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言葉の使い方  作者: 総督琉
学園編
2/11

第1話 伝説は消える

「言葉とは重たい」


「はい。だがそれがどうかしましたか?今我々はディベイトの最中ではありませんか。今を楽しみましょうよ。黒淵さん」


 不敵な笑みを浮かべる男に、黒淵天下は苛立ちを覚えつつあった。

 実力は黒淵天下、彼の方が上だろう。だがそれでも彼には大きな弱点があった。彼はそれを弱点と呼びはしないものの、今戦っている彼から見ればそれは大きな弱点であった。

 未だ負けたことのない彼を大きく負かすための、圧倒的な弱点であった。


「いい加減敗けを認めてくださいよ」


 相手は笑みを浮かべつつ、片手を黒淵天下へとかざした。


「使わせませんよ。力は」


 黒淵の体は動かない。

 どれだけ抗おうにも、彼は体を動かすことができないでいる。これが彼の力ーーではない。

 だとしても、彼には勝つことができなかった。

 彼を前にして、黒淵は攻撃を仕掛けることができない。

 悔しさが心を渦巻き、怒りがこみ上げる。


「無駄だ。力は使わせない」


 時間終了。

 黒淵は一度も体を動かせなかった。一度も口を開けなかった。


 そこで彼は消えた。

 彼を見た者は一人もいない。

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