表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

エピローグ

 エピローグ


 神木の下。

 俺と美切は木刀を手に間合いを取り合っていた。時間は朝の九時。現在特訓の真っ最中だ。しかし、これは部長との戦いの翌日である。つまりは、今日は貴重な休日である。なのに、おれは美切に無理やり朝から特訓を受けさせられていた。

「なぁ、美切。俺は昨日の戦いで疲れているんだが、せめて今日だけは特訓を止めようとか思わないのか?」

 俺がやる気の無い声でそう言うと、美切はこちらを睨みつけて指摘してくる。

「能力に操られてしまうような軟弱者には、休日なんか要らん。特訓して早く能力を完全に扱えるようにしておくのだ。他にも、もしかしたら村正は居るかもしれないんだからな」

 俺の意見はきっぱりと無視され、その代わりにおきつい言葉を貰った。未だに昨日、俺が暴走した事を根に持っているらしい。まぁ、確かに俺が悪いんだけどさ。しかし、その美切の言葉にも問題はあった。

「大体さ、村正って一体どれくらいの数がお前みたいに人型になるんだ? 村正なんて沢山作られてるんだし、今も現存している村正は多いんだぞ」

「そんなものは知らん。もしかしたら、私達の三人だけかもしれないし、全部の村正がそうなのかもしれん」

「当てのない話だな……」

 全部の村正が人型化するなんてあってたまるか。たったの二人だけでもこんなに苦労しているのに、これ以上増えるなんてごめんだ。しかし、本当にありえる話なのかもしれない。だって、現にもう二人もの村正が人型化しているんだ。他にいてもおかしくはない。

「しかし、この後も今の調子で交渉を持ちかけていくのか?」

 美切が少しだけ心配そうな表情で質問をしてくる。確かに、この方法は効率の悪い確証のないものだ。しかし、その返事は決まっている。

「ああ、勿論だ。俺はあの約束を破るような事はしない。だから、約束をした人とは力で戦わないで、いくつもりだ」

「じゃあ、もしも約束をしないものが現れたらどうするんだ?」

 そう言われて、俺はしばらく考え込んだ。確かにこの条件を飲まない契約者も出てくるかもしれない。そうなったら、戦う事は必須になるかもしれない。しかし、それでも俺の中では答えは出なかった。

「まぁ、その時は、その時だ」

 俺がそう言うと、美切はうんざりとした顔でため息をついていた。しかし、その後の表情は優しい笑顔だった。

「まぁ、その考えは好きだぞ。甘い考えだと思うがな。そして、その考えを貫き通すのなら強くならなければいけないな?」

 そう言われて、俺は仕方なくやる気を出す事にした。木刀を構えて美切へ声をかける。

「よし、いくぞ!」

 そして、俺は美切に向かっていった。どうせ、この後はボコボコにされながら説教を食らう事になるのだろう。しかし、それでも俺は良かった。それで、無駄な争いを避ける事が出来て、刀が守れるなら。

 だって、俺は――刀が好きなんだから。


はい、桜雪です。やっと書き終わりました。

またしても、製作期間が一ヶ月程度という感じです。

これが私のペースなんですね。


さて、今回は擬人化ものでしたが、どうでしたか?

似たような作品なんて一杯あるでしょうが、その中でもまだ刀は擬人化されていないと思います。

題材の村正は私の好きな刀ですね。持ってませんけど(泣

小説家になれたら、お金ためて買おうと思います。百万円以上しますけどねorz


それでは、次回作をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ