第十二話 修行クエスト!森の奥で大ピンチ!?
メイキングが正式リリースされ、街は新規プレイヤーで大賑わい!
アスカたちも初心者クエストを受け、冒険の舞台はさらに広がっていく――。
ギルド掲示板。
「初心者向け:〈森の修行場〉でモンスターを10体討伐」
「おぉ、これだ! 修行って響き、めっちゃ冒険っぽい!」アスカの目が輝く。
「まあ、地味に大変だと思うけどね」ノヴァが冷たく返す。
「でもさ、アスカ。こういう地道な積み重ねが後で効いてくるんだよ!」ミライが励ます。
そこへシュウスケがひょっこり顔を出した。
「ほーら弟子たち、修行のお時間だ。森の修行場は意外と奥深いぞ?」
「えっ……なんか嫌な予感……」アスカの顔が青ざめる。
「なーんてね♪ まあ、気をつけるんだよ。修行場には“お試しボス”も出るからな」
「お試し……ボス……!?」
アスカの足がガクガク震える。
⸻
森の修行場。
小川のせせらぎと、そよ風に揺れる木々。
一見のどかだが、草むらからスライムが跳ね出した!
「きゃーーっ! で、出たぁああ!」
「落ち着きなさい。あれはただの経験値袋よ」ノヴァが冷静に分析する。
「袋って言うなぁ!」アスカが突っ込む。
ミライが先陣を切り、炎をまとわせた一撃でスライムを撃破!
「ほらっ! アスカも攻撃して!」
「ひ、ひええええ!」と叫びながらスプーンを振り回すアスカ。
なぜか敵より自分がぐるぐる回って転んでしまう。
⸻
10体目の討伐が終わった瞬間。
――地面がぐらりと揺れ、森の奥から巨大な影が迫ってきた。
「ちょっ、ちょっと! これ初心者クエストじゃないでしょ!?」
「お試しボス、出現だな」シュウスケが木の上からひらりと現れる。
「……弟子たち、これは腕試しだ。全力で行け」
炎を構えるミライ。
スプーンを握りしめるアスカ。
冷静に敵を見据えるノヴァ。
「こ、これが修行編の始まりってわけね……!」
――かくして、アスカたちの本格的な“成長の試練”が幕を開けた。