第八話 謎の男、現る
初心者クエスト「キノコ狩り」を無事クリアしたアスカたち。
ギルドでは八部鬼衆の影が囁かれ、電脳世界に潜む闇のプレイヤーたちの存在が徐々に明らかになる。
だが、まだその全貌は誰も知らない――。
森の小道を歩く三人。
「ふぅ、キノコ狩りも意外と疲れるね」アスカがぼそり。
「油断するな。森の奥には思わぬ危険が潜んでいるわよ」ノヴァがツンデレ気味に警告。
「ねー、ノヴァ、ちょっと怖い話やめてよー」ミライが顔をしかめる。
すると、突然、林の影から人影がスッと現れた。
背は高く、和服をまとい、顔には不気味な一つのお面――左右で能と般若が半分ずつ描かれている。
「……やぁやぁ」低い声。
アスカは思わず後ずさる。
「だ、誰……!?」
「……くっ、」ノヴァが眉をひそめる。
男は手に持つ剣をちらりと見せ、そして不意にタコ包丁を取り出す。
「……まずは雑魚から、礼儀としてね」
「えぇっ!? 雑魚にタコ包丁!?」アキコが驚愕。
「ふん、遊び心は大事だろう?」男は淡々とした口調で、近くの小さなモンスターをタコ包丁でひょいと一刀両断。
「ひゃあ、すごい……!?」ミライが目を丸くする。
「……アスカ、後ろに回って。戦うつもりなら準備を整えなさい」ノヴァがツンデレ警告。
「は、はいっ!」
男がゆっくりと歩を進める。
「雑魚を片付けたら、本命は君たち……楽しみだな♪」
「くっ、まだ戦闘始まってもいないのに背筋が……!」アスカが震える。
「……まったく、私がいなきゃ即死だわ」ノヴァが小声で呟く。
三人の緊張が高まる中、男の目が光り、戦いの間合いに入る――。