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フィリバスター牛山2 ~史上最長の呪文詠唱~  作者: 空な鍵
第一部:フィリバスター牛山ミノル
16/47

もう嫌になったということ

ミノル「神話っていうのはね、この世界なんですよ。神話とそうでない者の差は何かを考えてみたことはありますか。私たちが神ならばこの物語はすなわち神話です。そういった詭弁を駆使すれば神話に対する考察を一切省くことはできますが、そうするのでは話が終わってしまいますから、私はこの世界の上位に存在する者を神と呼ぶことにし、彼ら……そして私が紡ぐ物語を神話としましょう。さあて、神とは、上位とは何か。それは弁証法的方法論で指摘されている通り、止揚……アウフヘーベンです。このことを考えると、アウフヘーベンにバルキスの定理を当てはめてみましょう。『AはAではない』に当てはまる矛盾の相克の事象こそがアウフヘーベンだと考える次第ですが、そうなると問題点として顕著になるのはAに当てはまるのは何かと考えると神以外に何かが存在してしまった場合、それは神の存在証明を崩す一手とするか、それともそれ自体を神に内包してしまうか。そのどちらのアプローチをとるかによって変わってくるわけですね。そして」


神「ミノルよ!!これ以上神界の秘密を喋るようならば、貴様はどうなっても文句はいえんぞ!覚えておけ!喋り終わった時が貴様の最後だ!」


ミノル「……。何か聞こえた気がしましたが、無視しましょう。さて、AはAではないのは何か。それこそがGOD ‐世界の巨大エネルギー‐なわけですが、それ以外に存在しないことを示したいわけです。例えば、ミノルはミノルではない。おかしいですね。今のミノルは過去のミノルとは違う、という解釈をすれば当てはまるかと思われますが、それは詭弁で、Aは時間軸も定まったミノルである必要があります。よってAは過去のミノルと現在のミノルの同時ではないということです。かの偉大な科学者エノラスト・ドレイルと若きセンチピードは北極に愛を誓いました。彼らは神と何をみなしたのか。それは軸……でした。かつて宇宙を貫く理法をロゴスという言説が蔓延していましたが、そのロゴスは軸と言えるでしょう。その軸が何をもたらすかと言えば、回転です。すなわち、ロゴスは平静をもたらすものではなく、回転、すなわち変化をもたらすものですから、それは不動のものとはいえないでしょう。そこでエノラスト・ドレイルとセンチピードは地軸を信仰しました。若きセンチピードはここでまともな宗教に入っておけば、テロリストにならずに済んだのですが。しかしそうなると聖地巡礼がネックです。聖地巡礼を1日に1回。厳しすぎる教義ですが、そのために彼らは北極を冒険しました。彼らの地軸教は順調に信者を伸ばしていきましたが、北極に行くのが嫌な教徒が時間軸も軸ではないか、ということを言い始めたのです。その結果時間軸派と地軸派が争うことになりました。この宗教戦争は地軸派が勝利し、時間軸派は机羊国として雌伏の時を迎えることになりましたが。確かに宗教戦争には勝利したものの、聖地巡礼の教義は厳しすぎるんじゃないか、そういう意見が地軸派の中に有ったのも確かで、エノラスト・ドレイルはそれを異教徒として排除しようとしましたが、センチピードは逆にどこでもドアを開発することで聖地巡礼を可能としたのです。さて、どこでもドアの原理と言っても簡単で、どこでもドアから入った人間は粉々に微粒子レベルで破壊され、向こう側のドアで組み立てられる。全く同じ素材の人間で、記憶なども完全に再現されてます。はたしてこれは同一人物でしょうか?そう。この2人が同一人物ではないという理論を受け入れるなら、AはAではない、は全ての物体、全ての事象に当てはまる理法だということになりますが、このAはAではない事態が不変だとすると、この質問文自体『AはAではない』は『AはAではない』ではない、さらにこの質問文を重ねた『『AはAではない』は『AはAではない』ではない』は『『AはAではない』は『AはAではない』ではない』ではない」、さらにこの質問文を重ねた、「『『『AはAではない』は『AはAではない』ではない』は『『AはAではない』は『AはAではない』ではない』ではない」』は『『『AはAではない』は『AはAではない』ではない』は『『AはAではない』は『AはAではない』ではない』ではない」』ではない」…これらはすべて真となります。なぜならば、これが真だとすると、中身が不変でないのか不変なのか分からないのです。

要するに、どこでもドアの開発が因果律を破壊してしまった。これは恐るべきことでした。だからこそ人は恐れ、AはAではないという神の定義さえ封印し、神の存在を無視してきたのです。それこそが、私たちの現在……原罪でございます。」


神「…………。」


牛山「やっぱり貴様は処刑しなければならない。」


牛山(足200本理論が面倒だ……。なんとかミノルの足の数を立証できないか?)


そのころ机羊国にて


羊1「誕生した。国連の最終兵器ビネガーを倒す神の子が!」


羊2「時間軸そのもの。神の子ではない。神なのだ。」


羊3「さあ、目覚めろ。クロノダイスよ!!」


クロノダイス「………はい。」


羊1「こんにちは。神よ。死ね!」


羊1はナイフを振り下ろす。


クロノダイス「…………。」



羊1「誕生した。国連の最終兵器ビネガーを倒す神の子が!」


羊2「時間軸そのもの。神の子ではない。神なのだ。」


羊3「さあ、目覚めろ。クロノダイスよ!!」


クロノダイス「………はい。」


羊1「こんにちは。神よ。死ね!」


羊1はナイフを振り下ろす。


クロノダイス「…………。」




羊1「誕生した。国連の最終兵器ビネガーを倒す神の子が!」


羊2「時間軸そのもの。神の子ではない。神なのだ。」


羊3「さあ、目覚めろ。クロノダイスよ!!」


クロノダイス「………はい。」


羊1「こんにちは。神よ。死ね!」


羊1はナイフを振り下ろす。


クロノダイス「…………。」




羊1「誕生した。国連の最終兵器ビネガーを倒す神の子が!」


羊2「時間軸そのもの。神の子ではない。神なのだ。」


羊3「さあ、目覚めろ。クロノダイスよ!!」


クロノダイス「………はい。」


羊1「こんにちは。神よ。死ね!」


羊1はナイフを振り下ろす。


クロノダイス「…………。」




羊1「誕生した。国連の最終兵器ビネガーを倒す神の子が!」


羊2「時間軸そのもの。神の子ではない。神なのだ。」


羊3「さあ、目覚めろ。クロノダイスよ!!」


クロノダイス「………はい。」


羊1「こんにちは。神よ。死ね!」


羊1はナイフを振り下ろす。


クロノダイス「…………。」




羊1「誕生した。国連の最終兵器ビネガーを倒す神の子が!」


羊2「時間軸そのもの。神の子ではない。神なのだ。」


羊3「さあ、目覚めろ。クロノダイスよ!!」


クロノダイス「………はい。」


羊1「こんにちは。神よ。死ね!」


羊1はナイフを振り下ろす。


クロノダイス「…………。」




羊1「誕生した。国連の最終兵器ビネガーを倒す神の子が!」


羊2「時間軸そのもの。神の子ではない。神なのだ。」


羊3「さあ、目覚めろ。クロノダイスよ!!」


クロノダイス「………はい。」


羊1「こんにちは。神よ。死ね!」


羊1はナイフを振り下ろす。


クロノダイス「…………。」


クロノダイス「無駄だということが分かりませんか?」


クロノダイス「私は死ぬ瞬間、時をさかのぼっている。」


クロノダイス「何度刺されようと、時を巻き戻すだけです。」


クロノダイス「もうやめにしましょう。」


羊1「なるほど……。これは想像以上だ。」


羊2「さあクロノダイスよ!国連総会に行き、ビネガーを殺せ!!」


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