第二十四話 廃坑の奥と謎の扉
廃坑の奥、戦いの余韻が漂う。
影の敵は姿を消し、坑道は静まり返っている。
「……一瞬で消えた……」アスカが息を整えながらつぶやく。
「まだ本体ではないわね」クレアが壁沿いに視線を走らせる。
坑道の奥には、かすかに赤く光る扉があった。
「……なんだろう、この光……」アスカが近づくと、扉には奇妙な文字と模様が刻まれている。
「古代文字かしら……?」クレアが手元の端末で解析を試みる。
その時――
背後から低く響く声。
「ふふ……面白い連中が来たじゃないか」
暗がりから、あの影の敵が半身を現す。
その姿は、完全に人型ではなく、黒い霧のような影がまとわりつく異形。
「……正体は……この廃坑に潜むモンスター……シャドウ・ザ・リッパーか」ノヴァが解析。
「私の役目は……ここで皆を試すこと。危険も、覚悟も、力量も――」
影は謎めいた声で告げる。
「……ふふ、次に会うときは、もっと面白くなるでしょう?」
そして、影は赤い扉の前で光と共に消え、扉だけが静かに光を放つ。
「……扉の向こうに、何があるのかしら」クレアが眉をひそめる。
アスカはスコップを握り直し、目を輝かせる。
「……絶対、先に進むしかないね!」
坑道の奥、赤い光に照らされる扉が、新たな冒険への入口を示していた。
――月影の廃坑の謎は深まる。影の敵はまだ完全には姿を現さない。
だが、アスカたちは確実に一歩前進したのだった。