第二十五話 赤い扉の向こう
赤い扉を押し開けると、そこは坑道とはまったく違う世界。
暗闇の中、冷たい風が吹き抜け、壁から淡い青い光が漏れている。
「……雰囲気、変わったね……」アスカが息をのむ。
坑道奥はまるで迷宮のように複雑に枝分かれしており、影の気配が漂う。
「皆、警戒を怠らないこと」クレアが剣を握りしめる。
シュウスケは、からかうように笑う。
「ふふ、弟子ちゃんたちの成長、楽しみにしてるよ♪」
そのとき、廊下の影から、灰色のモンスターが飛び出す。
姿は煙のようにふわふわしており、目だけが赤く光っている。
「……影の小型モンスターね」ノヴァが冷静に分析。
アスカはスコップを構え、ミライは炎をまとわせる。
クレアは敵の動きを読み、シュウスケは影から軽やかに動く。
影のモンスターたちは素早く攻撃を仕掛けるが、三人の連携で押し返す。
アスカのスコップは前回より振りやすくなり、地面を叩きつけるたびに衝撃波が走る。
「や、やった……! なんだか楽しい!」アスカが笑顔で攻撃。
だが奥から、もっと大きな影が姿を現す――
黒い霧のような巨大な影が、坑道を覆い尽くすように立ちはだかる。
「……これが本体……?」アスカが息をのむ。
クレアが冷静に剣を構え、ミライの炎が光を放つ。
シュウスケは影の端に身を潜め、挑発的に言う。
「ふふ、弟子ちゃんたち、ここからが本番だ」
――月影の廃坑奥部、ボス戦の幕開け。
影の巨体が動くたび、坑道全体が揺れる。
アスカたちは息を合わせ、勝利への第一歩を踏み出すのだった。