」
馬井「時間を稼ぐな!処刑するのは俺だ!もう我慢できねえ!殺す!」
ミノルの首が切り落とされた。
処刑は成功したのだ。
これにより、世界の因果律が乱れることとなる。
20年間もの間、馬井議員は処刑を急いだ理由を明かさなかった。
しかし本社の決死の取材により、馬井議員の本心が明らかになった。
20年前おらつき議員として有名だった馬井議員も、今ではナイスミドル。
その様変わりように、記者も2度びっくりしたようだった。
馬井「私が作り上げた足数原則は、私が破壊しなければならないと思ったからです。」
つまりそれは自分の子供に対する愛情のようなものだと?
馬井「そういうことになりますね。」
足数原則を唱えたことに、後悔はありますか?
馬井「いいえ。ミュータントと人間の違いをきっちりとした尺度で測る必要がありました。そこで足数尺度を使ったのです。足の数が4本あれば、2本ある人類の2倍人権がある。非常に分かりやすい。もし平等に全ての生物に基本的人権を享受した場合、何が起こるでしょうか。戦争です。破壊です。殺戮です。そういうことを考えるとやはり足の数により人権を分配することが重要だと思われるのです。」
なぜ足の数で区別しないと戦争が起こるのですか?
馬井「はい。それは明らかです。私の本でも述べている通り、足の数は地面につけている身体のパーツの数です。そうなると地球からすれば地球上にいる生物の数はこの足の数でしか判断できない。そうなると4本持っている人が立っている場合、地球はそこに2人人類がいる、と判断するわけですから、これは自明でしょう。私がケンタウロスで、あなたの上に立ちます。そうするとあなたは4つの足を感じるでしょう。しかしこれは2人の人間があなたの上に立っているのか、それとも私が1匹立っているのか分からないわけです。すなわちこれからは地球目線で考えようということなのです。すなわち地球目線という言葉が日常を支配していきました。地球目線で考えるためにマメリカ語・イガリス語を学ぶ。外国人観光客を招く。留学をする。これは私に言わせれば全ておままごとです。ファンタジーです。これではあくまで地球の人類目線でしかない。なら環境政策は地球目線と言えるのか。言えない。私の友達にミノタウロスの国会議員がいますが、彼はナスカの地上絵を踏みにじる環境保護団体の一員でした。しかし彼は全ての牛に義務付けられている低CO2排出遺伝子改造組み換え手術に最後まで反対していました。ここからもわかるとおり人は人ではないのです。このことについて彼の息子が興味深いことを言っていたのを覚えております。それは『『AはAではない』は『AはAではない』ではない』ということです。彼はそこに当てはまるのが神だけだと言っていたのですが、有るじゃないですか。人です。人は人であるのに、人ではないのです。人間は成長し続けます。人は完全体は存在しません。その大きな人という枠組みの中に人はいる。」
ミノルくんの話よく聞いていないでしょう?
馬井「はい。」
このアダルトビデオの醍醐味は、まるで本当の記者のようなインタビューである。
馬井議員がAVデビューするという衝撃は宣伝効果として絶大だ。
だからこそ内容において手を抜くことはできない。
ミノルを処刑した後、馬井議員はわが社にやって来た。
そして現在に至るまでアダルトビデオ男優として活躍している。
6本ファックのインパクトはものすごく、彼は人気男優となったのである。
ミノルは確かに処刑された。しかし地獄で彼はフィリバスターを行った。
20年の時を経てもなお、ミノルは蘇ることができるのだろうか。
続く。
次から地獄編です




