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雪にソーダ水  作者: ルカ
6/11

2度の入院

美雨は3歳の時、おたふく風邪をこじらせて髄膜炎になりかけた。


その時覚えている事は、個室に入院していて、祖母が付き添いで泊まってくれていた事だ。


母はやらなければいけない事がたくさんあると言い、お見舞いに来てもすぐに帰ってしまうので、淋しくて淋しくて、病室から出ていく母を泣きながら追いかけた。


母は眉間に皺を寄せ、迷惑そうに急ぎ足で逃げるように去っていた。


なぜ?なぜ?と美雨は思った。


凄く淋しくて辛かった事を覚えている。


後少しで小学校入学という時にも盲腸で入院した。


腹の痛みを長い間我慢していた為、ある夜限界が来て、あまりの痛みに、のたうち回り最後はグッタリしてしまい、父親が急いで運転して病院に行き、緊急で手術した事がある。


この時、母親はまた病院の先生に怒られたそうだ。


「なぜ、こんなになるまで病院に行かなかったんだ!」と。


盲腸は破裂しかかっていたそうだ。


この時美雨はまだ年長さんだったが、大部屋に入り1人で入院した。


「暇があったら、1年生の時に使う算数セットに名前シールを貼りなさい」母はそう言って算数セットを病室に置いていった。

後から美雨が一切シールを貼っていない事を知った時はとても怒った。


「自分で八朔をむいて食べなさい。」と八朔を置いていった時も、美雨が食べていない事を知った時にとても怒った。


病院の夜はとても怖い。


美雨は眠れなくて、ベットの横にかけてある女の人の絵柄のタオルを見ていた。


その素敵な女の人はなんだか母親に似ている気がしてきて、母親に会いたくなってきて声を出して泣いた。


それに気づいた看護婦さんが美雨をナースステーションに連れて行ってくれた。


そこで母親が置いていった算数の問題集を看護婦さんと一緒にやっていたら、父と兄とコウが来たのが見えた。


しかし、父親達は私がナースステーションで看護婦さんといる事に気をつかい、急ぎ足で帰ってしまい、美雨はまた泣いた。

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