第十一話 正式リリース!新たなる冒険者たち
森でのクエストを終えた才塚アスカ、ノヴァ、火野ミライ。九足八鳥シュウスケを師匠とする形でチームを結成。敵の影を意識しつつ、四人の冒険は少しずつ本格化していく――。
街の掲示板に、鮮やかな文字で告知が出た。
「メイシング正式リリース!すべてのプレイヤー募集開始!」
「な、なにこれ!?」アスカが目を丸くする。
「……テスト段階、終了……ね」ノヴァがツンデレ風に小さく呟く。
「やったー! 正式リリースだって! これでプレイヤーがいっぱい来るよ!」ミライは目を輝かせる。
街の広場に出ると、人・モンスター風NPC・そして新たなプレイヤーたちでごった返していた。
「うわぁ……すごい人混み……」アスカは圧倒される。
「これが正式リリースの力ね……」ノヴァが眉をひそめる。
シュウスケはにやりと笑い、アスカたちに声をかける。
「ほら、弟子たち。これからが本番だ。油断するとすぐ迷子になるぞ」
「えぇっ!? 迷子はもう嫌!」アスカが思わず叫ぶ。
「ふふ、楽しんでいこうよ」シュウスケはいたずらっぽく云う。
新規プレイヤーが続々とギルドに集まり、掲示板には初級クエストが並ぶ。
「まずはみんなで協力してクリアするのが基本だね」シュウスケが指示を出す。
「よーし、私たちも初心者クエストから始めよっか!」ミライが元気よく手を振る。
アスカは周囲を見渡しながら、胸が高鳴るのを感じた。
「人が増えると、世界がもっと広がる……!」
ノヴァも少しだけ笑みを見せる。
「……まあ、混雑は面倒だけど、これも経験ね」
森やギルドでの訓練とは違う、活気ある街の風景。
そして、正式リリースによって増えた仲間やライバルたち。
冒険者たちの群れに、黒い影がちらつく。
「……次は本格的な戦いが来るかもしれない」シュウスケが呟く。
「うっ……またか!」アスカが思わず背筋を伸ばす。
こうして、新規プレイヤーたちと共に、アスカたちの冒険はさらに広がり、深まっていく――。