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第10話 いろんなもので成り立つ世界
コミュリンピック、終了。
コミュリンピックで優勝した者は、彼女ーー黒淵法華であった。実際には彼女へ成り代わっていた聖処女であったが、そんなことには誰も気付きはしなかった。
「優勝しましたけど、今一番欲しいものはなんですか?」
司会者の問いに、黒淵法華へ成り代わっている聖処女は満面の笑みで言った。
「私はこの世界を頂こうか。我が父、黒淵天下が成せなかった夢を叶えるために、私は世界を頂いていく」
聖処女は世界へ向けて、そう宣言した。
「私たちは今まで多くの者を失ってきた。その中には、私たちの大切なものがあった。けれど、今ここで世界を変える。私たちは失った全てのものを取り返すのだ」
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王を選ぶため、選挙は行われていた。
候補者は梓川卿夜、早乙女刃、朝桜鴻上の三名。だがその三名の中から王が選ばれることはなかった。
「これより、世界は私が支配する。我が名は黒淵法華、黒淵天下の娘である」
「さあ、わらわに見せてみよ。お主の王としての力を」




