95 みなと新池現在進行 恐怖のふとん綿引き 1995年10月
みなと新池 現在進行 すずがも通信94号 1995年10月
「恐怖のふとん綿引き」わが観察舎の新米バイトさんたちを文字どおり震え上がらせたこの仕事、さあ、いったい何でしょう。
最初に作業を始めた竹内さんの言葉を無断で拝借すると「ちぎれないように、そろそろと進むんですよ。体でじわじわ引いていって、岸に上げる時は水気をできるだけしぼるんです。」
実はこれ、池本体の水面をおおいつくし、大きなアオサギまでその上を歩いたらしい、というほどの密生状態になったアミミドロの除去作業のこと。この暑さでは胴長などはいていられないため、作業服に軍足といういでたちのまま、腰までの深さの水に入ります。新米バイト生の山田・道川両氏が丸4日かけてだいたい水面を開けました。朝出かけるときはともかく、昼に戻る時はびしょぬれの舟ゆうれい状態、夕方にはもろにゾンビ状態。ご苦労さまでした。ああ、来年がこわい!
水から上げたアミミドロはきれいに白く乾き、ほこほこして、本当にふとん綿そっくり。繊維として何か利用できないものかしらん。それにしても、棚田の中でかなりの程度に浄化が進んでも、まだ池本体に入るリンや窒素が多すぎるということがよくわかりました。
アミミドロが消えたあとにのさばっているのはトチカガミ、ヒシ、ウキクサなど。ウシガエルのオタマの群れが水中から突き上げるので、ウキクサがぴょこぴょこと踊ります。森田さんがすてきな桟橋を作ってくださいました。桟橋から水面のヒシの花やトンボの産卵を眺めるのは最高の気分。カワウやカルガモ、棚田にはタカブシギまで入りました。あともう少し、水の浄化が進むといいのですが。




