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「あ、りんごです! 美味しそうな真っ赤なりんごがありました! やった!」ときゃーと言いながら、りんごを見つけて、はしゃぎながら、みぞれは言いました。
背伸びをしながら、りんごをいっぱいとったみぞれはりんごの木の近くに座って、りんごをもぐもぐとほんのりと赤いほっぺたを膨らませながら、食べます。
「美味しいです! くままるもわたしと一緒だったら、こんなに美味しいりんごを食べることができたのに」とみぞれは言いました。
みぞれはりんごをひとつ食べ終わると、次のりんごを食べます。(お腹が空いていたんですね)
そんなみぞれのことを木の幹の後ろからじっと見守っていたくままるは、「あ」と言って、転んでしまいました。
「あ、くままる!」ところころと転がったくままるを見つけて、みぞれは言いました。
くままるはみぞれに見つかると、その瞳を大きくして驚いて、それから慌てて起き上がると、みぞれから逃げるようにして、とことこと小走りで作りものの森の中を走り始めました。
「あ、待ってください、くままる! 美味しいりんごがあるんですよ!」と言って、みぞれはりんごを食べることをやめて、りんごをひとつ、手に持って、くままるのことを追いかけ始めました。
「みぞれのばーか」とくままるは走りながら言いました。
もちろん、その言葉を聞いて、みぞれはすごく怒りました。(あらあら。本当に心配になるくらい、単純ですね)