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作者: 喜名

何故泣く

お前の愛でも無いのに


お前が選んであげた訳でもないのに


夜中にふらり

美しい権利を自覚しながら

魚を釣れ


美しく、手を取られながら

誤ってキスをする


光は赤いままに

運命のにおいを仄かに香らせて


貴婦人はしかめ面をするんだろう

彼女のお相手を、相応しい者だけに


何故嘆く

お前は男だろう

捨てられるなんて、

味わった事ないだろう


今出会ったのに

これから歩むのに

共にずっと愛し合うのに


今は生を有しているのに

なぜ死が目の前にあるのだろうか

さぁ、水の棺に収まりなさい


美しい事を意図的に忘れながら

魚を殺せ、そして釣れ


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