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メイキング  作者: せつぷらちなむ
第二章 月影の廃坑篇
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第十七話 影を断つ刃、クレア・ナイトフォール

月影の廃坑へと足を踏み入れたアスカたち。

 じめっとした空気、岩肌にまとわりつく黒い靄――。そこに現れたのは、狼のような姿をした影の魔物シャドウハウンドだった。


「ひ、ひぃぃぃっ! なんかもう影が犬になって襲ってくるんですけどぉぉ!」

「落ち着きなさい! 影に怯んだら本当に飲み込まれるわ!」ノヴァの冷たい声が飛ぶ。

「こっちも炎で焼き尽くしてやる!」ミライが火球を放つが、影の体はゆらりと揺れて炎をすり抜けた。


「え、効いてない!? ずるいでしょ!」アスカが叫ぶ。

「まずいわね……実体を掴めない相手なんて――」


 その瞬間、空気が張り詰めた。

 すっと、暗闇の奥から少女の声が響く。


「――下がって」


 影の群れを切り裂くように現れたのは、金色の髪を後ろに束ねるフードの少女。

 彼女の足元から伸びた“影の鎖”が、シャドウハウンドを絡め取り、一瞬で引き裂いた。


「な、なに今の……影が動いた……?」アスカが目を丸くする。

「っ……影を具現化するスキル?」ノヴァが息をのむ。


 少女は静かにフードを下ろし、瞳を見せる。

「クレア・ナイトフォール。依頼でこの廃坑を調査している」


 アスカが慌てて頭を下げる。

「す、すごい! 助けてくれてありがとうございます!」

「勘違いしないで。ただのついでよ」クレアの声は冷ややかだ。


「あなたたち、ここで遊ぶつもりなら帰りなさい。

 月影の廃坑は……生半可な気持ちで来る場所じゃない」


 そう言ってクレアは背を向ける。

 だが、その背中は確かにアスカたちを“守るように”歩いていた。

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