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第七章ー4

     ◆



 塗りつぶされていく地図を見て、不安を隠せなかった。


 ――どこに行ったんだ……?


 捜索を開始してから、二時間以上。

 十七時を過ぎている。

「目撃情報すらないってのが……」

「こんなこと、あるんですか?」

 情報共有のため、俺と松岡主任は西条家へ戻ってきた。

 捜索隊の人数は五十名を超えている。

 西条家に関わりのある親戚の方々だけでなく、近隣住民の皆さんもどんどん増えている。その他、我々ふれあい西家の職員や、地域のお年寄りを支えている民生委員さんなど、様々な人が続々と集まってきていた。

 警察も俺たちとは別に捜索を続けており、時おり、互いの情報を交換し合っている。

 だが、それでも足取りが一向につかめなかった。

「考えられるとすれば、どこか、物置の中とか、見つけにくい場所にとどまっていて、全く動いてない、とか……」

「ですよね。西条さんは足を痛めているはずだから、そんなに遠くへ行けないはずですし……」

 西条家の駐車場には、大きなテーブルが置かれ、その上には拡大コピーされた地図が置いてある。

 俺と松岡主任は地図を見つめ、首を捻る。

 西条家の周辺は、何十人もが何度も歩いて回り、見落としがないか確認している。捜索済みの道路や住宅、商店などに印がつけられているが、西条家の周囲は地図が見にくくなるほど印がつけられている。

 これ以上、捜索の仕様がないレベルだった。

 時間とともに、少しずつ捜索範囲を広げているが、目撃情報すらないのはおかしな話だった。

 つい先日、転倒で足を痛め、ウォーカーがなければふらつきがあるような人が、一体どこへ行けるというのか。

「田んぼの方も、ほとんど回ってるしな」

「そうなんですよね……」

 五十人も捜索隊がいれば、回れるところは全て回れる。

 だだっ広い田んぼも、ほとんど全て回り切っていた。

「……」

 視界の端に市川園長を見つける。

 スマホを手にどこかへ連絡していた。

 市川園長は人数が増えてきたため、自身での捜索を切り上げ、少し前からここに張り付いて情報をまとめる役割を担っていた。

 休む暇なくあちこちへ電話し、情報共有を行い、それを伝達、警察への対応なども一手に引き受けている。

 ただ探し回っているだけの俺たちよりも、余程、神経をすり減らしているだろうに、そんな様子は微塵もなかった。

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