表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
95/100

95 みなと新池現在進行  恐怖のふとん綿引き  1995年10月

みなと新池 現在進行  すずがも通信94号 1995年10月


 「恐怖のふとん綿引き」わが観察舎の新米バイトさんたちを文字どおり震え上がらせたこの仕事、さあ、いったい何でしょう。

 最初に作業を始めた竹内さんの言葉を無断で拝借すると「ちぎれないように、そろそろと進むんですよ。体でじわじわ引いていって、岸に上げる時は水気をできるだけしぼるんです。」

 実はこれ、池本体の水面をおおいつくし、大きなアオサギまでその上を歩いたらしい、というほどの密生状態になったアミミドロの除去作業のこと。この暑さでは胴長などはいていられないため、作業服に軍足といういでたちのまま、腰までの深さの水に入ります。新米バイト生の山田・道川両氏が丸4日かけてだいたい水面を開けました。朝出かけるときはともかく、昼に戻る時はびしょぬれの舟ゆうれい状態、夕方にはもろにゾンビ状態。ご苦労さまでした。ああ、来年がこわい!

 水から上げたアミミドロはきれいに白く乾き、ほこほこして、本当にふとん綿そっくり。繊維として何か利用できないものかしらん。それにしても、棚田の中でかなりの程度に浄化が進んでも、まだ池本体に入るリンや窒素が多すぎるということがよくわかりました。

 アミミドロが消えたあとにのさばっているのはトチカガミ、ヒシ、ウキクサなど。ウシガエルのオタマの群れが水中から突き上げるので、ウキクサがぴょこぴょこと踊ります。森田さんがすてきな桟橋を作ってくださいました。桟橋から水面のヒシの花やトンボの産卵を眺めるのは最高の気分。カワウやカルガモ、棚田にはタカブシギまで入りました。あともう少し、水の浄化が進むといいのですが。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ