第二十三話 影の敵、現る
隠し通路の奥、薄暗い坑道。壁の光が消え、闇が広がる。
「……気を抜かないで」クレアが低く警告する。
ミライは炎をまとい、スコップを握ったアスカも緊張で息を詰める。
シュウスケは、挑発的に笑う。
その瞬間――
壁の影から、黒く渦巻く怪しい影が姿を現した。
「……これは……!」アスカが息をのむ。
影は不規則に動き、まるで生きているかのように坑道を覆う。
クレアは素早く剣を抜き、影の動きを読む。
「皆、注意! 単独行動は危険よ!」
影は鋭く攻撃を仕掛け、坑道の壁に衝撃を走らせる。
アスカはスコップで防御しつつ、ミライの炎で反撃。
シュウスケは影からひょいと現れ、敵の攻撃をかいくぐりながら挑発。
「ふふ……面白いね、この戦場」
影の敵は攻撃力が高く、アスカたちは苦戦する。
クレアは冷静に戦局を見極め、指示を出す。
「ミライ、右から回り込んで! アスカは私の後ろに下がって!」
アスカは指示に従い、スコップを握りしめ、影の動きに合わせて攻撃。
ミライは炎の玉を飛ばし、敵の注意を引きつける。
シュウスケは遊ぶように、だが的確に影の弱点を突く。
――坑道は光と影、火と闇のぶつかり合いで熱気に満ちる。
影は不意の動きで反撃するが、アスカたちの連携攻撃で一瞬押される。
戦いの最中、アスカはスコップに手応えを感じる。
(この武器……まだまだ私を支えてくれる……!)
そして、影は一瞬の隙を見せた――
「今だ!」クレアの声と共に、アスカのスコップとミライの炎が一撃を放つ。
影の敵はうなり声を上げ、廃坑の奥に後退。
しかし、完全には倒れず、暗闇の中に消えていった。
「……逃げられたか」クレアが息をつく。
アスカはスコップを握りしめ、胸を高鳴らせる。
ミライは汗を拭いながらも笑顔を見せる。
シュウスケは影から手を振り、にやりと笑う。
「ふふ、次はもっと楽しませてくれるかな?」
――月影の廃坑で、新たな影が、アスカたちを待ち構えている。